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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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明日へ向けて走れ

 雨の日も風邪の日も人は仕事に行かねばならない。

 風邪の日くらい有給取れよ。取って首になった奴がいる。鴉野である。

『たとえ上司指示でも試用期間に有給取って風邪で休むのは体調管理という仕事を疎かにしている』

 お蔭で首の時三か月分余分に払ってもらえた。ありがとう。


 鴉野は骨の服を身にまとう。

 首の時に胴体はとっくに失った。それから今の会社に拾われて幾年たった。多少の飴なら河童になる。雨だ。そして合羽である。

 泳いでどうする。飴しゃぶってどうする。

 颯爽と自転車に乗って次の職場に向かう。

 5000円で購入した黄色の折り畳み自転車で。


 もう一度言う。

 黄色の折り畳み自転車で疾走する骨男。

 真昼間に骨である。ホラーか。


 そして通学路を堂々真ん中で走る。

 いや、端に寄りたいのだが皆端にいってしまう。

 女子高生や男子高校生が集団で通り過ぎて大爆笑が巻き起こる。

『骨?!』

 骨である。別に面白いと思わないが面白いらしい。

 寒風ふくが天には太陽が輝き、さんさんと日光降り注ぐ中、折り畳み自転車に乗った骨が疾走してくる。

 ガリガリの男が骨の服装で走る。

 何ゆえに。これが肥満ならネタになったが骨である。


 鴉野的にはバリバリにボディビルしているつもりだが周囲の評価は違う。

『うわっ?!』『ぎゃ?!』

 風呂代わりに入ったジムの受付のねーちゃんは一本歯下駄を履いてやってきた骨を暖かく迎え入れた。


 あそこの受付は心臓が座っている。

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