プロローグ:突然見つかった手紙、そこには誰も知らなかった重大な話が書かれていて
小説を書くのはなんだか楽しいな。筆者はそう思いながらこの小説を書いていました。なかなか物語が難しく筆者自身もよくわからなくなることも多々ありました。けど頑張って書きました。
よろしければ、感想、評価、よろしくお願いします。
桜の花が散り始めてきた今、私は静岡県の外れにある喫茶店にいる。
「店主、コーヒー一杯」
「おやおやいつもと変わりませんね」
「歴史の研究は進んでますか?」
「まぁ少しは...」
俺はマスターとの何気ない会話を楽しんでいた。
『そういえばさ、新しく発見された手紙って知ってる?』
『えっ、何それ知らなーい?』
『徳川慶喜が書いた遺言らしいよ』
『すごっ!』
『日本の歴史学者の人が見つけたらしいよ』
店の隅のテーブル席で子供たちが会話を楽しんでいた。
そう、それを見つけたのが私だ。
「佐野さんどうされました?」
「あっ、あぁすいません」
「なんかあったんですか?」
「いや、隅で会話してる子供たちの話に驚いて...」
「具体的にどんなところが?」
「まだ幼いのにそこまで知ってるなんてすごいなって思って」
「そうですね」
しかし人々はまだ知らない、汐ノ宮一之介彼の存在を...そして、第一次世界大戦よりも前に戦争になりかけていたことを...
マスターはただ静かに笑っていた。
すると店の入り口から一人の少年が現れた。
「よっ!おっさん!」
「久しぶり」
その少年とはよく歴史の話で盛り上がる仲だった。
「おじさん今日もなんか面白い話ある?」
そうだなぁ...俺は少し考え込んだ。
この機会だし、汐ノ宮一之介という男の話をしておくのも間違ってはいないのだろう。
「わかった、じゃぁ今日は汐ノ宮一之介っていう人を紹介するね」
「え?誰それ?」
「一時期は大活躍した人だよ」
「へぇ~そうなんだぁ~」
「うん、まぁ簡単に言えば日本を変えた男かな……」
「へぇ~すごいじゃん!」
「でもなぁ〜日本を変えるために死んだんだよねぇ〜。命を懸けてでも日本を守るとか言っちゃってさ...」
「うそぉ!?日本を守った英雄なのに死んじゃったの!?」
「まぁね……」
「なんで?」
「それは……」
彼は素晴らしい人物であった。しかし最後の死について彼に話してもいいのだろうか...
俺にはわからなかった。
「わかった、じゃあ話を聞いてくれるか」
「もちろんだよ!!」
1860年、 日本はアメリカ、ロシア、中国といった国々と戦争を行おうとしていた。 もちろん1914年には、第一次世界大戦へと突き進むのだがその前に一度戦争をやりかけていたのだ。
当然日本の中では賛否の声が出ていた。
当時の日本は江戸時代ということもあり兵力は少なかった。
そのため列強諸国とまともに戦っても勝てるはずがなかったのだ。
そしてもう一つ理由があった。
当時の幕府の中には『開国派』と『攘夷派』に分かれていた。
開国派は、欧米の文化を取り入れようという考えを持った人たちだ。一方攘夷派は、日本の文化を守るために外国とは戦うべきだという考え方を持つ人たちである。
そんな中、日本を変えようと動き出した人物がいた。
それが、徳川幕府の老中であり、御三家の一つである水戸徳川家の嫡男、徳川斉昭であった。
彼は、攘夷派の大名たちに、『攘夷を行うべし』と訴えかけた。
しかし、水戸藩の中でも攘夷派と開国派が対立しておりなかなかうまくはいかなかった。
そんなある日、日本の幕府は、あるニュースを見た。
それは、イギリスがフランスに対して宣戦布告をしたというものだった。
イギリスは、オランダを通じて、日本に『対仏大同盟に参加しないか?』という内容の手紙を送ってきていたのだ。
それに対して、攘夷派は『日本は西洋国と戦うべきではない!』という意見を出していた。
そんなとき、事件が起こった。
井伊直弼という人物が桜田門外にて暗殺されたのだ。
井伊は、日本の歴史において、重要な人物であることは間違いない。
その人物が暗殺されるという事件が起こったことにより、攘夷派は勢いづいた。
しかし、ここで一つ問題が発生した。
『将軍継嗣騒動』である。
この事件は、簡単に言うならば、次期将軍の候補となった徳川慶喜の弟が、井伊直弼を殺した犯人として捕まったという話である。
つまり、次期将軍に一番近い位置にいたはずの人が殺したわけなのだ。
これにより、徳川幕府の威信は大きく落ちた。
そこで、徳川斉昭は考えた。
このままではまずい!と……
彼は、すぐに動いた。
『尊皇攘夷』という言葉を使って、諸大名に開国を促した。
しかし、この政策は失敗に終わる。
なぜなら、この行動により諸外国から目をつけられたからだ。
それに気づいたのは、薩摩藩主島津茂久だった。
薩摩藩主は、イギリスに使者を送った。
そして、イギリスと手を組むことを選んだ。
こうして、日本は二つの陣営に分かれていくことになった。
一方の攘夷派もただ手をこまねいていたわけではない。
水戸藩は、独自にイギリスと接触した。
しかし、イギリスの反応は冷たかった。
彼らは、日本を植民地にしようと思っていたからである。
それでも、諦めない者たちがいた。
それが、水戸徳川家の家臣たちだった。
彼らの中に、水戸家第一の忠臣と言われる、藤田東湖という男がいる。
彼も、斉昭公の考えに賛同し、イギリスとの友好関係を築くために尽力してきた人物だった。
彼の活躍もあり、なんとかイギリスとの条約を結ぶことができた。
また、斉昭公は、外国の脅威に対抗するための武器の開発にも力を入れていた。
彼の作った兵器は、後に『ミニエー銃』と呼ばれることになる。
そのころ汐ノ宮一之介は、『ミニエー銃』の強化実験を行っていた。
なかなか成功しなかったが彼はあきらめてもいなかった。
そして、この物語は、この三人によって動かされることになる。
面白かったでしょうか?次回は第一話になります。
小説家になろうというサイトの存在に筆者はものすごく感動しています。自分の書いた小説を世の人に知ってもらえる、そのことのありがたみを改めて感じました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
この小説を読んでくださった方に素敵な出会いがありますよう願っています。