トリカエチャタテ
トリカエチャタテなる生き物がいる。
チャタテムシはWikipedia日本語様曰く、昆虫綱咀顎目(Psocodea)のうち寄生性のシラミやハジラミ以外の微小昆虫の総称だそうだ。
側系統だが、かつてはチャタテムシ目(噛虫目、Psocoptera) に分類されたらしい。現在では使われていない。
このトリカエチャタテ。
オスが交配を無制限に行い、メスが妊娠や卵を産むリスクから性淘汰を行う生物の原則に反し、メスがペニスに該当する器官を用いてオスを孕ませ、オスが卵を産むという変わった生き物である。意味不明だって? 実際そうなのだから仕方ない。去年(二〇一四年)の四月一八日に見つかった生き物である。
日本の研究者がみつけたので古典『とりかへばや物語』にちなんで名づけられた。今回と関係ない。
鴉野は入ってきた男の客と踊っていた。
やっと盛り上がれる。朝まで耐えられるよははは!!
女? まぁ連れとなった二人の男とよろしくやっているさ! ははは!
鴉野だけSNSボッチである。なんてこった。
連れとなった男二人が友達になったのはありがたいが。
なんか最近、女の知り合いを増やそうとして男とばかり知り合うな。
日和見連中がスマホもって退場。
騒いでいるのは俺たちだけという状況である。
仕事明けのハイテンションな二人についていくのがやっとの鴉野。
もっとジムで鍛えるだけじゃなくて走りこまないとなあ。
ヒヨった人たちとも話した(例によって話す)印象としてはイベントリサーチさんの記事を見てきた(9時なのに実際は10時開演など不備多し)ので理想と現実のギャップに耐えられなかった模様である。
告知はキッチリ行うべきである。二千円の入場料だと思っていたら六百円だったと喜ぶとは限らないのだ。
少なくともポールダンサーのためのポールはありません。
残念無念。ポールダンスを生で見たことがない鴉野である。
この際男がポールダンスしていてもネタにできるのだが。
今更ナンパメインに戻ることはできない。
鴉野は夜三時に、彼ら二人は二時ごろに退却した。
始発を待ち、ラーメン屋で至福の時を……過ごせるわけなく、寒風の中席待ちである。
始発で帰って仕事の時間までダウン。二度と行かないと思う。
しかし格安だ。
呑み代である3300円しかあそこに落としていない。
安すぎる?! もっととれよ?!
太陽のあの店なら指名抜きで5000円である。
入場料は2000円といっていたが600円で済んだ。
しかもその600円分の無料呑みチケットがついていた。
これは呑み代と言っていい。
うちクローク300円。
着替えに11分の1ものお金を払っていることになる。
着替えくらい推奨しろ。マジで。
日和見連中はバカな服装させて持ち上げないといけない。
途中で意気投合した二人がいなければ鴉野ですらタクシーで逃げた。
入場料はだっぽり取るべきだ。
若い連中の出会いの場なんだから九千円は取っていい!
呑みチケットが『人に驕るためのチケット』だったらまだ入り口前でしけた面でケータイ弄っていたり、いい席(女性席)長々と独占している独り身連中を駆逐できたのに。
身も蓋もないけどこういう場所は芸能人と金持ち男は優遇とか、若い娘は割引(※実際にやると文句を言われるので何歳以下~)とかやったほうが良いと思う。そうしないとナンパされたい女にあった男が来ない。女が来なければ男も来ない。
店側はどういう事情で来たのかとか、どういう改善を望むかのアンケートを取るべきだ。シケた連中のほとんどはイベントサーチ経由である。
宣伝が逆効果になることは大いにあるのだ。
シケた連中には店側の綺麗どころのねーちゃんが『チケットかけてトランプとかサイコロとかやろう!』とかいって積極的に『モテている俺様』気分を出してやらんといかんと思う。二度と来ない。
こいつら、文句ばかりは言うのに女に声かけねえ?! さっさと帰れ!! 鴉野でなくてもそう思っただろう。
今回は統計と簿記は商売の基本だと痛感する案件だった。
せめて朝起きたら男に掘られていたならネタとしての尻の痛感ができたかもだがなぜこんなところで世知辛い商売について痛感せねばならん。
結論。
仲良く盛り上がっているのほとんど鴉野たち三人(※全員男)だった。
漢天国。女要らない。アレ。ここナンパする場所だよね?!!
トリカエチャタテという生き物がいる。
真実は調べなければわからないのだ。




