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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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掃除は給料に含まない Gとレコンキスタ

 鴉野が『わが生涯に悔いなし』ならぬ『わが生涯に掃除なし』なる社員たちに付き合い、倉庫管理者という名前の掃除当番を押し付けられた話の最後の話である。


 当然在庫チェックをせねばならぬが鴉野は数字を数えるのが苦手でしかも業務の合間にやらねばならない。普通に無理があった。


「とはいえ、五コ組にして針金でまとめればいいか」

「これたまにしか使わない」


 慣れればコツをつかむものである。

 問題はこの倉庫が半端なく汚い事なのだが。

 伊達に最も綺麗にすべき食料品入れを汚物入れにする会社の人々ではない。


 ゴミだらけのキャビネットを片付け、重複している部品や工具を片付け、使わないものあまり使うことのないものをまとめていく鴉野だったが。


「このダンボールボロボロだな」


 鴉野はそれを無造作に引っ張り出した。


 なんか黒い金属質のものが入っている。

 あれ、ちょっとうごいてね。

 ……Gの巣であった。



 繰り返すが、誰も開けていないダンボールは越冬作戦中のG軍団に占拠され彼らの秘密基地として機能していたのだ。


 動きが鈍いとはいえ逃亡を決め込もうとするGどもに騒然となる鴉野とアルバイト一名。


『○○さん!』


 鴉野は咄嗟に油の洗浄に使うパーツクリーナースプレーを取り出す。

 業務用のデカいやつだ。


 これをGどもに情け容赦なくぶっ放す。

 ぶっちゃけ殺虫剤より洗剤が効くし、洗剤よりパーツクリーナーがGに対しての致死性能が高い。

 冷却効果もあってGには覿面に効く。たまに火気があったら周囲が吹き飛ぶが。どこぞのアパートチェーン会社みたいに。


『許してください。ぼうやだけは』

『許さん源氏! その情けで我らは滅ぼされた!』


 そんなやり取りは無いが鴉野はG軍団からダンボールを奪還し、在庫管理を行うためにダンボールの中身を改め、周囲を消毒し掃除して片付けることに丸一日を要した。

 その翌日。



『カラスノちゃん。キミ丸一日掃除して過ごしてサボっていたって』


 上司はキレていた。

 上司的にはメンテナンス作業を優先するために鴉野を入れていたということなのであるが、メンテナンス以前に在庫管理が出来ないのだから仕方ない。工具もどこかわからないし。


 鴉野はGとのレコンキスタを説明したが敢え無くというかめでたくというか倉庫管理業務から解放されることとなる。


 なお、鴉野は行方不明の商品点数が117なわけがないので調査したところ67まで激減したことを伝えておく。


 どんだけ管理できていないのか。

 この会社では掃除や在庫調査は給料に含まないらしい。


 もうどうにでもなーれ!(やけくそ)


(掃除は給料に含まない 完)

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