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喫茶店
異質な雰囲気だけを残し、立ち去った喫茶店は
街の全てを見て育った。
76.9℃の珈琲さえも甘く、世間体という名の口に合わなかっ
た。
賑わった声も、楽しそうに話す子どもの笑い声もサラリーマンの忙しそうな靴の音も、携帯電話の着信音も世間体に潰され、全てを迎えた。
夜を迎えると店主夫婦の話し声が聞こえる
その声は空虚へと姿を変え、孤独な海、荒波へと封じられ
名物であったパフェも哀しみに崩れてしまった。
終わりはいつも突然
でもそれが世の中。
姿は残し
中ではランプシェードが明るく光り、蓄音機からはクラシックが流れるだけだった。
必死に涙を飲んだ。




