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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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たたかうお父さん

 毎晩吼えるバカ犬に十六年間ほとほと困っていた男がいたらしい。


 ぽっくり犬が亡くなると毎日動物が畑を荒らしにくるようになったそうだ。


 つまり、バカ犬と思っていた犬は忠誠心を捧げる飼い主に理解されないまま毎晩闘っていたのである。



 鴉野の父は極めて寝癖が悪く、毎回魔物の夢を見ては母に蹴りを入れていた。当然母はキレる。今でも時々腕にあざが浮かぶらしい。

 そう言うわけで彼女が蒲団の真ん中で寝ることができるようになったのは父がいなくなってしばらくたってからだった。


 幼少時鴉野は母の愚痴を聞いて当然の疑問を抱いた。

『別の布団で寝たら?』

『寂しがるから駄目』

 即答で母の返事がかえってきた。


 案外父は我が家に来襲する物忌みどもを打ち払っていたのかもしれない。そんなことより重要な事は。


『後に空手十段になる男の蹴りを毎晩寝ながら受け続けた母上は常人ではない』


 指摘されてみれば確かにそうである。

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