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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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光の速さで駆け抜ければ

 先日、光の速さで走った記憶があるとの話をした。

 正直話としては短すぎて文字数からして面白くもなんともない体験談なのだが概要はこうである。

 コドモというものは飛行機や自動車などの真似をして両手を広げて走ったりするものである。全力でおばか行為なのだが本人は大まじめなので可愛い。ライダーやプリキュアの玩具を装備したらお爺ちゃんに勝てると思っているコみたいだな。


 その日、鴉野はキーンとか言いながら走っていたと思う。


 いつもの子供らしい光景だがその日だけは違っていた。

 グンと加速が加わる。脚がぐいぐいと力を伝え、体がすっ飛んで行く。

 視界がどんどん狭くなり、何も見えなくなる。

 匂いも味もよくわからない孤独な空間の中、自分がとにかく早く走っていることだけがわかった。


 子供でも真っ先に思うことがある。


『いつかぶつかる』『というか、どうやったら止まるんだコレ』

 とまれとまれ。

 脚を止めるが止まるわけがない。やばいやばいやばい。

 しばらくして脚がぎぎっとブレーキを踏むように動き、やっと止まって安堵した。


「凄かった」


 しかし二度目をためそうとしても実現することはなかった。

 夢か現か、鴉野の体験は文字数にしてこの程度なのでどうにもこうにも更新分のネタとしては不足である。


 なろうでは超高速で走り最後は世界を救ってしまうたかし君という小学生が親戚のテストに登場したりするが、鴉野の幼少期をSが語る場合こうである。


『最初全力疾走で真っ先に飛び出し、ペース配分まるで考えず最後はトンベ』


 いまだに言われるがS曰く『一生言ってやる(えへへ)』らしい。

 鴉野がSの娘に産まれた前後の娘に対するデレッぷりを一生言ってやろうと公言しているのと似たようなものである。

 思うに、ペース配分とか考えなかったのは鴉野自身も頭を打った記憶を思い出した前後の記憶として忘れている程度だった高速移動の思い出が潜在意識に残っていたからかもしれない。


 度を過ぎた万能感は身の破滅を誘う。


 まだいける。まだいける。ウンコ洩らした。

 俺は出来る。俺は出来る。フラれた。


 出来ない出来ないできないできない。

 試験受かった。おめでとうございます。



 かといって何事も挑戦から逃げていても良いことなど無い。

 ときどき童心にかえり、全力で走ってみたら意外と読者の皆様も光速移動体験ができるかもしれない。

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