書籍『CRISPR』を読みながら『新ゲッターロボ』を視聴していた話【2020/11/08】
会社が二連休をくれたので休みである。
朝起きたらバイデンさんがアメリカ大統領選挙に勝利確実らしい。
「良い時期で政権交代したな日本」
「株価も馬鹿みたいに上がっているので期待されているのかしら。鴉野さんどう思います」
短期売買にはもう懲りたのでよっぽど下がらない限りほったらかしだけどいいことなのかな。一夜で8パーセント減ったり三パーセント増えたりとかわけわかんないし、日銀大株主になっちゃっているけど。
今日は朝まで珍しく短編集の更新をしていた。
12時間勤務の眠気覚ましにクリップボードに書き付けたプロットを適当に出してきて書いたものだが3000字のつもりで改行空行含めて9000字あった。久しぶりなので文字数すら制御できないらしい。トイレにおりてきたら朝4時半になっていた。図らずして徹夜したらしく、母ゆっこさんがGOTOキャンペーンを使って北海道に旅立つらしい。函館札幌二泊三日。
「おい。今ステージ3ですよ! やめてくれませんかねえ?!」
正直おれも今北海道はやめてほしいがいかんせんキャンセルすると返金されないらしい。送り迎えもせず寝なおした。母の金と母の身体だ。いろいろあって命拾いしたのだし好きにさせるしかない。
「何度も繰り返すが『やまにいく無駄な金があるならぼくにください』と言ってきた馬鹿もいる」
「娘や息子が『親が稼いだ金は親のもの』と言っているのになぜその方はしゃしゃり出て来るのか僕にも理解できないですね……あ、遺産は欲しいです。楽したいですから」
本日更新は『声が聴こえる』。たまに人が死ぬ話も書く。
ちなみに短編集第一話にした『櫻』にも自分では『好きではない』と事あるごとに人に伝えている。
安易に人が死ぬ話を書くのは好きではない。
作者としては思い出には残るがそんな程度の理由で肉親が死ぬ登場人物たちにはたまったものじゃないだろう。
「程度の深刻さは比べ物にならないが、『鴉野 兄貴』にレビューや感想書かれるようなものだ」
「晒しですもんね」
さて、先日ノーベル賞を受賞したジェニファー・ダウトナさんの『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』という本がある。
「これを図書館から借りることができたので読んでいた」
「バイデンさんって著者と関係あるのね。知らなかった。著者は最愛の父をメラノーマで亡くしていますが、バイデンさんも息子さんをがんで亡くしたらしいです」
「しかし、一目見て『あ、これ自分の実生活に役に立たない』と思ったのでたまたまYouTubeで無料公開中の『新ゲッターロボ』を視聴しながら読んでいた」
「おいこら待てボケ」
「ぶっちゃけゲッターロボが語れてもおれ自身にはなんの利点もないもの」
「まぁ10年ちかく前のアニメですし……」
主題歌とだいたいのストーリーと多少のシーンを覚えて必要そうな話を把握していればいい。『ああ見た事あるよ』といえばもっと詳しい人が熱く語ってくれるから話を合わせれば問題ない。本書も同じ感覚で読んでいる。
「どっちつかずになりますよ」
「暇つぶしとしてはただスマホ弄っているよりはいい」
鴉野は『無茶苦茶読むの早い』と他人に評されることがあるが、若いころじゃあるまいに一晩で『まおゆう』のスレッドまとめを全文読めるほど体力も気力もありはしないのだ。これほど不真面目な視聴者もあまりいない。
そんな中、速読法が流行っている。
個人的にはコロナの巣ごもり期間なのだからもっとゆっくりじっくり読めばいいのにと感じてしまうが。
「なんでも1分で一冊読めるらしいですよ鴉野さん!」
「文庫本を秒速3ページとしてチブル星人かしら」
「チブルせいじん? なんすかそれ」
「あ、今のなろう規約は円谷プロの『固有名詞すらダメ』から改善されていたっけ。助かった」
IQテストの解答用紙が発火する速読は物理的に無理だが電子書籍なら出来るのかしら。だとしたら研究者の査読もはかどりそうだがそんなことは多分ない。
「とりあえず鴉野さん。速読方法を教えてください」
「出来たら放送大学のテキスト全文暗記しとるわ!」
必要な時に『ここら辺にあった』と思い出す程度にでしか内容覚えていねえよ! 我流で良ければ経験則で述べるが学術論文みたいに査読されていないぞ?!
1.あらすじと目次だけ読んだら本の逆から流し読む。好きそうな話題はつまみ読み。本を読みたければ最初から読む。文章を読みたければ最後から読む。逆から読んでから普通に読む。
「なんすかこれ。内容わかんないでしょ」
「拾い読み。暇つぶしに読むほうが頭に入るらしい。古典とか読むときにも有効だし辞書とか俳句歳時記読むときにも良いよ。コツは本を読む休憩に本を読む」
ついでに述べるとマジで本の内容は少なくとも鴉野にはわかっていないが、後で読み返す速度は上がるようだ。なろうの休憩に本を三ページでもいい。
2.要約ノートをつけるといい。といっても一冊につき3行も書けば充分すぎる。『面白かった』『面白かった理由』『本文に出た好きな言葉』これだけ書けばまぁ困りはしない。話題に出た時はもっと詳しい人が語ってくれる。知らない人はそもそもその本に最初から興味などないしあるいは本そのものを知らない。
「わからなくなったら買いなおせるし、図書館で借りなおせばいい。昨今ではコロナの所為で図書館サービスを電子書籍化する法案が出た。本読みにはますますいい時代だよね」
「いいかいそれで……」
3.要約ノートに関しては『汚くても丁寧かつ人に読める字で、口汚い言葉を使わず可能な限り早く書く』。
繰り返すが数行で問題ない。
「めんどくせえ!」
「Twitterで呟くより文章量は少ないぞ。その日記が他人に読まれても恥ずかしくなければ良いので最悪『面白かった』『自分には残念なことに合わなかったがこの辺は良くかけている』程度で充分だよ」
否定的な文章を残すことには賛成しかねるが。なんせたとえ他人を攻撃する文章でも、自分の文章は自分の精神を延々と攻撃する。
4.体験談だから確証はないが日常的に正確な日本語を書き写すと速読度が上がるらしい。古典とか数学の本もいいようだ。最近は小説家になろうで頻出する『側妃』等を調べる機会にもなった。
「え、側妃とか造語なのですか」
「ややこしいことにないっちゃないのだが、中国の記録には少しあるというか、辺境伯みたいに地方の絶対有力者を指すために翻訳に便利な漢語を先人が無理やり当てはめた前例などが色々あるのだ」
……ひかわ玲子さんを仮想人格は知らないはずだ。
5.たくさん読んだら早くなるが、たくさん読めるようにならないと早くならない。
「仮想人格ってあがり症だったっけ」
「ぼくですか? うーん。前に出てきた父母見ればわかるでしょ。本番には強いですよ」
松本幸夫版『人は「話し方」が9割」でも著者が述べているが、鴉野みたいな頭の悪いタイプは頭のいいタイプ(※著者曰く、あがり症は賢い人が未来予測をする上で現れる症状らしい)はぶっつけ本番で成功体験を積むのでまったくもって学習能力がない。あらかじめ基本のリハーサルを行うのが最も大事らしい。
「ぼくだ!」
「おまえはおれだしな……猛省の限りだ。まぁ基本は大事」
「辞書を読んだり、敬語五表現調べたり、他人の作品に感想やレビュー書いたり、正確な日本語使えても小説が面白いと限りませんけどね!」
「まじそれな!」
毎日更新するうえで敬語五表現があったら主人公の首が物理的に飛ぶので『ファンタジー世界で貸し自転車屋』の『はなみずき』という姫君を出すとき『戦乱の時代に敬語五表現等まだない』とした。
「ええんかいそれ!」
「更新するほうが先だ!」
なろうの令嬢ものや主人公が貴族の時『敬語は不要だ』というのに違和感を覚える人がいるようだが作者としては切実な事情なんだよ!(※逆ギレ)
「他の作者さんは真面目に調べているかもしれません」
「異世界言語だから敬語表現が未発達って解釈で良いだろ。エンジェルもアンジェラもアンジェリカもみんなもとは同じ名前だ。たぶん翻訳魔法が異世界語を語感で各国語に漢語みたいに決めているんだろ」
「翻訳魔法さんには意思がありそうですね」
「ゲッター線かよ。『異能力は神そのもの』だけど」
閑話休題。
作中では『はなみずき』嬢は主人公の異世界物品や思想を国の役に立つと思えば情け容赦なく泥棒する子だし。勇者だか異世界人だかは国民ほど価値がない。そりゃ使いつぶすだろ。
「主人公がチート能力を持っているってことは『権力者が安易に民衆の持つ銃器で殺されることがあり得て、銀行で貧乏人が預けてくれたお金で有力者が事業をする』民主主義や資本主義と一致しませんからね」
「貴族主義の崩壊は銀行の民主化からだよ」
作中の『はなみずき』さん、言葉遣いはアレなお転婆だが、それでも率先して国民の為に働いている。
「まぁインキン貰った主人公の生パンツをうっかり穿いちゃう皇女さまですから」
「なんでも試しちゃうからなぁ。彼女。
ぶっちゃけ、『クズ』とか『ブタ』とか呼ばれるどっかの某盾の勇者に出て来るらしい王女にも王族としてみたら盗人にも三分の理がありそうだなと考えている」
例えば戦乱の世界に住む『はなみずき』は国民を守れそうなものなら何でも手を出す。最後には邪神を復活させたけど。
「ゲッターロボかよ!」
「あれも手を出さなければ殺されるし、手を出したら取り込まれて人類が破滅するのだよなぁ」
さて、取り留めなく話題を作っていたが、『話し方が9割』ではまず結論を話せとある。
「この話の結論は」
「とりあえず、知識があっても幸せになれなくば意味なくね」
幸せにできなくてもそうだけどさ。
他人をバカにするために知識を集めても殴られるだけだしねぇ。
「書籍、『クリスパー』のジェニファーさんも仰っていますね。知識の扉は新たな扉を開けるが、扉を開くのにちょっと考える余裕も必要だし、その余裕は弱い人に目を向けることで起こりえるとぼくは解釈しましたが」
「所詮、俺らは利己的よ。自分の為に行動して人の為になっているだけさ」
鴉野はレビューをよく書くが、ぶっちゃけアレ二次創作みたいなもので、作品がなくば成立しないし、褒められるべきは作者さんだからね。
「分校時代に言われたよ。評論家はゴミクズの寄生虫」
要約して『読んだ気になった』ってしてくれるからありがたがられるけど、本一冊読んだくらいで他人がわかってたまるか!
「あくまでこのお方のお話です。最近は『小説家になろう』でも高ポイント作品を書いていらっしゃるレビュアーさんは結構いらっしゃいますので」
「ご自身をめっちゃ天才と思っている方は鴉野も楽をしたいので放送大学のテキストをチブル星人の如き知性でもって鴉野に全文を教えてください。一分でお願いします」
最後に。脳みそって一度に複数考えられないらしいよ。例えば……。
「自由の女神の来歴を思い出しつつ明日の予定」
「……萌えキャラになった自由の女神が『あたしすごいアピール』しつつ俺の明日の予定を教えてくれるの、簡単に考えられるぞ。なんせ警備員は次の日の予定が前の日寝る前にとか普通にある。めっちゃ文章量ないもん」
いいんかそれ。
脳みそ的に、体験する脳みそと記憶する脳みそは異なるので体験を勝手に解釈して記憶するらしい。
なので、人間は実際のところ9割ほど反射的に何も考えず行動しているが、その9割に無理やりストーリーを作ってしまうらしい。
「ゲッターロボとクリスパーを合体させているどっかのお馬鹿さんみたいに」
「高校生でも遺伝子編集出来たらダウトナさんやバイデンさんでなくても難病に苦しむ人やそのご家族はクリスパー技術に好意的になるからなぁ……今後人類はどうなるのだろう」(※キリッ!)
例えばこれまで何十万字も読んできた作品に一つ鬱展開が入ると評価を1にしてお気に入り外す人は脳科学的には正しい行動らしい。
人間の脳みそにおける体験は平均化かつ最後の体験が重要なので歯医者は最後に子供に飴を渡して歯科衛生士の美人なお姉さんに遊んでもらえるようにする。
「ぼくらって歯医者に通う小学生以下ですか」
「小学生は苦痛に耐えて歯医者で歯を治すし、そうならないように歯を磨くぞ」
少なくともこんな駄文でどっかの誰かに喧嘩うったりはしないだろう。多分。
願わくばクリスパーを手に入れた人類も、ゲッターと同化した挙句に文化を失い弱者は部品となりはて、強くなる過程で神をも滅ぼし、異世界から鬼を駆逐し、延々と戦い続けるどっかの世界みたいにならないように祈りたい。ゲッターロボも使い方次第で世界を救ったりしているわけだしね。
体験を物語として平均化を脳みそが果たす過程で、なんも考えずに成したことがその人の歴史になるなら、みんなで『面白かった』って感想がいっぱいの『日記』のほうが読み直して面白いよね。たぶん。
「よし! 今日は『大相撲令嬢』にレビュー書くぞ!」
弱さは強さのために。不幸は幸せの始まりであってほしい。




