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無笑 ~正月から自称ヤクザが怒鳴り込んでくる程度にはどこにでもある日常編~  作者: 鴉野 兄貴


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『犯罪者は公務員に雇うな!』『公務員は不正をする!』……え?!

 公務員を減らせと言う話がある。給料が多いらしい。

 刑を終えた受刑者が再犯するのは仕事が無いかららしい。

 また、人間の絆も犯罪者の間のみに限定されてしまって再犯率が高いそうな。


 さて、実際に公務員の給与が労働内容に対して多いかどうか疑問だが鴉野が学校で学んだことによれば一応日本人の平均収入は保障されるらしい。加えて各種の手当や住宅などで特典があり、ボーナスもちゃんとあって実質収入はもっと高いらしい。

 バブル前は公務員になりたがる人間は少なかったらしいが、今じゃ婚活の男性参加者の参加条件にまでになっている。貧富の差が広がる中、低所得者層が無茶苦茶増え、若者のほとんどが貧困層であり、それ以外はトップエリートになってその中間の公務員は給料が多いというよくわからない状態になっている。


 統計学でいうと平均と中間は違うという話で片が付く。


 しかし、実際に低所得で延々とワーキングプアやっている若者はたまったものではない。


 公務員の一種である政治家だと、一人だけ突出して金持ちだ。鳩山元総理大臣である。

 このお方がいるだけで政治家の平均収入は跳ね上がってしまうそうだ。


 政治的信条で中国や韓国に謝罪外交するけど、お金は自腹で払ってほしいレベルで金持ちだ。ママの小遣いが億レベルで、脱税にはならないレベルで金持ちだ。いや、ほんとに払えよ。なぜ個人の信条で日本人の税金を使う。


 公務員は身内に甘いという。

 京都の公務員は麻薬で前科三犯捕まっても軽い罰ですぐ復職したとかである。政治家でも有名な人は二回三回汚職を疑われたり実刑を受けていたり執行猶予の人が少なくない。


 他にも利権やコネの集まりなどなど嫉妬交じりの意見も聞く。


 どこまでが本当かわかりゃしないが。ちょっと変なことがある。


『政治家は犯罪ばかりする!』


 本当かね。


 まぁ、鴉野的には汚職しようがそれ以上に仕事して、国内の統治を万全にし、外国からバシバシ金を巻き上げてくれりゃそれで構やしないのだが。


 鴉野は思う。

『じゃ、元犯罪者を公務員に雇ったらいいじゃん』

 蛇の道は蛇だ。

『絶対ダメだ! 再犯するだろ!?』

 そうおっしゃる面接官は一般企業でも多い。

『犯罪組織がスパイに』

 そういう仕事ばかりじゃないぞ。公務員は。適材適所って言葉がある。

 それに何のための監査だ。公務員には監査が必要である。


 冒頭のハチャメチャな理論でいえば麻薬で再犯した人間を軽い罰で雇う職場である。別にいいんじゃね? マジで。

『大麻は煙草より安全だ』ここは日本です。

 まぁ地方公務員には特殊枠があったけど。


 鴉野もアカ学校でその枠ができた経緯を知っている。

 地元企業にもそういった枠を設けていた会社が少なからずある。

 クレーマーというのは何時でも強い。


 公務員にはある程度の給与を保障する。

 国によっては公務員は完全に権力を分散化されて事実上ボランティアになっている国もある。

 アジアには多いが『公務員になったら家が建つ。警察署長になったら数代にわたってぼろ儲け』という国もある。


 後者は大問題だが、要するに権力を持つ公務員は誠実に仕事をしてもらうために、ちゃんと給与を保障するというのが基本的な考えだ。給料を払わなかったらその権力でいくらでも汚職するからだ。また、わけのわからない税金を次々と作って私腹を肥やすようになる。

 偉大なるあるロシア皇帝は公務員をごっそり減らして税をごっそり減らしてみた。税金を徴収する公務員を養う税金が減って、皆が大喜びした。

 わけのわからん数々の理由で税金を取られていた民は大喜びして税という枷を外して仕事に邁進。破格の経済成長を遂げたという。日本神話でもかまどの煙を見ないと気づいた天皇が数年間無税にする話がある。


 では。犯罪者を公務員に雇った事例はあるか。


 物語では凄腕ハッカーを警察が使うとか、天才犯罪者と組んで猟奇殺人者を追いつめるなどなどがある。また、歴史上は海賊に対して敵国攻撃の許可を出すことで国内の海賊問題を解決した事例もある。全く使えないわけではない。人材は使いようなのだ。


 鴉野は某床下系の会社に勤めていたことがある。


 社員は外国籍。某特殊地域の方。暴走族。パチンコのゴト師。元ホームレス。元ヤクザ、元右翼。中卒高卒当たり前。そんな彼らから見て結果を出せば出すほど出る給料と『とりあえず犯罪者ではない』という立場はとても魅力であった。

 シノギなら捕まるが、強引な営業なら警察に叱られるとか弁護士で済む。

 そのうえで犯罪者としての稼ぎとほぼ同等かそれ以上が入る。

 彼らは必死で働く。犯罪スレスレやモロに犯罪であるが『捕まらない』仕事を真面目に。普通に『真面目に』働いたら一生ワーキングプアであることを知るがゆえに。

 犯罪者をやればいつかひどい目にあい、犯罪者仲間に引きずられるとわかっているがゆえに。

 こういった会社はある種のセーフティネットとして機能していたのである。


 汚職をしても何度も政治家になれる。

 犯罪を一回すればもう一生ワープアか犯罪者かブラック企業か床下。


 これはおかしい。

 どちらも元犯罪者じゃないか。


『おい。鴉野。原チャリいらね? 良いのパクってくるから五万でかわね?』


 かつての先輩はこうおっしゃっていた。

 稼いでいても、モラルがあっても、かくも犯罪から逃れることは難しい。

 我々は最悪を想定し、それを防ぐための手立てを練るしかないのだ。

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