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「あっるぇぇー??なんで私生きてるの?」
『思い出しましたか?』
「はい。それでなぜ謝ったのです?
確かに私は死んでしまいましたが神様が関わってるとは思えないんですが·····」
『すみません。説明しますね。
実はあなたは元々地球とは違う世界に生まれる予定だったのです。
なぜかと言うと地球人の肉体ではその魂は耐えられなくなってしまうからです。
だから別世界のなるべく頑丈な種族に生まれさせる予定だったのですが·····どうやら不具合で地球に魂が落ちてしまったのです。
そして元々死産の予定だったあなたのご両親の子供に魂が入り込んでしまったらしいのです。
最初の方は私が抑えていましたが流石に成長されてからなかなか抑えが効かなくなって肉体が弱体化を初めてしまいました。
結果としてあなたは殴られただけで死んでしまったのです。
本当にもうしわけない!!』
「はぁ·····それで私はどうなるんです?」
『ゆ、許して頂けるのですか?』
「んー、まあ幼馴染を残してきたのが気がかりではありますが未練がある程必死に生きてた訳では無いですし。
趣味と言っても料理や裁縫などでしたのでね。
料理の研究はひと段落着いたところですし。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。良かったぁぁ!」
「ん?あれれ?キャラ変わりました?」
「ん?いんや、こっちが素よ。
あれは神として威厳を保つためにしていた声だし。」
「あれれ?いいんですか?威厳保てなくなりますよ?」
「いいのよ別に。あなたこれからこっち側になるんだし。」
「ん?こっち側とは?」
「そのまんまよ。あなた神にならない?」
「·····。まじですか?」
「マジもまじよ。あなたをこれから転生させるのだけどあなたの魂、苦痛にまみれて死んだせいでまたひとつもふたつも成長しちゃってるのよ。だから人類やその他の種族にも転生させられないのよ。」
「えぇ·····。じゃあこのままこの神界(?)に居なきゃならんのですか?」
「いいや、あなたは現人神として地に降りてもらうわ。魔界でも人界でも天界でもいいわよ。」
「天界は分かるんですが魔界もいいんですか?」
「別に構わないわよ。天界に住んでいる種族を天使族、魔界に住んでいる種族を、悪魔族と読んでるだけだしね。」
「へぇー、そうなんすね。
あれ?じゃあ魔王の手下とか邪神の手下とかでは無いんですね?」
「あー、そういうのはないわよ。まず常識として言っておくわね。あなたこっち側になるんだし。
邪神や善神って言うのは人類にとって司っているものの善し悪しで決まるのよ。私達にとってはただの同僚でしかないわ。
だから別に悪いことをしたから邪神とかそういう訳では無いのよ。
それで邪神側に仕えていた者を悪魔と善神側に仕えていた者を天使と呼ぶのよ。
それを模して作られた種族が悪魔族と天使族よ。
元々悪魔や天使ってそれぞれ神が気に入ったものを任命してなるものよ。」
「へぇー、そうなんすか。
じゃあよくある邪神を倒して!とか言うテンプレはないんですね。」
「ないわよそんなの。って言うかあなた達の世界に広まっている異世界転生物のストーリーって最初に書いたのは転生者よ?」
「えっ!?そうなんですか!?」
「そうよ。その人は転生しても前世の記憶が残ってしまったパターンね。たまにあるのよ。
これもまあ不具合と言えるわね。
そこまで影響ないから大丈夫だけど。
結構地球以外の異世界は転生者っているのよ?
魔法が蔓延る世界ですもの。
転生くらいありえるのではないか?というのが異世界のものの見方ね。
あなた達の世界は唯一と言っていい神が関わっておらず精霊やマナもない世界だから科学で証明できないものは信じないのよね。」
「そうですね。みんなちゃんと説明できないものは信用しませんしね。」
「まあ、異世界でも普通はそうなのよ。
でも魔法に関してはそういうこともあるという見方のものが多いし、そもそも転生の魔法があったしね。」
「あったんですか!?」
「あったわよ。まあ滅んだけれども。」
「ん?滅んだんですか?」
「まあね。昔あなたほどではないけど現人神となれる魂の器を持つものがいたのよ。
でも人類寄りの考え方が抜けなかった。
だから人類を守るために部下を作り組織を作り魔物から守っていたわ。
でもある時下級の方である部下が人類と力を合わせそのものを裏切ったわ。
そして彼は何人もの部下や今まで守ってきたものを葬った。
神の考え方なら大丈夫だったんでしょうけど彼は人だった頃の名残が強すぎた。
だから私に言ってきたのよ。終わらせてくれと。
このままでは心が壊れてしまうと。
神を壊せるものは私の他にはいないわ。
だから私は彼の要求をのんだのよ。
その頃多くの魔法が失われたわ。」
「あー·····。なるほどです。
つまり人類の自業自得で弱体化したってわけですね。その人は可哀想だけどそれ以外はいい気味です。」
「ふふっ、あなたやっぱり神よりね。
良かったわ。彼みたいなのを増やさなくて済みそうです。じゃあ転生させるわよ。現人神だからなにかの種族になるでしょう。実際は人から神になる時はまがい物の体を与え地上におろし試験するのだけどあなたの魂に耐えられるものがないからね。だからしばらく神界の私の元で力の制御を学んでもらうわよ。あと曲がりなりにも神になるのだからなにか司ることになるわよ。何を司りたいか祈っておきなさい。
多少は影響されるでしょう。
最適化が入るからそこに横になってなさい。」
「あっ、早速ですか。わかりましたー。
それにしても最適化ですか。」
「そうよ。どんなものでも進化する時に最適化が入るわ。
1番わかりやすいのは昆虫かしら。
幼虫からサナギ、そして成虫へと進化するでしょ。」
「あー。つまり最適化とはサナギみたいなもんですか。大人しく寝てますね。」
「そういうことよ。ではしばらくおやすみなさい」
「はぃ·····おやすみなさい·····。」
(んー、種族があると言ってたよなー。どうせなら最強の種族とかがいいよなー。吸血鬼とかロマンだよねー。司る、か。やっぱり時空じゃね?かっこいいし強そうだし。神かー女神とかになっちゃうのかな?テンプレは美少女女神だよね·····。)
「ん?始まったわね。なになに?
種族はっと、吸血鬼ね。いいじゃないの。
時空と陰陽を司る神!?やばいわね。ほんとに力を制御させなきゃ下手したら星が壊れるわよ。
吸血鬼の神祖になるのだから陽と夜を司るのは分かるわよ。でも時空って·····。あーあーあーこりゃやばいわね。神の中でも強いそれぞれの世界で創造神と呼ばれているものたち、余裕で越しちゃってるわよ。
私の次に強い神ね。私との力の差はありすぎるのは当たり前だけど·····。
私以外だと勝つのは無理ね。まあこの子なら大丈夫か。性格も神よりだしね。」
こうして元人間齋藤真昼は転生を果たした。
読んでいただきありがとうございました。