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謀反!?

鎌倉に居る頼朝のもとに

『金吾(義経)。1万5千の兵を率い京を出発。近江に入る。』

の急報が届く。

金吾が政治に無関心なこともあり、

特に対立するポイントは無く、

鎌倉は私(頼朝)。西国は金吾(義経)。

と考えていた頼朝にとって

金吾のこの行動は寝耳に水の出来事。

この報を受け、

鎌倉に居る。

とりわけ金吾と共に西国に従軍した御家人の中からは

(……もしこのまま東国に向け兵を進め、戦いになった時、

果たして奴(金吾)に勝つことが出来るのか?)

勇気第一である故。口には出さぬ彼らであるが、

不安に駆られながら

『金吾。近江に入る。』

の続報を待っていた鎌倉衆のもとに届けられた次の便りは

『金吾。北陸路より越前に入る。』

の報でありました。


ホッと胸をなでおろす

鎌倉御家人衆と兄・頼朝。

と同時に湧き起こるもう一つの疑問。

(なにゆえ金吾は北陸に入ったのか?)

もしかすると

(あの煮ても焼いても喰えぬ御老体。後白河が裏で糸を引いているのでは?)

と考えた頼朝は、後白河を詰問すべく舅・北条時政を京へ派遣するのでありました。


一方、その頃。鎌倉以上に動揺。狼狽していたのが当の後白河。

法皇である私(後白河)になびかぬところは気に入らないが

特に政治に口を出して来るわけでも無く、

京の治安維持に貢献してくれる。

金吾が断った『検非違使』以上に『検非違使』の役目を全うし、民の評判も良い。

待遇に不満を持っている様子も見られない。

と感じていた後白河であるだけに

急に、何の挨拶も無しに京を離れた金吾の行動を理解することが出来ない。

加えて金吾が居なくなる。

と言うことはつまり

京の治安。とりわけ後白河の警護をしてくれるモノが居ない。

丸裸の状態で放り出されてしまった。

未だ平家残党が潜んでいるかもしれないこの御時勢に……。


そんな折。詰問するためとは言え、上洛してくれた頼朝軍は頼りになる存在。

私(後白河)の安全を確保してくれるのであれば。

と鎌倉側の要求。

守護地頭の設置を認め、

後白河を守ってくれなくなった金吾は用済みとばかり。

『朝敵』

とするのでありました。


そんなやりとりが行われているとは露知らず。

北陸路を下る金吾・秀秋と小早川1万5千の軍勢。

その目的は……

金吾:「火薬が無くなってしまってはな……」

正成:「我々の生きた(戦国)時代は、足軽を中心とした集団戦。

    そんな我ら小早川軍から火薬が無くなってしまいますと」

金吾:「烏合の集。」

正成:「……それは言い過ぎかと思われますが」

金吾:「壇ノ浦の時。焙烙火矢で討ち果たすことが出来たから良かったものの

    あの体躯が船の上にやってきたらと思うとゾッとするな……。」

正成:「8つの船を飛び回って逃げた。と言うことにでもしておきましょう。」

金吾:「火薬の原料の内、硫黄と木炭は見つけることが出来たのであるが」

正成:「鎌倉から西国までくまなく探してみましたが

    『焔硝』はありませんでしたな……。」

金吾:「少しの量であれば、馬屋の土でも拵えることが出来るのであるが」

正成:「あれだけ『いくさ』が続きますと、追いつきませぬな……。」

金吾:「火薬が無ければ、どうしようもならぬ故。

    鎌倉に向かう前に火薬を調達した。」

正成:「奥州へ向かうべく、北陸を進んでいる。と……。」

   「殿。首尾よく奥州で『焔硝』を調達出来ましたら

    その後。どうされるのでありますか?」

金吾:「鎌倉に居ても京に居ても、禁欲を強いられることになるのは変わりないし、

    奥州で調達出来たとしても、使っていけば無くなるモノ。

    その都度。東北まで往復するのも難儀であるし、

    知られてはならぬ秘密兵器である故。

    他人を介すわけにも参らぬ。」

   「父の無念を晴らすことも出来たわけである故。

    故郷・平泉でノンビリ過ごそうと考えておる。」

正成:「御意。」


兄・頼朝に追われていることも知らず。

奥州を目指す金吾・秀秋と小早川1万5千でありました。

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