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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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とまとはざーど

 ゆっこさん(母。仮名)の趣味はプランタ栽培だが、もともと普通に畑をやっていた鳥取県民を舐めてはいけないレベルのものを生み出す。

 というか土の管理からしておかしいし。

 NHKの番組を見乍ら更なる知識を補強していくのは良い。良いのだが。


 先日の台風が過ぎた後。

 鴉野は頭を抱えていた。


 トマトが一斉に水を吸って赤く実ってしまった。

 しかも水の吸いすぎで割れていて、黒い小さな粒粒(虫)がアホホドたかっている。

 これは食わねばならない。鴉野は全部それをもいで食べることにした。


 考えてみれば無謀である。

 ミニトマトといえど数が数なのだから。

 もうアスファルトに転がしまくってホースで水をぶっかけて虫を追い出しながら食う食う食う食う。

 近所の人に分け与えてもまだ残るミニトマトミニトマトミニトマト。


「これはやばい」


 鴉野はとにかくトマトを食う。

 冷蔵庫に入れろ? 御冗談を。家に虫の付いた作物など入れたら虫に家が汚染される。

 話変わって生ごみをプレーンヨーグルトの箱に入れて蓋をする。

 これで虫ははいってこないだろう。

 そう思って捨てるのをモノグサしていたら中からゴキブリ様が出てきた。


 彼らはプレーンヨーグルトの箱程度の密閉など関係ないらしい。

 マジでびっくりした。大型のクロゴキブリ様である。


 つまり、鍋にお玉を入れたまま蓋をしている状態だと知らない間にゴキブリ汁になっている。


 テーブルの上にサラダを置いていてもゴキブリサラダになっている。

 窓の前に野菜を置いていたら当然ゴキブリ野菜だ。


 そもそもゴキブリさんはもともと野外に住むイキモノなのでどこにでも出る。街中の繁華街を歩いていると足元を這っていることがある。


 こうやって彼らは食い物を求めてより良き巣を作っていくのだ。


 久しぶりに帰宅したゆっこさんの目の前に鴉野が書いた手紙。


「ヨーグルトの箱ではゴキブリは入ってくるみたい。

ナベにお玉入れて蓋した程度では無駄。テーブルの上に食べ物など論外。

まな板とナベにゴキブリ這ってた」


 この間鴉野の食事はグラノーラである。ご飯作るの面倒だったからだが。


 翌朝起きてみるとナベその他綺麗になっていた。


 母が少々ダウンしながら届いた献本を見ていたのはご愛嬌。

 一応母の弁護だが築二十年の家をちゃんと綺麗にしている。

 それでもゴキブリと主婦の戦いは油断大敵。らしい。


 取敢えず母の北海道土産は『トマト』だった。


 もう。昼飯トマト。夕飯トマト。朝飯トマトはいやだああ?!!!

 とまとおいしかったです

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