ひゃはははは汚腐怪(おふかい)は地獄だぜ~!!!? 俺たちの周りだけハイパーブラックホール
「小説書いているよりコンビニでバイトしてたほうがネタになるし小説書いているより儲かるのではないか」
他でもない鴉野の発言である。
その場の雰囲気がブラックホールになったのは言うまでもない。
鴉野含めて作家志望もしくはセミプロの行きつけである小規模の店で彼らは愚痴っていた。
曰く、生活の不安。曰く人生の不安。曰く。
「ぶっちゃけサラリーマンで書いている>>専業で書いているだよね。収入的にも社会信用的にも」
そ れ 言 っ ち ゃ お 終 い だ ろ 。
鴉野は曲がりなりにもサラリーマンだが。
「正直、小説書いている暇があったらコンビニバイト探したい。
百歩譲って趣味でやるにしてもコネが増える系、料理教室とかジム通いとかダンス教室とかやろうかなと」
ちなみに鴉野はワープアであり、本来退職した定年のオジサマ揃いなので昇給の見込みはないという会社である。
店長になっても昇給しなかった。むしろ下がった。
それなのに上司は『店長になって給料上がったんだから』とか言っている。
上司は鴉野の給料が据え置き㌨を知らない模様だ。むしろ残業代が無かった月がある。抗議して改善したが。
メンバーは思い思いに今月の給料はどうだったとか、校正校正の嵐で作品の見る影もないとか、どんどん鴉野達の周囲が暗黒空間になっていく。
ストーブ!! ストーブつけて!! 此の部屋寒いよ?! めっちゃ寒いよ?!!
鴉野の周囲で紫煙が舞い、その香りは鴉野の精神を闇に引き込もうとする。というか素面じゃやっていけない。
酒くれ酒!!
ハイボールを五杯開けてテンションを維持する鴉野。
鴉野は知った。闇には更なる闇が潜んでいる。
「鴉野さんは本当に愛することを知らないから何でもネタにしてしまうんですよ。あと、女の子に安全パイって思われる行動は慎む! いつも安全に返してくれるし!」
まぁそうだけど、大事なヒトって扱いだし。それに。
「(ぼそ)『愛情を感じる』は無くても『可愛い』って思う感情は持っているんだけどなぁ」
そういうことをいいだせないまま、鴉野と友人たちは深夜まで飲み明かす。
こういう闇の中に片足どころか全身突っ込んでいる連中の場合、逆に楽しいようだ。
ただし、闇の中にこれ以上深入りしたいとは思わないが。
既にどっぷりだよ!
ドンブラコだよっ?!
近づいちゃダメだよ!!
その日、鴉野は毒消しの白湯を大量消費していた。
白湯飲むくらいなら酒呑むな。マジで。