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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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黒車の豚【2021/03/07】

『某県でコロナにかかったら子供は転校。大人は仕事馘になる。県外と出入りなんてとんでもない!』


 知人はかように申しており。


 こんにちは。『鴉野 兄貴』です。

 現在、某社にて勤務しており、仕事上ナチュラルに県境越えまくっています。


 困った。コロナ騒ぎが終わるまでは俺は姪や甥と遊べないのか。


『あ、上司さん。そういうわけで甥や姪と遊べなくなるから当面仕事なしで』


 当面給料なしになるので実際には言えぬ。


 まぁ某県は都会に見えて田舎なのかもしれない。


 閉鎖的というか、とりあえず大通り以外は一車線しかない。バックで三〇〇メートルL字もしくはS字カーブしてやっと駐車できる家もあるようだし。それは物理的に閉鎖的なだけだ。


 さて、本題に移る。


 田舎の空気に知人が汚染されており、ハンセン病の如き差別を看過させているらしきことは理解した。



 では、かの知人が『(新型)コロナをまき散らす害悪』と筆者を遠回しに断じたとゆっこさんがブチキレる案件となった某県の話をしよう。


 別に何某県に限ったことではないが関西における田舎の空気間を知っていただければ幸いである。


 放送大学の『交通心理学』によると停止線を守るドライバーは皆無らしい。

 具体的に述べると実に九割以上が停止線を守らない。


 六〇歳を超えたドライバーは自らの運転技術を今まで無事故という成功体験を持って『停止線を守っていたら却って危険だ』と判断していたりする。

 九割九分九厘のドライバーが停止線を守らないならば停止線で止まると煽り運転宜しく激突される。


 バカが一人いると全員が迷惑を受けるがみんながバカなら賢い奴がバカになる。みんなで渡ろう赤信号。ザッケンナコラー!



 何某県にある某巨大店舗。

 なんかクソデカい車が堂々と二車線しかない道の片側をふさいでいる。巨大店舗関連業者の車ではない。


 彼らは『外商』のお客様である。

 地主さまは特権階級。



 どこぞの首相の子供が、接待で複数の将来有望な官僚の馘を持っていったことは最近の話だ。

 日本には差別はないということらしいが区別はあるということだろう。


 かの店舗の外商部は、地元のお金持ち地主などと店舗を通さず直接取引を行う重要な部署である。


 そのお客様は二車線しかない業者以外は駐車お断り区域に平気で巨大車両を停める。ホワイ?!


 まぁ巨大店舗の土地だしその土地もまた地主様や彼らが影響を及ぼす地元の土地なわけだからそういうことなのだろう。


 にしたってその僅か数十メートルのロータリーで卑しい下民ども(※あくまで批判対象をあげつらうための表現)がぐるぐるぐるロータリーをめぐり誰か一人を車に残して駐禁を切られないよう涙ぐましい努力をしている事を考えると首をひねらざるを得ない。


 デパートの土地だからって知らねえよ!

 信号や停止線や標識置くならあいつらも引っ張れ!

 と、何某県民ならざる鴉野は考えてしまう。


 ちなみに鴉野の住む大阪はひったくり件数と共に迷惑駐車は国技といってよい名物である。

 嫌な名物だな。



 紅の豚はカッコいいが黒車の豚はブタが名誉棄損の裁判を起こす事案であろうが、かの地では多分地主様が勝つ。豚もおだてりゃ木に登る。えらきゃ黒でも城になる。白どころじゃない。


 余談だが下賤なる民どもはロータリーをぐるぐるぐるぐる回る中で脚でももつれるのか、鴉野はぶっ倒れたり吐いたりあるいは事故った奴を冗談ではなく多数見ている。一か月に三回以上、その場を通る度だ。


 某県のまったく同じ場所で日を置かず連続な鴉野のヒキにも問題があるが、駐車場があるにも関わらず彼らがロータリーをぐるぐるぐるぐるしているのも疑問を抱かざるを得ない。


『ミドリムシに駐禁取られた!』


 みどりむし?

 鴉野は意味を知らなかったが駐禁取り締まりの為に自治体に雇われている警備会社の方々のことらしい。


 鴉野からみて彼らは関係のない会社であるが言い得て妙な話だ。


 駐車場を使えばいいのだが年寄りは一ミリ迂回するのも脚が辛いので嫌がる。多分警備員が駐車禁止ですよと告げても逆ギレかまして置いていく。

 自業自得といわず慈愛の心で見てほしい。



 ひとは必ず老いる。頭も鈍くなる。

 駐禁切られたっていいじゃないか。にんげんだもの。


 まわりにはたまったもんじゃない。


 とりあえず鴉野、一か月の間で人命救助三人目。もう飽きた。


『救急車乗りたくない! 呼ばないで!』


 立てるか。立つんだジョー!

 立てるはずがないから先に呼んだ。呼ばなければ『あいつが呼ばなかったから死んだ』と言いがかりをつけられる。


 むしろ地元民皆様の全力説得が功を成す。


「そりゃ家が近いのもわかるし、病院に寄っていくのが面倒なのはわかる。

 だけどねえ。ちゃんと医者に診てもらって帰った方が安全だよ。卒中とか後で大ごとになるんだからね」


 鴉野も三回くらい脳卒中に遭遇したら慣れた。

 なぜ彼らは立てもしないのに『大丈夫!』というのか。全然大丈夫じゃないだろ。

 なぜ自動車事故に遭っても自分は平気だ立てると考えるのか。脚が折れていても人間は結構その場では平然と歩き回る。ゾンビかよ。



 そんな環境で堂々と路上駐車できるのが地元のえらい方々である。外商のお客様は選民である。


 どことは言わないが草笑市。


 ここは警備員が配置されて駐車場から出庫する全自動車に対し、専属警備員が一時停止を指示しても誰も守らぬ北斗の拳かマッドマックスかな交通事情を示す。


 赤信号でも普通に警備員を撥ねに来る。

 なにしとるねん。上品なおばあちゃん。


 表側も信号機が赤になり歩行者が歩いている状態で警備員が止めていてもかの店に入るべく県民はアクセルを踏む。意味が解らない。


 まぁ上品なおばあちゃんでも外商を利用するほど金持ちでないので駐車場を使わざるを得ないのだろうが、駐車場を使うのを躊躇う民は相変わらずハムスターよろしくロータリーをぐるぐるぐるぐるである。


 ぶっちゃけハムスターなら可愛いが爺さん婆さんでは可愛げがゼロだ。駐禁区域を注意すると暴言吐く。


 ゴジラ火を吐く。

 歳寄り唾を吐く。


 コロナをうつすなという本人達がやってはいけない。



 カメラをとめるなというがコロナは止めざるを得ない。だが鴉野は大阪府を何度も出なければ仕事にならないので当面甥や姪と遊べないだろう。


 で、どんと大型車が『外商のお客様なので』堂々と駐禁も切られずにずっと放置されているのである。


 旅先の恥はかき捨てらしいが、彼らは現在進行形で恥をばらまいている。


 あくまで『外の人間』が抱いた個人的感想だ。


 話題の音声SNS『clubhouse』では必死でフォロワーを増やす勢力が相も変わらず絶えない。

 規約上録音禁止口外禁止らしいのだが守られていない。そして誘われて初めて登壇できるので基本普通の人々はありがたい方々のご高説を聴く側に回る。


 ぶっちゃけ鴉野は檻の中のゴリラがウホアホボケケーと叫んでいるから面白いのであって、あえてゴリラになる必要は無いと考えるのだが、フォロワーがいないと死ぬ人種はこういう招待制身内SNSでも自分の価値観を捨てられないらしい。


 最近はクラブというグループを作れるようになりその基準が定期的に会話部屋を作ってある程度人気がある人になっているのもあってその話題ばかりでぶっちゃけ飽きる。



 他人の目を自信の根拠にする奴は早々と摩耗していく。仏教的に考えてすべては妄想であり煩悩である。そんなものに思考をゆだねれば心が擦り切れる。


 だからといって唯我独尊といえるほど鴉野は神経図太くはない。


 やっぱり恥はタダでも要らない。

 例えば本稿をかきあげる為にウンコをブリブリしてしまうと後で処理しなくてはならぬ。ぶっちゃけめんどうくさいし。


 しかし彼らは外商のお客様であらせられる。

 さすが上級民だ。我々下賎のものがタダでも欲しくない恥を自ら大生産するのだから。


 二車線を一車線にして恥とも思わぬ。

 数十メートル先で駐禁を取られる下賎の者には思慮もなし。


 駐車場があっても面倒だからと使わない。

 ブタのように肥え太っているがブタはアレで筋肉質なので豚は有能な弁護士を雇い名誉棄損で訴えるべきである。


 外商のお客様は店舗を通さない特別な取引を何十万何百万。時として千万円や億円単位で行うという。

 桁が違うので扱いも違う。それはわかった。



 さて、黒真珠が最高の宝石のように扱われるようになったのは昨今の話でブランド戦略が功を成してからだ。それまでは地味な黒い貝が体の中で蓄えた変な結石である。余談だが尿路結石などはシャレにならない苦痛なのでさぞ貝自身も『要らない』と思っているだろう。


 これを何十万も出して人々は購入する。


 外商部に出入りする皆様。

 鴉野が本稿を書き上げるまでうんこぶりぶりするから鴉野のうんこもまた一億円ほどで買っていただきたい。


 卑賎なる民である鴉野は、恥をタダでも要らないと思うが、あなたたちは大金を用いて外商を通じ結果的に恥を多額のお金で買っているのだから買えて当たり前と判断できる。


 いや、ここにある石ころでも構わない。


 人間心理に対して、『予想通りに不合理』とダン・アリエリーは説く。


 恥の値段は時価なのである。

 そしておのれの恥はかかないよう行動できるが、他人にこれは恥ずかしいことだと説いても無視されるし無視されるべきであろう。これも人の世だ。



 こうして、かの巨大店では予想通り不合理な光景が今日も継続されているのだ。

 『無笑』はまるっとするっと大嘘でフィクションなので抗議は『某県はそういうことが起きているのか』と筆者や他の読者が認識するだけとご理解ください。作中に登場する企業、店舗、施設、交通事情、県などは全て架空の存在にすぎません。

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