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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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レビュー御礼。荷物もロクにモテない人

「面白い作品に出逢ったら推薦文を書くのはまぁ良いでしょう。

レビュー依頼受けたらガッチリ読み込んだうえで完結までのプロットを提出させたりするのもある種の自衛、推薦文を読んで読者になった方々への配慮と言えなくもないです。

 しかしそれを基に序盤から完結までを短編にして設定上は数万年分の年代記を五感と時間感覚フル活用で書いて見せて無駄を指摘したり、感想メッセを一言送信してその返信が来たら最後、大喜びで一万字は返信したりするコミュ障の上、唯一の取り柄が『他人を巻き込む不幸は起こさない』って問題ありますよね。鴉野さん」


 前者は嬉しすぎてちょくちょくやらかす。関係諸氏は真面目にごめんなさい。

 後者は俺が出社してくる時間と退社する時間だけ集中豪雨。或は外に出たら襲撃食らう。身に覚えのない暴漢たちにそれぞれ別口で一週間に三回襲われたことがあるなどだ。犬は歩けば棒に当たるが俺にとってはさほど珍しくも。


「迷惑過ぎるのは最初から関わらなければいいとしても、どんだけ不幸なんですか」


 もう慣れた。

「あ。アイス最中モナカ食うか」


「いただきます。アイスと熱い珈琲の組み合わせは良いですからねぇ」


 ぱりぱりと音をたててビニール袋を破り、男たちは最中を取り出してひんやりとした甘みに心をゆだねる。

 冷蔵庫での出し入れの影響でモナカはぺったりと歯にかみつくのを舌で舐めとって男たちは会話に興じる。


 ある種の現実逃避だ。


 鴉野よ。貴様は明後日試験日なのだぞ。

 再受験は来年の八月にならないと受けられないのだぞ。自重!


 S価学会編のアレは基本的に現実にあった話だしな。刀の練習していたシーンに選挙の勧誘が踏み込んできたのも実話だ。もげろ剣とか基本的にある程度変えていたり記憶違いはあるものの現実に遭った話だ。


「確かアカ学校の話もまだでしょ。このコラムの為に半年出会い系サイトに潜伏して誰にも出逢わないというネタをやったのがまだ未消化です。訪問販売の世界を描く『ほうはん』編もまだですよね。あと……」


 『ほうはん』は『そして宇宙そらに向かうフネ』に出てくる鄭と赤松のダブル主人公で描くプロットは出来ているぞ。一年間床下系企業に潜伏した経験を基にしたブラックコメディだが。


「アレ、笑うヒトもいるけど元同業者から非難受けまくるんじゃ」

「それ以前に今はソースもろくに調べないヘイトスピーチを莫迦みたいに宣伝する輩が横行していて妙な人に目をつけられたら、ただでさえ立場の悪くなっているそっちの人たちに迷惑がかかる」


「確か以前少し触れていましたよね」

 うん。床下に小便まき散らして『こんな湿気出ています!』といって契約とった先輩とかいたな。


「他にも暴走族出身の先輩の純情とか」

 あったあった。女には不自由しない人だったのに手も触れられないとか。


「日本中を家族で転々とした支店長代行の話してくれた彼の幼年時代とか」

 その話はちょっと直撃表現はなろうでは厳しい。別に犯罪じゃないけど。

「あれだ。その。『同朋だったのか』で察してくれ」

「ですね」

 苦労されたのであろう。


「やりたいことはいっぱいあるが、本当に大事な事は目をそらしてしまうもんだな」


「試験勉強サボってる鴉野さんらしいセリフです」


 結果は10月初頭らしい。今は詰めの学科しかできん。

 それなのに長風呂してモナカ食ってるのが鴉野だ。


「そういえば鴉野さん。前回の話で気になったのですが女の子をナンパにいって成功したことありましたっけ」

「その気はなかったけど四回ほどあったかも」


 確か三歳くらいのときに親に連れて行ってもらった潮干狩りだか海で水着のおねーちゃんにナンパ男の真似をやろうとして超絶恥ずかしがりながらやってみて成功(?)してしまったうえ恥ずかしさのあまり逃げたとか。


「どこのクレヨンしんちゃん?!」


 意外と恥ずかしくて難易度が高いと解った。マジでしどろもどろになる。


「というか、そのころから年上好き」


 あのねーちゃんたち、当時10代後半から20代じゃないかな。


「たちって?!」


 しんちゃん度胸あるよね。あの子大器だ。


「可愛いですよね。それくらいなら」


 かなぁ。確かに子供が恥ずかしがりながらナンパの真似事をするのを聞くのは萌えるかも。そうそう。最近のしんちゃん。パンツ履くらしいぞ。


「しんちゃんに羞恥心が?!」


 人間は成長するんだなぁ。この場合退化か。取敢えず放送という大人の事情である。


 あと、思い出してみたがお見合いパーティでメルアドを四件ほど貰ったっけ。


「捨ててましたよね」


 5000円で飯食い邦題に行ってただけという。


 あと暑さのあまり勢い余ってハゲにしたら弟に『そのハゲなんとかするまで帰宅するな』と無茶ブリされ、致し方なく頭に巻くバンダナを買いに行く際に声かけた女の子だろ。


「何故付き合わない」

「だって見合い結婚が成立して結婚式が控えている相手だったんだぜ。修羅場確定じゃないか」


 あとオフ会関係で逆持ち帰り寸前にいったことならあったっけ。


「逃げませんでしたっけ」

「初対面の女は抱かない。商売女じゃあるまいに」


 まぁ要するにまったくモテない男だよ。ブサイクだしチビガリだし。


 今日日は『何故彼女を作らないのですか』と言われたら『四五歳独身ホモだからです』と返答するようにしている。

「逆サバな上にガチホモの人に失礼ですよ」

 しかし、そのほうが納得されるんだから仕方ない。言動が酷すぎて二十代でも四十五歳でも通じるっていうのはどうかと思うが。


「あと、若い子はちっちゃい頃から親戚や近所の子供達と遊んでいたからか『可愛い』が先に立ってしまって恋愛対象にはならない。若い子には若い子の良さがあるから、性欲はまったく抱かないわけではないけど」


「ああ。解る気がします」


 まあだからといって股間の逸物をおったてたうえにダンベルを股間で持ち上げた姿をジムのインストラクターのねーちゃんに見せる還暦過ぎは応援はすれども尊敬はできない。

「この間若い子からデートっぽいのに誘われませんでしたっけ」

「なかったことになった」

 若い子の場合『なかったことになった』だと本当になかったことになる。こちらも聞かなかったことにしておかないと変な妄想を垂れ流す痛いオッサン扱いになるだけだ。知り合いの某女史に言わせれば鴉野が女にモテないのは天然でフラグおりまくるからだそうだけど。


 そう答えると彼の瞳がいぶかしげなものにかわった。


「例えば?」


 妙に真剣な顔で聞くなよ。


 バイトを雇って『少し茶髪にしたの、気づきましたか』って言われたから『気づいたら減給している。ので今のは聴かなかったことにしておく』って答えて二週間恨み言を聴く羽目になったとか。『好きな芸能人は誰ですか』と言われてレジェントライダー藤岡弘と答えたり快傑ズバット宮内洋と答えてしまったり。


「……」

「あ。嘉門達夫が歌う『ゆけ! ゆけ! 川口浩』は弟のお気に入りで今でも得意だぞ。あとツボイノリオの『名古屋はええよ! やっとかめ』もSや弟が好きだから歌える」


「鴉野さん。あのね。そういうのは女の芸能人を言うのですよ。そ・れ・も! 飛び切りの美女をっ?!」

「じゃ、ひし美ゆり子(※ウルトラセブンのヒロイン『アンヌ隊員』役)。小野ひずる(※ 歴代仮面ライダー史上もっとも美しいが最も不幸を呼ぶ女、『珠純子』役」


「いや、鴉野さんの好きな大昔の無茶アクションの光る昭和トクサツ関係者はダメです。ビデオをわざわざ借りてこないと解らないでしょう」

「歳とっても年相応に輝いていて綺麗な人たちだと思うがたしかにそうだね。じゃ、由美かおる」


「時代劇じゃないですかっ?!」


 あの身体能力と衰えぬ美貌は素晴らしいと思うが。

「えっと、イメージと言うか、なんというかですねぇ」

「若い頃の和田アキ子」


「……」


 あれ?

「アイドルだったんだぞ。いじめられっ子のどん底から『あの鐘を鳴らすのはあなた』をうたったんだ。作家ならグッとくる話だと思うが」


「も、もっと若い人。女の子でも知っている人で飛び切りの美人を」

 うるさい奴だな。

「黒木瞳」


「知らないと思います」


 元ヅカだし知ってると思うけど違うのか。

 懇願するように彼は続ける。


「さらにもう一声。もう一声お願いします。可能なら容姿とイメージ添えて」

「杉本彩。岡本夏生」


「兄貴たちは無しで」


ええ? 色っぽいしカッコいいしいいじゃん。岡本夏生は時々ドン引き発言するけどうれていないときはマンション買っておくとか手堅いし。


「汚部屋とか男は枯れているとか親近感ある。あと杉本彩のだんなはもげろ」


「えっと二十代、いや、十代でも良いですがそのくらいの人限定でお願いします」


 む、難しいな。

「武田梨奈とか。あの蹴りは素晴らしい」


「流石お父さんの息子さんです」

 武田さんとか最初見たのが『ドグーンV』だったから何時AV逝きかとヒヤヒヤしたもんだが。


「本人がこの記事見たら不快感を示しますよ」

「蹴られるのはかまわんがそれは嫌だな」


 最近の保険のCMでは『父が空手の大会で負けてかたき討ちの為に空手を覚えた』という健気な言葉と『頭を使うことを覚えました』と言って頭で破壊して少し痛がる姿がまた可愛いんだ。


「まさか、それは女の子との会話で実際に言った台詞ではないでしょうね」

「……言ったな」


「……」

「あ。他にも変なこと聞かれた。『男の人は胸が大きいほうが良いのですかね。鴉野さん。私は貧乳で』とか言われたっけ」


「で、なんと答えた」

「『乳なんてただの脂肪だ。機能上はなんの問題もない。正直どうでもいい』」


 ずははあああああああああああ。


 永い永いため息が終わり、『これを本日のネタにしましょう』と彼は告げた。


「ラブコメなら笑いで済みますが、現実の若い娘なら一発アウトですよね。もう今後無視確定。たとえ職場の知り合いでも業務連絡以外は一切無視です」


 そうなのか。


「あんだけラブコメ書くし書けるのに」

「ラブコメが巧い人ってたいてい恋愛下手なもんだよ。解らないから物語にして理解しようと努めるんだ。そもそも実経験があるってことは失敗してネタになることをやらかしまくったってこどじゃないか」


 正座! 


 彼に言われて正座する鴉野。


「失敗を活かす努力をしましょう。すなわち学科試験くらいなんとかしてください。ミスったところを覚えていくだけです」

「へい」


 というか、今回はオチなしかいな。


「オチがあったら試験に鴉野さんが落ちたってオチですよ?!」


 おあとが宜しいようで。

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