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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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頑丈すぎる

「おーい! 踏んでくれ!」


 夫にこんなことを言われたら普通はドン引きである。


 どう見てもSMだろ。しかし父にそんな気はない。



 鴉野父である久さん(仮名)は小柄だが筋肉質かつ頑丈だったので成人女性のゆっこさんや成人男性の鴉野、鴉野弟が踏んでも大丈夫だった。

 なぜに父親を踏まねばならぬのか。道徳はどうしたと言いたいところだが肩こり腰痛身体疲労が原因である。


 普通の男性は背中を踏まれたら大怪我する。腰とかふんじゃいけないし首の回りなんて特にだ。

 足のかかとで肩甲骨を刺激しつつ親指で首周りを刺激する鴉野。普通にやっちゃいけないからマジで注意だ。


 でも、鴉野家では普通にある光景だった。



 人間の頑丈さというのは個人差があって、不死身の分隊長・舩坂弘軍曹はみずからの頑丈さを『もともと傷が治りやすい体質だった』と述べているらしい。


 ちなみに参考までに。


『戦闘初日から受けた傷は大小24箇所。重症(普通致命傷)は左大腿部裂傷、左上膊部貫通銃創2箇所、頭部打撲傷、左腹部盲貫銃創の5箇所。

右肩捻挫、右足首脱臼。蛆に身体をついばまれた状態で敵陣中央まで匍匐ほふくしていたため、肘や足は服が擦り切れてボロボロになっただけではなく、連日の戦闘による火傷と全身20箇所に食い込んだ砲弾の破片で傷ついていた。この状態で敵将を単独で討つべく忍び込んだが、護衛の者に頭を撃たれて射殺される。……が、二日で蘇生して暴れ回ったあげく、収容所の良好な(?)食べ物で大回復。収容所から半死半生の這うことしかできない状態で脱走。死んだ日本兵の死体から火薬を失敬して単独でアメリカ軍基地の爆薬庫を破壊し、翌日には点呼に参加して、戦後は傷をすっかり克服して本のデパート大盛堂書店を開業。昭和の剣聖・持田盛二範士十段の稽古相手をする機会を得るなど精力的に活動』(参考文献。Wikipedia日本語)


 頑丈すぎるやろ。



 逆に本田忠勝は五十七回戦場に出たが一回も怪我していないほど無茶苦茶強かったらしい。某猫の人が教えてくれたが昨今のゲームではスラスターつけて空を舞ってロボットとして大暴れするらしいが、史実の彼は名前を掘るために小刀を扱っているときに手をかすったのが生涯唯一の傷であり、その一年後になくなっている。


 ヒットポイント低すぎだろ。


 翻して親父だが、肩こり筋肉痛を感じる程度には普通の人間であった。しかし五十キロ六十キロあるような人間が踏んで気持ち良いという程度には頑丈であった。


 別に親父のカラダには鉄板など入っていなかったはずである。


 取敢えず読者様方に、毎日親父の肩を揉んであげた経験があるかどうかは鴉野の知るところではないが、踏んであげていたという人は少数派であろうと鴉野は断言する。

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