表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/40

夜襲

 ルイスがユーバンクの館にやってきた日の夜、警戒し館の周囲に意識を向けていたルイスは、異変を感じ飛び跳ねるように立ち上がった。ユーバンクにかけた魔法は発動していない。しかし、何か悍ましく強大な力が屋敷を囲んでいるように感じ、咄嗟にユーバンクの寝室に駆け入る。


「光よ!」


 ルイスは魔法で光の玉を作り出した。スイカほどの大きさを持つ光球は、部屋の中を隅々まで照らす。寝台の影や机の影ができるが、部屋に充満していた闇は強い光によって隅に追いやられた。


「ど、どうしました。殿下」

「嫌な予感がする。伯爵、しっかりと起きてください」

「は、はい!」


 ルイスに起こされたユーバンクは屋敷を取り囲む異変に気づかず、寝ぼけ眼で応対したが、言葉に若干の剣が宿るルイスの気に当てられ、一瞬で意識を起こされたようで、寝台から飛び降りルイスの近くに身を寄せる。


「襲撃ですか?」

「まだわからない。だけど、とても嫌な予感がするんだ──っ!?」


 ルイスが答えた直後、寝台の下から闇色の影が飛び出した。先端が尖った影はユーバンクの背中目掛け一直線に進んでいる。


「はぁっ!」


 影が刺さる直前。ルイスは剣を抜き、ユーバンクの体を手前に引きながら影を弾いた。剣によって防がれた闇は、役目を失い溶けるように消えていく。


「伯爵、影には近づかないように」


 ルイスは言いながら、自身とユーバンクに魔法をかける。光の魔法が二人の体を包み、人間電灯とでも呼ぶべきか、二人の体が淡く発光する。


「これで足元に影はできません」

「なんて繊細な魔力操作。それに魔力量も尋常じゃない……」


 ルイスの力量に慄くユーバンクだが、傍にいるルイスはそれどころではない。第二、第三の刃が連続で二人を襲う。


「ここは狭すぎる。外に出ます!」

「のわぁっ!?」


 部屋の中には物が多く、物の数だけ影が生まれている。距離も近く素早い影の動きにいずれついていけなくなる。

 部屋の中で剣を振り回すルイスは、不利な状況を打開するため、ユーバンクを抱え窓から飛び出した。ガラスと共に屋敷の前庭に着地しユーバンクを地面に降ろす。


 庭に遮蔽物はなく、ルイスの光球が周囲を広く照らし半径三〇メートルの空間を強い光が支配する。いかに素早い影の刃といえど、これだけ距離が開けばルイスに対処できないはずがない。


「姿を現せ、闇魔法の使い手よ! 貴様の手は封じた!」


 戦闘の中で敵の位置を見つけ出したルイスは、屋敷の上を睨みながら声を発する。ルイスが小さな光球を屋根上目掛けて飛ばすと、襲撃者の姿が二人の前に晒された。

 吸い込まれそうなほどに暗い闇色の外套を羽織った襲撃者。光がなければ夜の闇に完全に紛れてしまうほどに黒い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ