表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
dark month  作者: れーさん
1/2

語られる過去


そこは緑豊かな森の中

リスや小鳥達の柔らかな声が響き渡っている

木々の隙間から光がさしている所にある古い家

そこに歳若い白髪の母と

黒髪のまだ幼い少年がいた


「エイッエイッ!」


柔らかな光が差し込める庭で

子供が棒切れを振るっている


「あら、今日も剣の稽古してるの?元気ね」


家の中から母が子供の様子を見に出て来た


「あ、ママ!うん!僕、ママみたいに立派な狩人になるのが夢だもん!」


「ふふっアデンも男の子ねぇ。でも忘れてはいけませんよ?」


「狩りに呑まれてはいけない。自分に呑まれてはいけない。でしょ?」


アデンは教えを覚えていた事を自慢げに言った


「そうよ。もし、あの悪夢が、また世界を覆うような事が起これば、貴方は人を守る為に狩るの、お父さんのようにね」


「.....僕嫌だよ...パパみたいにはなりたくないょ!」


「...アデン、前にも話したけど...」


「だってパパは狩りに呑まれたじゃないか!だから僕もママも人里離れたこんな所で...パパは強くなんかない!パパなんて...!」


「...アデン」


しばらくの沈黙の中

風だけが吹き抜けていく


「時が来たのかも知れないわね」


「ぇ...?」


「パパが何故、悪夢に囚われてしまったのか...貴方も、もう知っても良いのかも知れないわね.....良いでしょう。アデン。こっちに来なさい」


「...うん」


親子は家の中に入り

使い古した椅子に腰掛ける

ロウソクに火を付けると

部屋の中は薄明るく光った


「....ママ?」


いつも明るく、笑顔の絶えない母の

難しそうな顔を見て、少し動揺するアデン


「...私達3人が出会ったのは、獣の臭いが立ち込める、長い夜の事だった...」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ