序文
かつて北杜生が『どくとるマンボウ航海記』を著した際に記したアタオコロイナではないが、日本一売れたというTRPG・『ソードワールド』はフォーセリア世界のアレクラスト大陸には「もけけぴろぴろ」なるなんだかワケのわからない食材だか魔獣だか分からない生き物がいるらしい。鴉野の知り合いにもこれを胃袋に納めたような変わり者がいないわけではないが、一番変わっているのは鴉野自身の感性であるといえよう。
思えば幼少の頃より奇行が多かった。
ある日は自分を主人公にした漫画を延々と描き、当時六歳の友人の家に押しかけ、原稿料として玩具のカネをせびった。
ある日はヒーローに憧れ、首にタオルを巻きつけて走り回り、首をつってリアルで死体に変身しかけた。
またある日は忍術を習得せんと学校の壁に駆け上って見せる実の父親を真似して死にかけた。
父の真似をするのは息子の本能であるが、背面逆上がりを習得するために夏休みを全て潰して三年分の夏休みの宿題を溜め込んだ挙句の果て、六年生最後の日に中学生に高飛びを敢行した。
鴉野が当時から適当なのを考えるに今の鴉野と大差がないのだろう。
そんなわけでダラダラ適当に順序も考えず色々書いてみることにした。徒然なるままに書くなら吉田兼好で後世に残るが、鴉野が書くと更正の対象にしかならない。順序がいい加減だから途中挿入も平気で行う。くっつくメモで書いたアニメのようだ。いつになったらアニメは終わる。死ぬまでか。
とにもかくにもこういう奇行の延長が無ければ鴉野は小説など書いておらず、近くの会社に勤める年上の女性に何も考えずにプロポーズして工員にでもなっていたものと思われる。
イメージソング
トーキョー・シック
佐野元春 & 雪村いづみ
作詞:Moto'Lion'Sano
作曲:Moto'Lion'Sano