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勉強 その2

 前回のまとめ。


 1 勉強と言うのは点取りゲームである。

 2 当たり前だが学者になったり、勉学の楽しさを知ってもらうために開催していない。(きっかけになればいいというスタイル)

 3 企業の採用担当者は『遊びながら課題をこなし、四年間で大学卒業できる程度の』要領のよさと、『家庭環境』を持っていると判断する。

 4 大抵書類含めて第一印象で決め、当てが外れりゃ社員教育する。(前回は言っていない)

 5 ぶっちゃけ、頭のいい人間有利に世の中できてている。

 6 その餓鬼どもは頭がいい保障はない。

 7 なので、馬鹿餓鬼でも上にいけるように作っている。


 8 3-7の事由より、人生の限られた時間、限られた瞬間にやらないとダメ。



 次は『今から逆転オワタ』と思っている人への勉強法だが。


 取りあえず、身の回りのものを一旦捨てることをお勧めする。今までの自分を清算するのだ。


 服でもいいし、書いていた黒歴史シートでもラノベやエロゲやアニメのコレクションでもなんでもいいが。一旦蹴りをつけてしまう。


 就職はいきなりはちょいと難しい。

 必然的にブラックになるのだが、ブラックでも職歴は職歴だ。あるのと無いのとでは違う。

 とはいえ、保険に入っている会社が望ましいのはいうまでもない。


 鴉野は一時期、床下系の会社にいたことがある。正直二度とやりたくない。『面白かった』が。


 閑話休題。


 子供が勉強しないと嘆いている親御さんは何処でも共通だが、とりあえず漫画やゲームを子供と一緒にやっていると子供は親を見ているのでやらないと断言しておく。


 鴉野の友人Sは三十路を前にゲームもラノベも卒業したが彼に趣味が無いかと言うと『NO』である。

 むしろ貴重な休日を陶芸したり、資格取ったり、パンやいてみたり、接待ゴルフの練習をしていたりとクソ忙しく遊んでいる。

 出世街道をひた走る彼がゲームやらラノベをやらないのは『やる必要が無い』からである。


 あと。

 あれだ。

 新婚だ。

 察しろ。


(いろいろとおめでとうございます)



 こうしてみると人間にはいい連鎖と言うモノがある。誰が作ったか知らんが良くできている。


 鴉野は関西一円を床下会社の社員として巡ったことがある。老若男女色々な人間と会った。


 解ったことは『底辺と呼ばれている連中でも、賢いヤツは賢い』。


 彼らの経歴は様々だ。


 免許の無いタクシードライバー。

 ホームレス。

 元ヤクザに右翼に暴走族。

 アレだ。察しろな人や日本国籍の無い人に中卒。

 中卒より馬鹿と言われる高校中退。


 それはそれはトンでもない中に鴉野はいたわけだが、彼らは少なからぬ至言を吐いている。



『仕事をするなら鬼になれ。鴉野。お前は鬼になっているか』(別支店の店長)


 仕事が出来ない鴉野をなにかと目にかけてくれた彼が珈琲を奢ってくれたときの台詞。


『いいじゃないか』


 鴉野がメシ代に困る仲間に寮にあった古いコメをつかって握り飯を作ろうとして、『勝手に人のコメを使って貴様の汚い手で握ったものが食えるか』とお叱りを受けたときに彼が言い放った台詞。



『お前、同胞だったのか』(勤め先の店長代理)


 某民族系の人々が何故日本で巧くやっていけないかの問題に、『あるときは日本国憲法を盾に自分の国を守る徴兵制を蹴り、あるときは日本は悪の国だといってればどちらからも敵と見なされるだろう』と答えた鴉野に対して彼の告白。

 彼は幼少期を転々と日本各地を巡って過ごしたらしい。


『学歴だかなんだか知らんが、お前らのほうが賢い。もし這いずり続けたくなくば。奪って来い』


『もし、お前らが真面目に仕事をしていたら、一生給料も上がらず、退職金も貰えず。真面目にやらないならば犯罪者になっているだろうな。この会社にいれば、それでも上を目指せるんだ』


 中卒や高卒の鴉野達に言った台詞。


『世のため人のため。この商品は凄いと思わなければ営業成績は上がらない』


 『詐欺みたいな仕事』と自嘲する鴉野を叱責した台詞。



『俺。この仕事ずっとしていたくない。いつかカネを貯めて、勉強して』(トップの営業成績を持つ先輩)


 彼は元暴走族で仲間とデキ婚。パチのゴト師を経てやってきた。


『こんなに濡れています。湿度高すぎです』


 民家の床下で小便を垂らして嘘を言った台詞。



『俺。あの子が大切で仕方ない。可愛くて可愛くて手も握れない』(年下の先輩。元暴走族)


 女の子なんて昔は(今も)ひくてあまただったろうに。


『いい財布拾った。中身は貰ったがガワいるか』


 さすがの鴉野もドン引きした。



『鴉野君。ありがとう』(成績が低すぎて給料が基本給の5万円になった先輩)


 鴉野はその月、彼とコンビを組んでいた。タバコ代に困る彼にタバコに唐辛子を入れて渡して大笑いする鴉野(まさに外道)だが、飛込みが鴉野、説得が彼である以上、彼が空腹状態だったら収入に響く。

 鴉野は彼の分の握り飯を用意し、『腹が減っていない』として渡した。

 冬の暖房もロクに効いていない営業車内で握り飯を食い、今日こそやるぞと言った台詞。


『日本のためになると思った』(元右翼の先輩)


 貧乏人同士たたきあい、上を目指せないならば上にいる連中は大笑いだろう。



 彼らは『賢い』。

 社会的な問題、家庭的な問題、要領が悪いなどあるが『賢い』。

 そうでなければ上の連中を相手に身包みはがすような営業は出来ない。

 だが、彼らはほんの一瞬を逃した故に、永遠に低収入と言う下を這いずるか、床下を這いずって『上』の連中の足を引き摺り落とす道か、犯罪者の道を歩むしかない。


 この御話は『ほうはん』というタイトルでコメディとして描く予定だが、どう考えてもなろうの運営さんにお叱りを受けそうなので保留中である。

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