『稼げる男に俺はなる』【2021/05/18】
『神様、等価交換としてはやりすぎではないでしょうか!』
鴉野が逆恨みの罰当たり発言をしたのは理由がある。
その時は知りようもないが18.5キログラムもの本を抱えていたのだから。
踏切に閉じ込められても本を下ろせないので脱出できない。親切なお姉さんが助けてくれたがとんでもない。これで雨が降っていたら死んでいたかもしれない。
残念なことに鴉野は健康優良児なので図書館から自宅まで風呂敷もなしに18.5キログラムの本を抱えて歩いて帰っても死ぬことはない。
『死ぬ! 死ぬ!』
しかし鴉野は死なない。死ねないのである!
というか、『無笑』の読者ならば鴉野が重い荷物を抱えた程度で死なないのは御存じであろう。
以前、『風の谷のナウシカ』の合本版を図書館から借りて持ち帰った時は他の本を含めて7キログラム以上あった。
今回はその記録をブチ抜く数である。
18.5キロということは鴉野の体重の1/3あるのだ。尋常な重さではない。
では、鴉野は何故に、いつ雨が降るかわからない梅雨の真夏日に大量の本を抱えて帰る羽目になったかの解説をせざるを得ない。
オーディブルで無料だった『神さまとのおしゃべり』という本がある。その本に。
『お布施やお賽銭できるお金はいつでも稼げるお金』
と書いてあった。
『うん。確かに自分のお賽銭って1円とか5円とかで、あっても50円だね前澤社長みたいに他人を月に連れていくレベルじゃない』
与えよ。さらば与えられん。
ビルゲイツならとにかく寄付しまくるが鴉野のような人間には無理な相談だ。わたしを月につれてってという小説があったような気がするが、前澤社長じゃあるまいに鴉野には不可能。
しかし、ヤレばデキるのである。
そんなわけで帰り道にある公園のトイレ……ではなく、昼休憩にコロナ自粛中の町をてくてく。
仕事の現場近くの観光名所である難波八阪神社にいき『今持っている現金はこれしかありませんので、この百倍お賽銭できる人にしてください』と大請願した。
ここまでは良い。
いいのか悪いのか、普段無一文なのにたまたま母の買い物立て替え金の返金含めて4292円入っていた。
いやいやいや!?
入っていても1500円くらいだろう!?
ええい! かみさま! 4292000円お布施できる人にしてください!
10倍増えているぞ!?
大丈夫だ大差ない。
ちなみに筆者は基本現金を持ち歩かない。
キャッシュレス派だ。
歓楽街でポン引きに捕まっても『悪いなにーちゃん。俺最近流行りのキャッシュレスなんだよ』(※無一文)と言い張る程度には。
仕方ない。神様に嘘をつくのは良くない。
コレも一つのストーリーに違いない。そうに決まっている。(※遠い目)
すっからかんの財布を手に現場に戻ると後輩がうまくやっていて午後に帰っていいことになった。
できる後輩で助かる。
コレも神様のおかげであろう。早速ご加護があったのだろう。
しかしそれにとどまらなかったのである。
帰りに図書館寄ったら『中華料理百科事典』フルセット(菜譜集錦除く)が寄贈本として『持って帰って良い本』として配られていたのある。
周富徳さんたちの監修で作られたカラー大辞典であり、まともに買うとまとめて18万くらいするのだろうか。当然絶版本だ。
『コレ、持って帰るだけでネタになるな』
一瞬よぎった考えにセルフツッコミする鴉野。
『え。持って帰るのか?!』
自分の体重の1/3もある本を抱えて帰る。
めっちゃ目立つ。みんなが遠巻きに目を逸らすレベル。
『神様!ちょっと等価交換どころじゃない! ありがとう!』
とんでもない大荷物だが、無事に持って帰ることが出来たので良しとする。
中華料理百科事典はあの辻料理専門学校の蔵書でも7巻までしかない貴重品である。
除籍本ではないようだし、図書館に寄贈するくらいだから皆に役立ててほしいと寄贈されたわけで、25000円程度で取引をしているメルカリ転売ヤーに狩られるためじゃないだろうから、どっか本気で役立ててくれる人いないかしら。
知人に相談すると『まず、私が読みたい(※マジ目)』と返事された。うん。まあ普通に読むよね。
一瞬、○港に行って警察や市民問わず『食は地球を平和にする』とフリーソーメンを行おうと不埒なことを考えたが、それならばこの事典は関係ないのである。
そもそも当局につかまってどうするのか。
鴉野のグダはさておき、『中華料理百科事典』は鴉野が入手した図書館の蔵書にない本である。寄贈者の意思を無碍にする行為は図書館を名乗る以上、厳に控えてほしいと一市民として激しく抗議したい。
どなたか、本気で世の為に役立ててくれる方。お声ください。
鴉野はわらしべ長者的にお待ちしております。
代わりに頂いたものは『無笑』のネタにさせていだたきます。
ちなみに鴉野は起業とか独立は考えていない。本田静六という実例もいるし、財布は緩めるよりしめるほうが大事なのである。使うべき時や借金するべき時はすべきだが。
財形貯蓄制度なんて、いまのお勤め先にあったかしら。
あったら貯蓄と家を買う等の大きな買い物時に大きな力(担保)になるのだが。




