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覚慶

永禄8年5月。金吾・秀秋(覚慶のちの足利義昭)が入室した寺院にて


僧:「♪ナ~マナステメナ マナスノメナマナ」

僧全員:「♪メサマナメサマナ メサマナメサマナ」

僧:「♪トンマナメサナマ マナメクマナメナ」

僧全員:「♪メサマナメサマナ メサマナメサマナ」


正成:「金吾様。金吾様。」

金吾:「なんじゃ正成。勝手に寺に上がり込んで来て。」

正成:「これは失礼。ところで金吾様。

    金吾様は何故今。金吾様も含め僧侶全員が

    そのようなあられも無い御姿になられているのですか?」

金吾:「……これか。

    おおこれは、今宵。新たな修行僧が入って来てな。

    その……言うならば、新たな修行僧の歓送迎会なるモノを催しているところなのだ。」

正成:「……あられも無い御姿で。……ですか……。」

   「……因みに金吾様。今の模様を挿絵にしようとしました場合。

    どのようなモノになるのでありましょうか……。」

金吾:「……たぶんであるが、検閲が入り、墨で黒一色に塗り潰されることになると思うぞ。」

   

僧:「♪ナ~マナストメナ マナスメモトスナ」

僧全員:「♪メサマナメサマナ メサマナメサマナ」


金吾:「今流れているお経(!?)にしても、外には出さないほうが良い音(声)を

    更に大きな音源(お経)を用い、かき消すためであるからな……。」

   「まっ。おおらかな時代であった。と言うことでよしなに……。」

   「で。正成は何故。寺に入り込んだのだ?

    もしや。そなたも新たに仏門に入ろうとしているのか?

    ならば話は早い。すぐにでも輪の真ん中に入るが良い。

    さぁ遠慮することは無い。誰しもが通る道なのだ。」

正成:「いえ。金吾様。私は仏門に入りに来たわけではありませんし、

    ましてや輪の真ん中に放り込まれる覚えもございません。

    大事な用があり、急ぎ参った次第であります。」

金吾:「なんだ。申してみよ。」

正成:「金吾様の兄上。将軍義輝様が松永と三好の手により、暗殺されました。」

金吾:「なに!?兄上が……か。」

正成:「御意。義輝様の弟であります金吾様にも追手が来ること必定である由。

    急ぎ寺を脱出され。安全な場所へ御移しするべく参った次第であります。」

金吾:「うむ。まだ私の番が回って来ぬが仕方ない。

    急ぎ脱出の準備に入るとする。

    ところで正成。」

正成:「なんでございましょうか?」

金吾:「ソチは今度。何の役回りになったのであるか?」

正成:「細川藤孝にございます。」

金吾:「ん!?ソチが幽斎を!!?

    お前が古今伝授をまとめたとでも申すのか?」

   「どちらかと言うと正成。お前にピッタリの役は

    歌道に通じ、命を救われた藤孝よりはむしろ

    奥さんに助けられた京極高次であろう。」

正成:「そんなこと言うのでありましたら、この場で見捨てるか。

    この場は見捨てないにしても史実通り。

    槇島城でおさらばになりますが宜しいですか?」


……と半ば脅されながら寺を脱出した金吾に沸いた1つの疑問。


金吾:「ところで正成。」

正成:「なんでございましょうか?」

金吾:「今回の設定。ワシが足利義昭。

    そなたは細川藤孝共に言えることなのであるが

    どちらも生きている時代が重なるのであるが。」

正成:「このまま行きますと本来の足利義昭が松尾山に陣を張ることになりますな」

金吾:「……関ヶ原どうなるのかな?」

   「秀吉と私の関係もややこしくなるな……。」

正成:「まぁ作者の体力次第になりますね。」

   「わかりやすく食パン咥えて路地の角を猛スピードで走ってみますか?」

金吾:「どちらかと言うと。不遇でも良いから将軍のほうが良いな……。」

正成:「私も幽斎様のほうが良いですね。」

   「とりあえずまずは、身の安全の確保に奔走致しましょう。」


松永・三好の追手を振り切り、近江に入る2人でありました。  

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