死んだらドラゴン○ールで生き返る よん。 お前が言うな
若い読者も知っていらっしゃる方はいるであろう。
ミハイル・チモフェエヴィチ・カラシニコフ氏が先日死亡した。
世界で最も人間の命を奪ったとされる名銃、AK47の設計者である。もし戦争が無ければ彼の人生はトラクターか何かを設計する農家の息子だった。
奇しくもロシア革命、ソビエト社会主義共和国連邦の崩壊に立ち会った事になる彼の人生は戦争が無ければの連続だ。
ドイツの圧倒的な機械化、戦闘能力によって彼は後送を受け、自動小銃を開発。ソース不明な記事では目の前の仲間たちを自動小銃で倒されたからとあるが、彼は戦車長だったらしいのでこれはちょっと良くわからない。
解ることは彼は祖国を守るために設計した銃が非常に有用な兵器だったということ。
そしてその銃が今も現役で使われている事だ。彼の開発した本物の銃を作る会社は既に潰れて無い。コピー品が乱造され、ライセンス料も払われない状態であることも付記しておく。
戦争はある種の政治手段に過ぎない。
政治によって我々は得も損もする。
人間とは仲間の死と自分の人生を盛大に消耗し、平和と言う血を啜る生き物だ。
いざ戦争になったらば、全力で自分の世界を守るためにその他すべてを捨てることを必要とする。
ミハイル氏もその時は必要があってやったことである。だから彼を責めることなど誰もできはしない。
実際、彼はカラシニコフという名前の酒や時計の会社を作って平和を願い、今現在自分の設計した銃(※の劣化コピーなのだが)がヒトをもっとも殺しているというのは悲しいというコメントを語ったことがある。
阿呆な日本の編集者がサインを貰いにいき、その際に女の子が銃を持っているイラストを見て編集者を叱ったというエピソードもある。
『女の子に銃を持たせてはいかん!』
ホビージャパンガチ自重。
現在鴉野が読んでいる某誌はこう語っている。
前述の「『史上最も多く人を殺した武器』とも呼ばれる。あなたの銃が世界で惨事を引き起こしている」かの新聞がそう本人に言ったそうだ。
そりゃ、時代背景も実情もいろいろある。ギロチンを考えた医者だって苦痛を少しでも無い物にしたいと願っていただろう。それらに自分の名前がつくなんて思っていないだろう。思いたくもない。
最後は『人々が戦いをやめて平和な仕事に就くことを「剣を鋤に打ち直す」という。穀物満載で走るカラシニコフのトラクター。銃よりも、そちらの方がよほど良かった』と結ぶ。
さて。
戦争は一つの政治手段である。
古くは国とは土地であり、そこに住む者だった。
時代が進んでいけば国土の無い国家も生まれるであろう。例を挙げればネットゲーム、ファイナルファンタジーⅪはコンクエスト政策といって冒険者の活躍如何で所属国家の領土が確定する。それも毎週のイベントでしかない。流石にゲームと現実を同列に語るのは暴論だが、情報戦と言うのは最も有効な武器であり防具であることは語るまでもない。
尾崎博美とかゾルゲとかいたな。
日中戦争の切っ掛けと言うか日本が中国と大喧嘩する羽目になったのはそれまでも色々あったが決定打は当時日本人だった朝鮮族やその他が虐殺される報道だったことも付記しておく。
まぁ色々あったし、軍その他大暴走したがアレで当時の日本人はキレた。お蔭で軍の暴走を追認することになってしまった。
戦後は『戦争中は軍部の命令で嘘記事を書かされた』とか、中国共産党の言うままのシンパ記事や北朝鮮は地上の楽園と書いた記者もいたな。
国の命令を受け、自分の国を守るために銃を開発した男。
かたや『国の所為だった』と自らが戦争を煽った責を放棄し、人が死んでなお無神経にもし戦争が無かったらを語る新聞社。
新聞社の煽りを真に受けたとはいえ、軍の暴走を支持した国民。
鴉野はミハイル氏の冥福を祈る。
死者に『もし』を語って鞭打つのは外道のすることだと思う。
情報社会に成るということは国家の枠を超えて色々なことが起こるということだけではない。
『自分が死んでも記録が残っている』
そのような恐ろしい事になる。
そりゃエロゲのデータやエロサイトの履歴くらいなら笑って済むが、黒歴史が延々と残るのは少々笑えない。かつての作家は原本が絶版すれば忘れられる定めだったが、今では次々と電子化が進み、誰も顧みなくとも誰もが閲覧可能になっている。必要とされないのは死んでいることと同じと言った気もするが残ってしまうのは事実だ。
鴉野も結構『お前が言うな』なのである。
その上で言う。
『お前が言うな』
読者様も自らがWebに残した記録を顧みて欲しい。
貴方が誰かに影響を及ぼしたり、情報として伝えた言葉は回りまわって誰かに利用されているかもしれない。新聞社は利益の為に読者が面白いと思うニュースを書く。戦争中だろうが平和だろうが関係なく商業的理由で右にも左にもなる。しかし貴方はタダで誰の味方をしているのか。その上で鴉野に言うべきである。
『お前が言うな』
アナタや私の発言は延々と残り、誰かの閲覧を待っている。