戦闘文官は平和惚け4
昨日は大変だったよ。
リュケさん大丈夫かなぁ?
「ハア、まあ朝御飯でも食べるか。」
この間の干物焼いて食べようかな。
「おはようございます。」
私が行くと、もうリュケさんは来ていた。
相変わらず早いな。
「おはよう、ラズ。」
いつも通り、たて襟に長袖だからわからないけど
あの下に火傷があるんだよね。
「昨日は、すみません、火傷、大丈夫ですか?」
私は聞いた。
やっぱり痛いんじゃないかな?
だって火傷した方の左腕動かしたとき
顔しかめたし。
「うん、そんなにひどくないしね。」
リュケさんは微笑んだ。
「出来ることがあったら言ってください。」
私がトロ臭かったせいだし。
「残念だな、もし腕がもっと動けば、抱き上げたいって言ったのに。」
リュケさんは微笑んだ。
...油断も隙もないよ。
「そう言う系は御断りします。」
なんで求愛行動につなげるかな。
「利き腕じゃないのも残念だな、お茶とか飲ましてもらえたのに。」
はいはい、お茶ですね。
「砂糖いれますよね。」
私は聞いた。
「うん。」
何か嬉しそうだな。
私はお茶をいれに行った。
「そんなこと、私がしますよ。」
ニノミ事務員が言った。
彼女はそういって保温瓶からお湯を注いだ。
「ありがとう、ニノミさん。」
私、お茶入れるの下手なんだよね。
「ドーリュムさんは甘えすぎです。」
ニノミさんはちょっとイラついてるようだ。
それにしても同じ女かってくらい可愛いな。
ミントグリーンの髪はたて巻きカールだし
青い目は海の色だし。
「私のせいだしね。」
私は言った。
「そんなこと言ってるとつけこまれますよ。」
ニノミさんが言った。
それは嫌だから気をつけるよ。
トレーの中には3人分のお茶が用意されてた。
すごいな、あっという間じゃん。
「リュケさん、ニノミさんがいれてくれたから美味しいですよ。」
私はそういってリュケさんがとりやすいように今日は右側においた。
「飲ませてくれないの?」
リュケさんが言った。
「いやだな、冗談ばっかり。」
本気だろうけどそれでいこう。
「本気なのに。」
リュケさんが言ったけど。
聞こえてませーん
と言うことにします。
「なんで入国管理センターで魔法が発動したんですかね。」
私はお茶をのみながら言った。
グーレラーシャに限らず入国管理センターでは魔法は使えないようにしている。
特に攻撃魔法は。
「どうも、最近では、ムリュフの符のようなものを使用して発動するのが裏社会で出回っているようだよ。」
リュケさんが言った。
わー、厄介だな。
発動ワードを言えば発動するから
入国管理センターの魔法封じじゃ無理なのか。
「魔法を跳ね返せる人はいいな。」
たしかクーシャのお兄さんができるんだよね。
「天鉱合金の割合かな?配合次第で魔法跳ね返せるらしいよ。」
そうなんだ。
明日、ダウリウス様が来るって言ってたし。
相談して剣新調しようかな?
まあ、使う場面がないのが一番だけどね。
明日も平和だといいな。