表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崩壊  作者: かたち
目玉焼き
13/22

寝れないわたし

 簡単に寝られるならあなたはどんなに幸せだったのだろう。そんなことを噛みしめる。わたしは確かにあのとき幸せだった。

 就寝。それから五時間。十二時からだからもう五時。これぐらいならまあ夜更かししすぎって防犯ブザーなるぐらいですむんだけど。どうやらわたし寝る気配なし。眠たいんですよ。でも寝れない。もしまたあのせかいに囚われるなら。そう考えると。

「はあー」

 もうなんだかなってかんじ。怖いんだから仕方ない。ほんとうのことだから。でも逃げていない? わたし。できるしべつに逃げなくてもいい事案かもなのに。そっちのほうが楽だからって。逃げていない?わたし。そう考えていると寝れないってこと以上にキリキリ。しんどくなってきた。もうすぐしたら目覚まし時計も鳴るのに。なんかもういやいやだ。

「はあー」

 もういやだ。そうおもう。いやなわたし。かんたんなこと。単純なはなし。寝る。寝ればいいだけ。そうなんだ。寝ればいいだけなのに。眠たいしいいゆめみられるよ だから ね。

 でも、それでも怖いんです。わたし。もう無理。あんな思いするの。ずっとわからなくなるなんて。そんなの。


ジリジリジリジリ~~~

 目覚まし。止める。わたしの手で。あまりうるさいからすぐに。もう6時、とりさんの時間だ。

「もういやになっちゃう」


おそとはすこしさむい。冷えちゃうね。

「たまごもってきたよ」

とりさん

「ありがとうです」

「へーい」

たまごいっこいただきます。

「それにしても どうしたんだい そのかお 夜更かしってやつか」

「そういうところ」

「大概にしとけよ」

 そういってとりさんとんでった。


 あさごはんもとくにすすまずただ口の中へ。

「あんたお残しはいけませんってあれほどいってるのに」

「いってきます」


 わたしはなんでそとを歩いているんだろう? よくわかんない。あ、そうだ。眠たいんだよね。眠たくて眠たくて。でも寝れなくて。

「寝たいなー」


 街。確かに存在している。わたし生きてるし。街もあるよね? たしかに。耳を当てる。壁。街の壁。音が聴こえるかというと聴こえず。ただ冷ややかにわたしに温度を示して。

(冷たいなー)

 それが街なのかもしれない。


ああこけた。ちょっとしたでこぼこ。街に発生した。なんてことない普通の。こけるなんてどじっこぐらい。

「わたしってどじっこだったんだ」


ベンチでわたしは横になる。眠りたい。まどろみたい。でも日はさしてないし。寝ることはできず

「ただ休憩してるだけじゃん」


わたしは街で眠れない。呪い。わたしにかかった呪い。いや昔からの。結局いつまでもわたしは呪われてる。だめなこなのだ。どうやっても。どうしても。

「いやだねわたし」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ