表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気づかない内にそこだけ別世界  作者: あちゃま
第3章 最強の探索
40/50

現実:ガチャの成果

俺は昔から運が良かった。


懸賞サイトや懸賞ハガキは当たりを連発するし、商店街のくじ引きやガラポンでも良い景品が当たる事も頻繁にある。一番嬉しかったのは商店街の商品券5万円分、これで当時欲しかったゲームやらお菓子やらを大人買いしてやろうと意気込んだものだ。


……もちろん親に奪われたけどさ。


さて、俺が何故そんな昔の事を思い出しているかと言うと、数々の武勇伝を持っている俺の運が今回もその威力を遺憾なく発揮されたからだ。


DANGEONE MAKEで新たに実装されたガチャという機能。そこから出る道具アイテムは俺のコレクション魂を刺激し、有り余るDPダンジョンポイントを湯水の如く消化させていった。

十連一回1000ポイントという初心者にはかなりハードルの高いものだったが、中堅にもなった俺にとっては最早気にするような量のDPダンジョンポイントではない。


当初決めた通りとりあえず100回は引こうと途中から出た道具アイテムの確認すらせず、兎に角引きに引きまくった。

その結果出た道具アイテムの中でも俺の当初の目的に合ったものがこれだ。


レア度5(☆☆☆☆☆)

魔法剣レーヴァテイン

黄金盾オハンのたて

医療杖アスクレピオス

万能靴ロキのくつ

八尺瓊勾玉やさかにのまがたま

沢瀉おもだかシリーズ


完璧だ、完璧すぎる。全てレア度最高の☆☆☆☆☆であり攻撃力や防御力に様々な補正が掛かっているからこそ、元々のステータスも相まって非常に強いモンスターとなった。……俺が。


そして全てを装備した状態の俺がこれ。


種族名:迷宮主ダンジョンマスターかめ

ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

レベル:1(100)

HPヒットポイント:300(1500)

MPマジックポント:300(1500)

攻撃力:20(100)+50

防御力:20(100)+85

知力:20(100)+35

速さ:20(100)+35

運:20(100)


装備品

頭:沢瀉おもだか兜(10)

身体:沢瀉おもだか鎧 (25)

足: 沢瀉おもだか脛当(10)

右手:『戦闘時のみ魔法剣レーヴァテイン

左手:『戦闘時のみ黄金盾オハンのたて

靴:万能靴ロキのくつ(35)

武器:魔法剣レーヴァテイン(50)

盾:黄金盾オハンのたて(45)

装飾品:八尺瓊勾玉やさかにのまがたま(35)


防御力が凄まじい程にインフレを起こしている気もしなくはないが、それでも当初の目的を考えるならばこれくらいは当然だろう。


100層にいるボス設定の悪魔デビルの防御力が35だからレベル1の状態で単純に3倍の防御力を持っている事になる。

これくらい高い防御力を持っていればそう簡単にはやられない。


他にも数々のレア度4の装備を手に入れたからその多くをボス設定されているモンスターに装備させて強化を図る。途中絶対に通過しなくてはならないボスが強化されていればその分侵入者となっている冒険者の戦力をそぐことが出来るからだ。


このゲームでは一回の戦闘が終われば体力となるHPが全回復するなどと言う設定は存在しない。

もちろん途中に設けられているセーフエリアで過ごした冒険者の体力は回復されてはいるが、それでも全快と言うわけにはいかない。しかもこれは個人的な感想なのだが、どうやら冒険者によっても回復する量には差があるようで良く回復する奴もいれば、あまり回復しない奴もいるよう。


推測にはなるが、どうやらこれは運営だけが知っている隠しパラメータが関係しているのではないかと考えている。


多くのシリーズを出しているポケットに入っているモンスターにも努力値と言う隠しパラメータが存在する。もちろんインターネットで調べれば分かってしまうのだが、今やっているDANGEONE MAKEは調べても分からない。だから推測の域を出ない。

でも経験則からやはりランクの高い冒険者程回復量が多い。撃退や撃破という難易度という観点からもこれは納得出来る点だ。


徘徊モンスター設定している悪鬼ゴブリン悪豚オークにはそんな高価な武器はもちろん与えず、レア度も☆や☆☆の鉄の剣や皮の盾を与えて僅かながらのステータス丞相に努めている。

だって最初も最初の下層で出て来るモンスターが強かったら心が折れる。リーピーターを多く獲得しなくてはならない迷宮ダンジョン運営において、難易度が格段に上がってしまい心が折れた侵入者がまた来るわけがない。


適度に難しく、適度に易しい。加えてそれなりに報酬が手に入る迷宮ダンジョンを俺は目指しているのだ。……後、俺が痛くなくて怖くない迷宮ダンジョンを。


……あれ?でもダメージは入らなくても痛覚は関係ないから、もしかして痛いのは一緒なのか?鎧の間から剣でグリグリとか?……うわーもしかしてミスった?痛覚設定オフとか、ないかな。






大量にガチャを引いた翌日、恒例というか定期的とも言えるイベントである迷宮ダンジョンバトルが運営によって開催される事に決まった。

DANGEONE MAKEではこの迷宮ダンジョンバトルが一か月という期間を使用して行われており、一か月経つとそれまで全ての勝敗記録がリセットされる。


ではこの迷宮ダンジョンバトルとは一体何なのか。その名称を聞いただけでもそれなりに想像は出来るだろうが、迷宮ダンジョンバトルとはゲームをプレイしているプレイヤーが運営している迷宮ダンジョン同士を戦わせるイベントである。


自分が運営している迷宮ダンジョンの全てを開放し迷宮ダンジョンバトルをするのだが、実はこれには問題が一つある。

開催期間というか時間は分かるのだが、直前まで誰と叩くかは分からないのだ。


普通のゲームであれば組合ギルドバトルとかランキングバトルなど様々な名前で介されているであろう、この形態のバトル形式は通常は自分で相手を選択するか事前に分かっているのが普通だろう。

しかしこのDANGEONE MAKEは分からないのだ。


当初この形態でのバトル形式は賛否両論あり、どちらかと言うと否定派の方が多かった。連日来る苦情に流石に運営もヤバイと思ったのか、当初は全てのダンジョンランクがごちゃ混ぜになっていたバトルも次第にランク毎のバトルに変化した。

また新たにダンジョンレベルなどというものも追加され、レベルを33毎の三段階に区分された枠組みまで出来た。


随分と細分化された事により以前よりもバトルが一方的な展開になる事が少なくなったことにより、否定的な意見は随分と減った。だがまだ否定的な意見があったことから、その後バトルに参加するかどうかすら自分で選択できるというプレイヤーへの選択権が登場した。


誰だって自分が作った迷宮ダンジョンが負けるのは嫌だし、蹂躙されていくモンスターを見るのは心臓を締め付けるかのように苦しくなるだろう。だから俺はこの選択権をプレイヤーに与えたのは良い判断だったのだろうと思う。


だが正直、迷宮ダンジョンバトルに参加しないのは馬鹿じゃないかとも思う。いや、それは言い過ぎか。

でもこの迷宮ダンジョンバトルは参加すれば必ず何かしらのイベント専用アイテムが手に入り、負けてもDPダンジョンポイントが少し減るだけで殆どデメリットは無し。

減ったDPダンジョンポイントも余程じゃなければすぐに回復出来るし、マイナスになる事などまず無いのだから。


――――――では俺も準備を始めようか。次の迷宮ダンジョンバトルを少しでも有利に進められるように、万全を期して敵を迎えられるように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ