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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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同僚美少女『鴉野さんLINE交換しませんか(はぁと)』鴉野『え、無理』(ドン引き)

 ちょっと朝ゆっくりしすぎた。

 鴉野は新聞も読まずに電車に乗ろうと家を出るところだったが。


「あれ。財布がない」

「ちょっとおちついて探そ」


 ゆっこさん(母)に急かされ机の上やら探しかばんをひっくり返しても財布は見当たらない。


「はい。せんえん」

「ありがとうございますお母さま。ひょえええ!」


 ダッシュする鴉野。

 本日の大阪の空は大荒れ模様だがまだ降っていない。


「申し訳ございません。おはようございますカラスノです」

「おはようございますからすの君」


 鴉野は電車を待ちつつ職場に報告した。


「すいません財布なくして多分五分前には着きます」

「ぎりぎりだね。気を付けてね」


「申し訳ありません。急ぎます!」


 こういう時に限って『鴉野 兄貴』は発動する。



「すみません社長! カラスノです!」

「どうしたのからすの君。いま向こうに電話したけど繋がらないの。いまどこ」


 鴉野は最近十三駅で乗り換える。

 三分以内に乗り換えれば急行に乗れる。


 ダッシュすれば問題なく乗車できる。

 ダッシュしすぎてその前の鈍行に乗らなければ。


「鈍行に乗ってしまったようでして」

「むこうに伝えておくね」


 ある意味鴉野は転職に成功したのかもしれない。

 いや、本当にご迷惑をおかけしました。


「○○さんごめんなさい警備のカラスノです! 今配置しました!」

「あ、うん。今配置したのね。了解」


 上司もすごいがクライアントもすごかった。


 昔、鴉野は仕事の話で『この仕様で作業を行うとこのような問題が生じそう』と言い出した同僚に『じゃクライアントに伝えましょう』と同僚に申し上げた事がある。


 とりあえず貸自転車屋時代の話ではないが。



「鴉野君。こっちが知らない仕事に対してあっちの仕事の領分にそんなことを言って責任取れないでしょ」


 かつての同僚はかように申しており。

 というか抜かしており。


 責任取りたくないから誰にも言わずに胸の内にしまっておくらしい。それって不具合が発覚しても確かに叱られないけど不具合の対策を取らない責任はあなたにありませんかねぇ?!


 とりあえず仕事では後輩でも責任者は鴉野だったこともあり。


「○○社さん。ぼくあまり賢くないからよくわかっていないのですが、そちらのお仕事でわからない事を教えていい範囲で教えてください。この仕様書ですがこのまま進めるとこのような不具合になりませんか」

「あ、そこはね。鴉野君こういうことだよ~」


 まったく叱られない。

 鴉野があまり賢くないのは周知のことである。

 逆にバカが聞いてきたくらいのリマインド位置づけ。


 かくも鴉野が愚かなのは確定的に明らかと重複表現をするが、そんなこんなで鴉野の勤める現場周辺は嵐のような雨。ここ最近のカラ梅雨を取り戻す! 日本を取り戻す!



 日本を取り戻すのは良いけど、一〇〇〇〇〇円給付は今月二四日で市税を払えず株を売り飛ばした鴉野にはいろいろ思うことはある。この大雨になったり止んだりする複雑怪奇な雨模様的には。欧州の政治状況は複雑怪奇なり。香港の自由は燃えているかくらい。


「で、カラスノ君。結局財布どしたの」

「再度かばんをひっくり返して調べたらありました」


 仕事が終わり鴉野は同僚と話していた。

 仕様変更について連絡せねばならない。


「とりあえずカラスノ君。LINE教えて。仕様書共有しないと」

「LINE? すみません。前職で大揉めしたので仕事で使わないのです。メールでお願いします」


 どっこい相手がドコモではPDF送れないらしいぜ!


「LINEないの」

「ちょ、ちょっと電話をしてきます。ええ、ええ。ちょっと質問があるのですが」


 鴉野はとりあえず電話で確認。どうも同僚の電話以外の連絡先が不明で郵送で送ったとのこと。


『LINEぐらい教えろよ。お前テレワーク派だろ』



 同僚ではない読者さまならわかってくれるだろう。


 鴉野のLINEは女装アカウントである。

 ご存じLINEは携帯一つに1アカウントである。


 同僚にこのアカウントがもれれば普通に失職する。


 鴉野的には女装バレや失職はあまり気にならないが、友人の伝手で就職した会社なので友人が困る。


 お外は大嵐であるが、鴉野の人生は相変わらずの大荒れ模様らしい。


 とりあえず鴉野は本日も小さな危機を脱した。自分をほめてあげたい。

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