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第3話

 救いの神は後ろのドアからやってきた。


「おい」


後ろにはいつの間にかやってきたのだろうか、あのナイスミドル・・・いや大豪寺?さんが立っていた。その視線の先には、あのスーパーモデルのような女性が、ってあれれ、大豪寺さんを見たとたんに雰囲気がまるで違って・・・目もうるんでいるし、顔も真っ赤に…


「あ、あの、じ、仁・・・なの?久しぶり?」


「なんでお前がここにいるんだ、美姫」

 こんな冷たい声の大豪寺さん、見たことない。ちょっと怖い、でも、渋い声も素敵ね・・・傍観者になっている私。そのセリフを聞いた途端、目の前の女性は、表情が真っ白になって、震えはじめたわ。


「その、あの、仁からずっと連絡がないから、居場所を何とか突き止めようと…」


「それで、兄貴の事務所のファイルを調べて、ここにたどり着いたということか。」


「そ、そう・・」


あの美人さんがどんどん小さくなっていく。そんなに大豪寺さんが怖いのかしら。


「前にいったはずだよな。用事があるときはこちらから連絡する。そちらからは連絡しないようにと。」


「でも、でも、もう10年も・・」

「ああっ、なんだって?」

 大豪寺さん、怖いです。美人さんは、もう泣き出しそう。ええっ10年?どうみても、まだ10代だよね。いっても、20代前半だよ。10年前って一体???


「・・・・ううっ!」

 美人さんは、大豪寺さんの横を通って逃げていった…、ああかわいそうに…


「まったく、なんであいつは俺に執着しているんだか。まあ、それはさておいて」


 大豪寺さんがじっとわたしを見つめていった。

「なんでここに?優奈さん。もう解約届は出したはずだけど。」


 大豪寺さんがじっとわたしを見つめていった。

「なんでここに?優奈ちゃん。もう解約届は出したはずだけど。」

 そうだった!私ってば、なんでここにきたんだっけ!

「あの、えーっと、その・・・って、そんな解約届けのことなんかどうでも良くて、あのバス旅行の時のことなんですが、あれって何だったんですか。それに、大豪寺さん、なんで若返っちゃったりしているんですか。」


 大豪寺さんは、頭をかきながら、

「あー、やっぱりその件か。認識阻害の結界を展開していたんだけどなぁ、効きにくい人もいるんだよなぁ…、優奈ちゃんにはやっぱり効かなかったか…。」

「にんしきそがい?けっかい?」

「いや、それはこっちの話。で、優奈ちゃん、ホームではだれか他に騒いでいた人はいたかな?」


「いえ、だれも・・・そういえば、あんな事故があったのに、バス旅行を続けて、かえってきてからも、その話を誰もしていないかったの・・・、どういうことなの・・・・」


「なるほど、じゃあ一安心だ。優奈ちゃんが黙っていてくれさえすれば、問題ないんだけどな!」

大豪寺さんはすてきな笑顔を浮かべて私を見つめる。私は、思わず赤面して、目をそらしてしまう。


「だっ、黙っているも何も、私、何が起きたか分からないのに・・・・」

「ごめんごめん、これから説明するよ。信じてもらえないかもしれないけどね。とりあえず、腹も減ったから、近所のファミレスでも行かないかい?」

「わかりました。きっちり説明してもらいますからね。」


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