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一瞥
蔑んだ目でこちらを見ていた。
私には何もないはずなのに
冷たく、月のような視線が突き刺さった。
蔑んだ声が聞こえた。
障がい者は近寄るなと
障がいという世間体に甘えるなと。
知らない影が思っていない事を口々に
便乗しか出来ない知人が共感をしていた
世間体という名の糸に操られた人間が。
決意が私を動かした。
表情が私を覗き込んでいた。
哲学が彼を刺した。
目を奪うほどに気持ちの悪い死体が
何かを言いたそうにしている
蔑んだ目で見た。
蔑んだ声を放った。
田舎の住宅の中であった。
その家には明るくも悲しいジャズが流れていた。
気怠げに。血を照らすように。




