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転校生



『そういえばさ、今日来る転校生、東京から来たらしいよ』

『マジで!?イケメンですよーに!』


3軍女子の机の上に足を乗せてスマホをいじる一軍女子、あげは と絵梨花。


私も適当に話を合わせる。


『てかまず女子だったりして』


と笑いつつ言う。


『はぁー?女子だったら許さないわ。でもギャルならうちらのグル招待してあげようではないか。な、ゆめ?』

と絵梨花。


『やだぁ〜。ギャル怖いよぉ〜。』

そう言ったのは、一軍女子の中で唯一と言われる、ふわふわ系女子 ゆめ だった。


ゆめは、学校中のアイドルだ。

見た目通り性格もふわふわしてるが、実は腹黒い。彼女の3軍女子への扱いといったら、まさにゴミ同然の扱いである。


一軍女子のギャルである、あげはや絵梨花が ふわふわ女子・ゆめをグルに招待したのは、その腹黒さを認めたからであろう。



『ゆめ お前、転校生が男子だったらそいつ狙うなよ?お前 すぐ媚びるからな。』


『あげはちゃんひどいよぉ〜。でも、ゆめが好きにならなくても、男の子が勝手にゆめのこと好きになってくれるの〜。』


いちいち癇に障るしゃべり口調。そして言葉。

私は正直このタイプの女の子は苦手だ。




キーンコーンカーンコーン




いよいよ転校生が姿を現す。

いつもは教師が注意をしないと座らない一軍たちも、今日はぴしっと座っている。



『おっ転校生来るぞ!イケメン来い!イケメン!』

クラスの女子が目を輝かせている。


『可愛い女の子来い!花井ぐらいかわいい女の子来い!』

クラスの男子も目を輝かせている。




ガラッ




そこに入ってきたのは...





少し茶色がかった髪で、すらりとした高身長。その上 顔はばっちり整っている。

まるで漫画に出てくるような、見た目は何もかも完璧な少年であった。



『...立木 凛 です。よろしく』



ざわざわ...




教室内でざわつき始めた。



『やばくね!?ちょーイケメンなんですけど!』

『ゆめ〜、凛くんタイプかもぉ〜』


一軍女子が騒いでいる。


その横で男子たちががっかりとした表情でため息をついていた。



男子諸君、どんまい。

可愛い女の子は ゆめで充分であろう。




『立木の席はー、、おっ。花井の隣が空いてるなー。』

先生が言った。



『立木くーん!ゆめの隣だよぉ〜』



よりによって 学校中のアイドル・ゆめの隣になるとは...。


『分かんない事あったら、ゆめに聞いてねぇ〜』


『...。』



立木くん、まさかのガン無視。

ナイス、立木くん。



前から、

あげは・絵梨花・ゆめ・私

の順で座っている。


そのため、ゆめと立木くんのやり取りが嫌でも目に入ってしまうのだ。


それにしても整いすぎてる顔だな〜。ここにいるのがもったいない。

はよ東京もどれ!



そう思いながら 斜め後ろから彼の顔を見ていると、立木くんが私の視線に気づき、振り向いた。



反射的に顔を逸らす。









『.......ぷっ...』




ん?ん?んん?

今、立木くん笑った?

あ、いや、笑ったというよりかは吹いた?


私の顔を見て?

なんかついてる?

ちゃんとメイクして化けましたけども?



あわてて鏡で顔をチェックする。

うん。しっかり化けてる。





立木くんがまたもや振り返った。






『...................ぷっ.....くくく...』








…………はい?

2度も笑われました。




くしゃっと笑う顔。

立木くんの笑う顔は.......嫌い..じゃない。





その休み時間。



立木くんが私にこういった。







『ほんとお前鈍感だな。』










!?!?!?


はい?初対面でお前?

てか鈍感って何?ん?私どこかでお会いしましたっけ?


脳みそがフル回転。ぐーるぐるぐるー。




だめだ、思い出せん...。





『立木くんは私のこと知ってるの?』











『かなめ.......俺の事覚えてない?』















────────え?



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