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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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人として生きる権利

 残酷な人間ほど表面的には優しいものだ。

 その残酷さ故に牙を隠す。

 その残忍さ故に表に出さない。


 にっこり笑いながら相手が死ぬまでいたぶり続ける。

 死んでも相手の死骸に唾を吐き続ける。

 表向きは涙を流しながら。


 反戦というがそれは嘘っぱちだ。戦わない事と戦えない事は違う。

 それを知ってか知らずか理想を垂れ流す輩は苛められた経験がない苛める側の連中だったのだろう。

 しかし。

『この世界は甘くない。この世界は優しくない。人は醜くて然るべきだ』

 とかぬかしてニヒリズムに陥る輩は愛情を知らないし知る必要もないだろう。


 鴉野が知っている範囲でいえば。

 もうこの際はっきりという。


 中学時代のどうしようもないいじめっ子連中は場所を変えれば全校集会の檀上で涙を流しながら在日差別だの被差別部落差別だのの理不尽さを語る奴らだった。こいつらは障碍者の同級生に対してもブレーンバスターやスープレックスを敢行し、げらげら笑いながらコンクリート壁にたたきつけていたことを鴉野はよく見ている。


 弱い者たちがさらに弱いものをたたく。


 じゃ強い連中はなぜ弱いものを助けない。助ける理由などないだろう。むしろなぜ助けなければならんのだ。だが、弱い奴らが結束されるとさすがに怖いので管理はする。


 いじめられっ子は明日に希望など持たない。明日どころか今日すら消えてなくなってくれと切に願っているし、実際明日も今日もない屈辱の過去だけが続いていく。未来を書き換えるために今日を生きる権利すら彼らには与えられず、強者の意のままにもてあそばれて食い物にされていく。

 この事実を踏まえてみれば『非戦国家』の理想など鼻くそ以下だ。戦わないという選択肢はわかる。戦えないようにしたいとか阿呆でしかない。まして、自分が暮らす国なのに。


 武器を突き付けあいながらも紳士的に仲良く生きるのは理解できる。鴉野も一般的な武道家がコミュ能力が高いのをよく知っている。相手の良さ、強さ、やさしさを認め合うからこそ人は労わりあえる。

 自らの胃袋が満たされているからこそ人は分け合える。

 知らない奴から、いや知っている奴からでも『俺は弱いから労われ。それがお前ら強者の義務だ』とか、『俺は腹が減った。ニートするから養え』といわれたら鴉野は全力ダッシュで蹴りを入れる。


 ところで集団的自衛権と人権は全然鴉野の中では結びつかない。なぜ人権屋が騒ぐのかさっぱり理解できない。そもそもあいつら、『ソビエトの核は綺麗な核』とかぬかす連中だし。気に入らないから騒いでいるだけにしか見えん。マジで。


 日本人は69年間平和を維持してきたとぬかす連中は、69年間も平和とは何なのかを考えるのを放棄してきただけだと自省してほしい。

 平和なんて誰かの血を吸ってブクブク太る吸血生物だ。

 理想だの夢だの希望だのという果実を見せつけてひきつけるがその味を味わえるわけではない。

 というか、ほとんどの人間はその香りすら嗅ぐことができないのではないだろうか。文字通り鴉野のくそったれな小説の中にしかなさそうなものだな。マジで。


 平和ではない生き方をする人間は明日に希望なんて持っていない。


 明日に希望を持つのは、その吸血生物の幹の上で空を見て喜んでいる連中でしかない。


 いつか自分のその餌になることから目をそらしながら。

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