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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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鴉野さん助けてください。『……何をした貴様』

「鴉野さん。助けて下さい」


 ??? 何があったのか知らんが喫茶店うまく行ってるじゃないか。

 女房となんかあったのかい? いや、普通に絞られているのか。幸せでなにより。


「違うんですよ。お客さんが来なくて困っているのです」


 はぁ?


 いや、お前の店昼に通ったけどすっごく主婦の人が入ってたじゃないか。

 ご当地グルメをうちで発祥するとかいってすっごく売れ……。


「売れすぎてすぐ売り切れちゃうのです」


 あ。


「しかも、すっごく手間暇かかるのです」


 それはきついな。


 だいたいあれって原材料費はさておき、あの値段じゃ確かに元が取れないかも。


 てかカレーはまずいと言わない程度に旨いし珈琲は実際旨いわけで。


「じゃ、手間暇かからなくて原材料費が低くてよその店で出してないメニューだな。良しわかった。コーンフレークにヨーグルトかけて出せ。お母さんたちの健康志向にピッタリだろ」

「鴉野さん。オープンカフェです。今の時期寒いのです」


 ちょ……ちょ……どうしてそうなった。


「でもコーンフレークはさておき、グラノーラなら」

「どうせオートミールにちょいちょいとドライフルーツやヒマワリの種などを配合しただけだからな。当たればヒットするだろ」


「問題は夜なんですよ。誰も来なくて」

「その売れすぎてあっという間に完売する商品の仕込みをする発想はないのか。てか、夜だろ? 『インスタントラーメン』でも売ったら? 安くて手間もかからん。あと汁にワサビつけてごはんいれたら茶漬け味になるって知ってるか。ラーメン茶漬けっていって某店舗のメニューだがラーメン茶漬けサービスにしておけば文句はないだろ」


 鴉野も適当なことを言う。


「というか、帳簿とかつけれるのか。本当に大丈夫かよ」

「な、なんとかします。あと女房に話しますね」


 いや、マジで頑張ってくれ。楽器が一通りそろっている喫茶店とか貴重なんだし。


 次の日。


「鴉野さん! 助けてください!」


 グラノーラなんて最初はブレンドとかせず市販品をそのまま使って、昼間の限定商品とかで少数出して様子見すりゃいいだろ。まさか大量に買い込んだわけでもないだろうし。


「あのですね。お濠のガチョウが怪我してすっごく可愛そうなんです! 助けてあげて」

「俺にどうやって野生生物を捕縛して動物病院に連れて行く甲斐性とハンティング能力があると思ったのか小一時間問い詰めたいところだな?!」


「ガチョウが可愛くないのですか鴉野さん!?」

「俺は人間のほうが可愛いし、お前の頭の可哀想さに泣きたいわ?!」


 ガチョウは。……たぶん市役所の人がなんとかしたと思う。

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