第一話‐10話
学園都市エデンでの日々が始まる。
それは兄妹にとっての、新たなる世界への一歩だった。
10
マーリンって名前の男が、あたしを指導する係、というか力の使い方を指導してくれる人らしい。
見た目はイケメンなのは、ラッキーな出来事で、あたしはすぐに黒いローブを着た、彼の笑顔に癒されてしまった。
でもその笑顔が罠だった。
まず最初にやらされたことは、空中に浮遊すること。そんなの、できるかぁ!
大声でそう叫びたかったけど、そこは抑えて、目を閉じて自分の中にある光を掴むようにすると、自然と力が放出されて、浮遊できる、らしいのだが、あたしがそんな芸当がすぐにできるはずもない。
目を閉じたところまではよかったけれど、光は確かに見えるのに、それを掴めない。イメージできない。
それにこの訓練はすごく集中力を使うから、一度やっただけで、ダッシュしたように疲れた。
石畳の柱が何本も立っている白い壁の部屋。天井からは太陽のような心地いい光が入ってきているけど、あの洋館のどこにこんな大きな部屋があるのか、とツッコミたくなるほど、広い部屋で、あたしとマーリンは訓練をしていた。
石畳の床にあたしは力尽きて倒れると、マーリンはにこやかなイケメンの顔を近づけてきた。
「訓練はまだ終わっていませんよ。休む暇はありません。さあ、お立ちなさい」
イケメンは厳しかった。
どのぐらいの時間をそれから費やしたのだろうか?
なんとなくイメージで光をあたしの中の腕がつかめるようになった時、気付くとあたしの体は空中に浮遊していた。
「え、嘘でしょ」
驚いているあたしに、イケメンはにこやかに、
「それが基本です。基本を覚えたら、あとは成長するだけです」
って言ってきた。成長するだけって言われても、と思った時、あたしは気付かなかったけど、床が激しい音と共に揺れたらしい。
マーリンはイケメン笑顔から急にまじめな、目のくっきりした顔になると、部屋の入口にある黄金の扉を見つめていた。
あたしも視線をそっちに向けると、ジャンヌが緊張した顔で入ってきた。
「襲撃です。メサイア様の訓練状況は?」
緊張した声のジャンヌを見て、あたしですら何かが起こったことを感じてた。
「基本はつかめました。実践もいけると思います」
イケメンの突然の言葉に、あたしは、えって声を上げたと思ったけど、あまりに驚いたせいか、声は出ていなかったらしい。
「悪魔の襲撃です。お願いします、わたし達を救ってください」
ジャンヌのハッキリとした言葉を聞いて、断るわけにもいかないし、あたしは選ばれた者としての責任を果たすために、頷いた。
第一章10へ続く
久しぶりの投稿になります。
途中下車していた世界なのですが、毎週更新予定ですので、よろしくお願いします。




