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プロローグ
果てしなく続く青い空。
雲ひとつない、その夏いちばんの快晴だった。
〝あいつ〟に唇を奪われたのは──────...
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高校2年生でまだまだ未熟な私。
身長は150cmと小さく、成績も中の中あたりだろうか。容姿も特別いいという訳ではない。
学校では クラスで浮かないように、いわゆる
〝1軍女子〟に話を合わせている毎日。
だが、そのおかげで私は〝2軍女子〟というまぁまぁ上の方の立場を与えられたのだ。
〝本当の自分〟をさらけ出してまで、教室の隅で暗いオーラを放ちながらお弁当を食べるような4軍女子にはなりたくない。
私なりに高校生活を満喫しているつもりだ。
誰がどう見ても、『普通』の高校生なのだ。
そう自分に言い聞かせていた去年の夏。
そんな『普通』の生活に違和感を覚え始めたのは、あきらかに〝あいつ〟のせいだった。