寝れないわたし
簡単に寝られるならあなたはどんなに幸せだったのだろう。そんなことを噛みしめる。わたしは確かにあのとき幸せだった。
就寝。それから五時間。十二時からだからもう五時。これぐらいならまあ夜更かししすぎって防犯ブザーなるぐらいですむんだけど。どうやらわたし寝る気配なし。眠たいんですよ。でも寝れない。もしまたあのせかいに囚われるなら。そう考えると。
「はあー」
もうなんだかなってかんじ。怖いんだから仕方ない。ほんとうのことだから。でも逃げていない? わたし。できるしべつに逃げなくてもいい事案かもなのに。そっちのほうが楽だからって。逃げていない?わたし。そう考えていると寝れないってこと以上にキリキリ。しんどくなってきた。もうすぐしたら目覚まし時計も鳴るのに。なんかもういやいやだ。
「はあー」
もういやだ。そうおもう。いやなわたし。かんたんなこと。単純なはなし。寝る。寝ればいいだけ。そうなんだ。寝ればいいだけなのに。眠たいしいいゆめみられるよ だから ね。
でも、それでも怖いんです。わたし。もう無理。あんな思いするの。ずっとわからなくなるなんて。そんなの。
ジリジリジリジリ~~~
目覚まし。止める。わたしの手で。あまりうるさいからすぐに。もう6時、とりさんの時間だ。
「もういやになっちゃう」
おそとはすこしさむい。冷えちゃうね。
「たまごもってきたよ」
とりさん
「ありがとうです」
「へーい」
たまごいっこいただきます。
「それにしても どうしたんだい そのかお 夜更かしってやつか」
「そういうところ」
「大概にしとけよ」
そういってとりさんとんでった。
あさごはんもとくにすすまずただ口の中へ。
「あんたお残しはいけませんってあれほどいってるのに」
「いってきます」
わたしはなんでそとを歩いているんだろう? よくわかんない。あ、そうだ。眠たいんだよね。眠たくて眠たくて。でも寝れなくて。
「寝たいなー」
街。確かに存在している。わたし生きてるし。街もあるよね? たしかに。耳を当てる。壁。街の壁。音が聴こえるかというと聴こえず。ただ冷ややかにわたしに温度を示して。
(冷たいなー)
それが街なのかもしれない。
ああこけた。ちょっとしたでこぼこ。街に発生した。なんてことない普通の。こけるなんてどじっこぐらい。
「わたしってどじっこだったんだ」
ベンチでわたしは横になる。眠りたい。まどろみたい。でも日はさしてないし。寝ることはできず
「ただ休憩してるだけじゃん」
わたしは街で眠れない。呪い。わたしにかかった呪い。いや昔からの。結局いつまでもわたしは呪われてる。だめなこなのだ。どうやっても。どうしても。
「いやだねわたし」




