いろいろあって書くのを辞めていたけどぼちぼちと
【前回の続き】
脅威のリーズナブルエキストリームぼったくり(意味不明)な外国人パーティ。その舞台裏を求めて鴉野は潜入捜査を開始した!!!
時期が空いてしまったけど続きである。
鴉野は予定の開いている日をメールし、面接の準備を。
『○日何時に来てください。担当は○○というのでその人に聞いてください』
面接なしだった。
え。え。え。
鴉野みたいなのが来るよ?!
自分で言うのもアレだが、面接なしの一発採用だった。
もう運営がこの時点で信じられない。いやマジでどうしよう。
というかパーティに着ていく服がない。
スーツにしないといけないの? カジュアル? それともモギリするから防寒着?!
結論。
『ボランティアは指定日時に現地集合。あとは担当と話せ』
と、と、とりあえず防寒着を用意するか。
鴉野は戸惑いつつ知り合いの例の青年に連絡をした。
あまり詳細は話せないので以降は仮想人格君と話したということにして書く。当たり前だが会話内容は変えている。
彼は不思議そうに言い放つ。
「へ? 鴉野さんみたいなのを一発採用?! そこ頭湧いているんですか」
お前自分に言ってるって自覚あるか?! あるよね? ひょっとしてない?!
「いやあ。鴉野さんの進退なんざボクや読者さんにはたいして大事じゃないえですが、それでも一か月も出番なしですからねぇ。さすがにぼくとしてはいろいろ言いたいことはありますよ~」
う、うむ。すまんかった。
「で。チラシ配りとハブになって一人でぼーっとしているコミュ障の相手と喧嘩になった時の応対をするわけですね」
メールを見乍ら悪態をつく彼だがその顔は楽しそうだったりする。
実際に行く鴉野としては『行きたくねえ! もうやだ! ダメだこの会腐ってる?!』である。あと、そんな身もふたもないこと言うな!?
いや、パーティ自体は楽しくてもこんな運営側の事情を知ったら嫌すぎる?! もうこの時点で行きたくねえ?!!
「まぁ喧嘩になっても外人には勝てん」
「とてつもなく情けない発言ですね。お父様が空手一〇段なのに」
だって鴉野ってチビで口だけで弱いもん?!
武器は一通り使えるが、それだって素人に毛が生えた程度だぞ。
たぶん竹刀で外人殴っても怒らせるだけに終わる。
親父だって外人と言わず日本人でも現役時代の角田には勝てんと思うぞ。
あの手の競技はガタイが最重要だ。型とか武器の扱いなら圧勝するだろうけど。
「センセとか館長とか小柄な方もいらっしゃいます」
「あんな例外どもと比べるな?!」
165センチしかない親父だって普通に五人の通り魔を角材出す前にボッコにする。やってから角材持ってたと知ったというマヌケっぷりである。何かあったらどうするんだよ。親父?!
センセの実力は極めて疑問視だがそれでもあの小柄な体で某国立大学空手部主将経験者だしなあ。一通りの武器を扱う器用さもあるし。
館長は例外だ。抜き手のやりすぎで指全損だの、相手の拳に乗って戦っただの、米兵をフルボッコにして『こんなチビに負ける米兵はいない』と言い張って無罪だの伝説という名前の問題行動が多すぎて草が生える。
「館長は絶対連れて行きたくないですね」
「もう旅立ったよ。親父より早かった」
訃報を親父に知らせるとがっくり来るだろうから言えなかったけどな。
「おっと。話を戻そう。当日の無断キャンセルや遅延厳禁な」
「そこはしっかりしているのですね」
てっきり設営とか手伝うのかと思ってたよ。
「鴉野さんってコンサート会場設営のアルバイトやってたことありますものね」
「そういえばその話はアルバイト編で書きそびれたな」
そういうこともあるのでこの話は後日。
「てか。このメールから地雷の香りしかしねえ」
「発破しなければいけませんね。まさに鴉野さんの専門分野」
いやだぁ?! 布団かぶって寝ていたい?! こんな地雷の運営は嫌だあ?!
「いや、もうマジで楽しみにしています。運営の質的に。ネタとして」
やるのは俺だぁああ?!
(続く)




