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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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鴉野は草木の隅の骨になる

 鴉野の弟はマラソンを趣味とする。


 実は結構速いらしい。しかし彼はコスプレランナーである。

『コスプレを辞めればもっとこいつは早くなる。惜しい』

 たぶん、アイデンティティに関わるので無理なのだろう。


 無駄に開閉式のアイアンマンのマスク。ワン〇ースのチョッパー君の帽子。タイガーマスク。数々の意味不明アイテムを持つ彼が実家に帰省してきたときに装備していたジャージは。

「これ、カッコいいな」


「そうか?」

 兄に平然と返す弟。たいてい実家ではゴロゴロしている。

 ゴロゴロしたいから帰省すると断言するレベルでゴロゴロしている。


「ほしければAmazonさんで買えよ」

「そうする」


 こうして。

 今回の物語は始まる。

 コスプレ。始めました。

挿絵(By みてみん)

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