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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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倶楽部 リベンジ

 大阪一、関西一の豪華倶楽部!

 日本初のLEDシステムの豪華空間。今一番女の子に人気のクラブ。

 毎晩行われるパーティはまさにラグジュアリー!

 朝まで飲んで騒いで盛り上がれ!


 こういった煽り文句に画像の数々。


 芸能人が次々と来店し、若いねーちゃんが半裸でポールダンスしたりして派手に男も女も踊って遊ぶ空間。

 それはディスコだ。

 鴉野はいわゆるディスコなる場所に行ったことがない。


 倶楽部では風営法に引っかかるのでクラブで深夜に踊るのは拙いのは知っているが、まぁ大差ないだろ。



 鴉野はイベントサーチで調べてイベント申し込みをした。

このサイト、改装中でも余裕でイベント中とか書いていていろいろ問題があるのは知っていたが。


「あのね。知り合いがクラブでひどい目にあってね」


 横で母がうるさい。


「というか、その恰好で行くの」


 鴉野は服装のセンスがないのでなるべく無難なダブルスーツにした。

 黒のコート。siwaの黒帽子。黄色いネクタイ。黒の磨いた革靴。

「ネクタイは外れた色のほうが良いだろうと」

「勝手にして」

 しかし、正しくこの格好は変質者である。

 コートを脱いだら全裸の場合に限るが。

「というか不潔だし。その髪」

 母、ゆっこさん(仮名)が心配するのは、鴉野の髪が伸びると幼女連続誘拐殺人の性犯罪者になると信じている部分が多分にある。関連性はない。


 鴉野の長髪に対して不評なのは少女の絵を描いていると性犯罪者になると騒ぎ、マッチョな筋肉ダルマ女性をかいていると良い絵とぬかす母のみである。どういう趣味なのか大いに問いただしたい。



 とりあえず朝帰りになると告げてイベントの時間に急ぐ。

 前に来たからと油断した。

 少々遅刻して入ろうとしたらバウンサーのお兄さんに止められた。


「10時からです」


 え。9時って書いているぞ。


「10時からですから」


 え~と。ご苦労様です。

 うーん。スーツ着てきたけど入店拒否喰らったのかな。


 仕方ないので時間をつぶす。

 まぁ本気でやんわり入店拒否ならまた某太陽のところに行けばいいし。


 改めて行ってみるとクソ寒い。

 どうも一〇時になっても準備ができていない模様。

 薄明かりに照らされた看板を眺めつつ、スマフォにネタ画像をアップしたりする。


「お待たせしました」あれ。俺だけ?


 バウンサーの兄ちゃん曰く、身分証は見たからということでボディチェックだけうけて入場。兄貴。テクニシャンだな! 関係ない。


 内部は薄暗く、ロッカーがあって奥ではきらびやかな空間でDJが音楽を鳴らす。可愛い女性がバーにいて、黒服男性が。


「で。女の子は?」


 いなかった。


 どうなっているんだ。待て次回。

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