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狂信者

掲載日:2026/05/18

インターホンの音がなった。

こんな時に一体誰が家に来たのだろう。

この時私は運命にも近いものを感じた。

胸がざわつく。

私は今、二十代半ばの人間である。

玄関のドアを開けると、背の低い中年のおばさんが私の家の目の前で立っていた。

手の中には何やら解読不能な文字が題名の分厚い本を抱えていた。

彼女を見たとき私は呆れた。

しかしそのあとすぐにまた胸がざわついた。


彼女は私に聞いてきた。

「あなたは今幸せですか?」

私は言った。

「幸せではないです。」と。

その後の話はいつもと同じである。

簡単に説明すると、彼女は何やら怪しげな宗教に入っており、あなたも入らないか。

この分厚い本を買い、その後もその宗教の創設者に金を貢げば幸せになれるという話だ。

こう話すとばかげた話ではあるが、人間を怪しい宗教に勧める人間は話し方がうまい。

都合の悪い部分を上手に隠して、都合のいい嘘を話の中に入れるのだ。

彼女の勧誘もそうだった。

このアパートにはよく彼女のような人間が来る。

このボロアパートに。


私は今目の前にいる彼女にとある質問をした。「それでは、この宗教に入った後のあなたは幸せになれたのですか?」

彼女は答えた。

「ええ。この宗教に入る前はとても苦しかった。私は一人ぼっちで、どこにも居場所がなく、毎日が不安で・・・。でもこの宗教に入ってから、苦しみがなくなりました。私はこの宗教の人たちと出会って孤独ではなくなりました。居場所ができたのです。彼らはとても優しい人たちです。以前私を毎日のように苦しめていた不安もなくなりました。私達の宗教には本物の神がいます。私たちは私たちの神を信じ、そのに神に与えることにより、そのお返しに神が私たちを守ってくれるのです。だから何も恐れる必要はありません。もちろん神が必要とすれば、私は全てを神に与えます。」

私は言った。

「私は神なんて信じません。なぜならあなたは今から私に殺されるからです。」


(彼女の怪しい宗教の話が始まった時、

私は「せっかくなので中で話しませんか。お茶でもご馳走します。」と言って彼女を玄関の中に招き入れた。

人と話すのが苦手な私にしては上手に話せたと思う。

玄関のドアを閉めた。

そのままリビングに案内した。

リビングには円形の小さな机が一台置いてあった。

座布団を机の前に用意して彼女をそこに座らせ、台所でお茶を汲み、台所から包丁を取り出してズボンの後ろのポケットに隠した。)

その包丁を彼女の目の前に突き出した。

彼女は悲鳴をあげた。

私は彼女の腹に包丁を突き刺した。

包丁から彼女の血が滴り落ちていた。

悲鳴が止んだ。

死体になった彼女の体を自分の部屋に運び、私は天井からぶら下がっている縄で首をつり、彼女と共に死体となった。


2005年10月×日


私は自殺しようとしていた。

希望が見えず、生きる意味を見出せない。

だが、一人で死ぬのは寂しかった。

自分と同じ不幸な誰かと一緒に死にたかった。でも部屋には自分一人しかいない。

縄に手をかけた。

その時インターホンの音が鳴った。

誰かがこのタイミングで家に来た。

運命を感じた。

だが、宅配の人、観覧版を届けに来た隣人なら別に危害を加えるつもりはない。

なぜなら彼らは自分と同じ不幸な人物とは限らないからである。


彼女を見たとき、また怪しい宗教の勧誘が来たと思い呆れた。

だが私は彼女を私のように不幸にすれば良いという考えが頭の中に浮かんだ。

胸がざわついた。

彼女は私を怪しい宗教に勧誘した。

それが実は善意であることを私は知っている。本当に悪意しかない人たちは、この宗教の創設者だけだ。

そいつらをこの世から消せればいい。

だが、私にはその力がない。

彼女はそいつらの嘘を信じ、金をそいつらに貢いでいる。

そして、そいつらの嘘をそのまま私に話しているのだろう。

彼女は本当に今幸せである。

自分の頭で考えないこと。

所持しているものを差し出すだけでなくなる不安と得られる安心感。

これらの偽物が今の彼女の精神状態を守っているのだ。

彼女を不幸にすることは容易い。真実を教えることだ。

この世の真実を。


彼女の死体を私の部屋に運んだ。

これで私は一人じゃない。

彼女もこの時までずっと信じていたものに裏切られて、不幸を味わった。

それは私がかつて味わった苦しみと同じだ。

私と彼女の死は、私たちからこの世界へのメッセージだ。

私たちの出会いは運命であった。

これで私はもう一人ではない。

彼女の死体を愛おしそうになでて、私は言った。

「私のもとに最後に残ってくれたのはあなた一人だけでした。あなたは私の唯一の親友です。」



インターホンの音がなった。こんな時に一体誰が家に来たのだろう。この時私は運命にも近いものを感じた。胸がざわつく。私は今、二十代半ばの人間である。玄関のドアを開けると、背の低い中年のおばさんが私の家の目の前で立っていた。手の中には何やら解読不能な文字が題名の分厚い本を抱えていた。彼女を見たとき私は呆れた。しかしそのあとすぐにまた胸がざわついた。


彼女は私に聞いてきた。「あなたは今幸せですか?」私は言った。

「幸せではないです。」と。その後の話はいつもと同じである。簡単に説明すると、彼女は何やら怪しげな宗教に入っており、あなたも入らないか。この分厚い本を買い、その後もその宗教の創設者に金を貢げば幸せになれるという話だ。こう話すとばかげた話ではあるが、人間を怪しい宗教に勧める人間は話し方がうまい。都合の悪い部分を上手に隠して、都合のいい嘘を話の中に入れるのだ。彼女の勧誘もそうだった。このアパートにはよく彼女のような人間が来る。このボロアパートに。


私は今目の前にいる彼女にとある質問をした。「それでは、この宗教に入った後のあなたは幸せになれたのですか?」彼女は答えた。「ええ。この宗教に入る前はとても苦しかった。私は一人ぼっちで、どこにも居場所がなく、毎日が不安で・・・。でもこの宗教に入ってから、苦しみがなくなりました。私はこの宗教の人たちと出会って孤独ではなくなりました。居場所ができたのです。彼らはとても優しい人たちです。以前私を毎日のように苦しめていた不安もなくなりました。私達の宗教には本物の神がいます。私たちは私たちの神を信じ、そのに神に与えることにより、そのお返しに神が私たちを守ってくれるのです。だから何も恐れる必要はありません。もちろん神が必要とすれば、私は全てを神に与えます。」

私は言った。「私は神なんて信じません。なぜならあなたは今から私に殺されるからです。」


(彼女の怪しい宗教の話が始まった時、私は「せっかくなので中で話しませんか。お茶でもご馳走します。」と言って彼女を玄関の中に招き入れた。人と話すのが苦手な私にしては上手に話せたと思う。玄関のドアを閉めた。そのままリビングに案内した。リビングには円形の小さな机が一台置いてあった。座布団を机の前に用意して彼女をそこに座らせ、台所でお茶を汲み、台所から包丁を取り出してズボンの後ろのポケットに隠した。)

その包丁を彼女の目の前に突き出した。彼女は悲鳴をあげた。私は彼女の腹に包丁を突き刺した。包丁から彼女の血が滴り落ちていた。悲鳴が止んだ。死体になった彼女の体を自分の部屋に運び、私は天井からぶら下がっている縄で首をつり、彼女と共に死体となった。


2005年10月×日


私は自殺しようとしていた。希望が見えず、生きる意味を見出せない。だが、一人で死ぬのは寂しかった。自分と同じ不幸な誰かと一緒に死にたかった。でも部屋には自分一人しかいない。縄に手をかけた。その時インターホンの音が鳴った。誰かがこのタイミングで家に来た。運命を感じた。だが、宅配の人、観覧版を届けに来た隣人なら別に危害を加えるつもりはない。なぜなら彼らは自分と同じ不幸な人物とは限らないからである。


彼女を見たとき、また怪しい宗教の勧誘が来たと思い呆れた。だが私は彼女を私のように不幸にすれば良いという考えが頭の中に浮かんだ。胸がざわついた。彼女は私を怪しい宗教に勧誘した。それが実は善意であることを私は知っている。本当に悪意しかない人たちは、この宗教の創設者だけだ。そいつらをこの世から消せればいい。だが、私にはその力がない。彼女はそいつらの嘘を信じ、金をそいつらに貢いでいる。そして、そいつらの嘘をそのまま私に話しているのだろう。彼女は本当に今幸せである。自分の頭で考えないこと。所持しているものを差し出すだけでなくなる不安と得られる安心感。これらの偽物が今の彼女の精神状態を守っているのだ。彼女を不幸にすることは容易い。真実を教えることだ。この世の真実を。


彼女の死体を私の部屋に運んだ。これで私は一人じゃない。彼女もこの時までずっと信じていたものに裏切られて、不幸を味わった。それは私がかつて味わった苦しみと同じだ。私と彼女の死は、私たちからこの世界へのメッセージだ。私たちの出会いは運命であった。これで私はもう一人ではない。彼女の死体を愛おしそうになでて、私は言った。「私のもとに最後に残ってくれたのはあなた一人だけでした。あなたは私の唯一の親友です。」



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