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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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コウウンの神爆誕せしコンサート

「鴉野さん! ぼくは悪い子です。汚れています! 嫌な奴でだから汚くて駄目な奴なんです」


 ああ、ロリコンだしそうかもね。でも人様に迷惑かけていないならよくね?


「鴉野さん。駄目っすよ今回彼落ち込んでますから」


 友達にも恵まれているし良いと思うけど。

 で、何が汚れているって? うーん?


『他人に嫌な気持ちを抱いたり不埒な思いや悪意を抱いてしまう自分が嫌いになった』


 上でおk?

 たぶんそうだろう。


 しかたないなぁ。


「まぁ聞け仮想人格」

「なんすか鴉野さん?!」


 数年前のハナシなのだが、知人にそこそこ有名で実力のあるアカペラやっているひとがいる。

 で、その子のコンサートが近くであったんだね。彼を応援すべく俺も駆けつけたって次第だ。


「全然関係ない話をまたして……」



 うむ。その日はハイテンションに格好もキメッキメにしてさ。生で会う知人に浮足立っていたんだが実際に足ががくがくと。


「( ,,`・ω・´)ンンン?」


 でさ、電車内で猛烈な便意に襲われてね。

 きつめのズボン履いていたから財布がでないのよ。


「駅員さん、トイレどこっすか!」

「こちらですが」


 改札口外を指す駅員。鴉野は必死であった。


「切符がみつかりま!」

「行け!」


 Gateオープン。

 鴉野のシリアナさんもオープンした。


 脚ががくがく顔面真っ青だった鴉野。

 二本足が一本足になるタップを舞いながらトイレへと向かう。そのジャンプごとにぶりゅんびゅるんとブリュンヒルデしていく。


 なんとか行為を達した鴉野。

 便器回りも尻周りもズボンの中も廃棄物処分場になっていた。



まぁそういうことで仮想人格よ。

誰にもバレナイ汚い部分を知っているのが自分だけでいつかバレると不安でしんどいとか騙している気がして申し訳ないとかそんな他人の内面を見ることのできない他人がお前は汚くないといっても納得できないって主張は理解できるが。


 この状態で何とかケツ周りを拭いて拭いて拭きまくり、パンツをゴミ箱にブッコんでウンコまみれのズボンを可能な限り拭き、近くで身体を洗う場所もないからそのままコンサート会場に直行。コンサート終わった知人と悪臭溢れる握手アクションかまして帰宅した俺より汚れている奴はいないから気にすんな。


 ……おい。

 おい?(=゜ω゜)ノ

 おーい_( _´ω`)_ペショ


「⊂⌒~⊃。Д。)⊃<バンバン!

 ひーひはははっはははっはっはっははあ!」

「あははっははっはははh」

「なんすかそりゃ」


 笑いすぎだろ貴様ら。

 まぁいきなり予想の外から違う話で無理やり笑わせるってテクニックだけどね……。


 まぁ受けたなら何より。



「中の汚……うんこを外に出さない理性を持っているお前は立派だ!」


 キリッと顔を引き締めて力強く。

 当時の鴉野のケツ穴は決壊したが彼らの涙腺も決壊した。腹筋崩壊である。


 まさにウンをつけたまま急遽駆けつけた鴉野に知人もメンバーも悪臭に触れず感謝の言葉をくれたぞ!


 ぴくびくやっているけどこの子ら大丈夫かな。まぁ当時の俺もびっくんびっくんとジャンプしながら脱糞していたわけだが。


「心が……こころが広い!!!!!!!!!」

「海より広く空より医大で大地より深い慈愛!」


 知人を褒めてくれてありがとう。おれ自身のことではないけど嬉しいものだね。


 世間様では大事なコンサートにウンコ漏らしながら駆けつけた知人に悪臭がヤバいとキレるどころか感謝する寛大な人物も実在するのである。


 ならば人様にうんこ、もとい悪意や害意を出さぬよう理性を働かせ、迷惑をかけないよう皆に気を配って生きる若者のどこが悪いというのだろう。そんな偉い人に対してキレるひとなどいるはずがない。



取敢えず鴉野はニートでカネはないからウンコかけて良いぜ。キレは悪いけどな。


 汚いからこそ人に迷惑をかけまいとする。

 苦しいからこそ強くある。立派だ。


 社会のウンコにならないよう。

 ウンコを漏らさないように頑張るのは良い事じゃないか。


 もうちょっと気張っていけ、気合入れろ。そんなこと頑張っている人に言うと逆にウンコ漏らす。


 人間脱糞するくらい馬鹿馬鹿しく行きたいもんだ。

 あ、またウンコ漏らした。

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