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覚醒世界のカタルシス  作者: 朝露 壱
第零章 ―Each prologue―
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Episode:0 Prologue

《最近、流行り始めた、いわゆる廃人になる極度のネット中毒による――》

《また昨日、三人の被害者が――》

《原因はいまだ不明で――》


ニュースから、そんな風な報道がされていた。

最近流行っているニュースだ。

ネットの中毒症状によるといわれている、増加する廃人。

私もネットの《ゲーム》をしていて、他人のフリはできないニュースだ。


(・・・気をつけないと)


すると突然パソコンの画面にノイズが走り、瞬間、命が吸い取られるような感覚に襲われた。

視界に移るのは情報と言う波。

吐き気と頭痛がして、私は顔を歪める。

立ちくらみがしてパソコンが置いてある机に手を置くとキーボードが机からおちてガシャン、という音が鳴った。


「ッ・・・」


再び画面を見ると、そこにはノイズ交じりに確かに、誰かの人影が映っていた。

その姿は、何処と無く先ほどまでやっていたゲームの世界の服装に似ていて――。

直後、強い睡魔が襲ってきた。

私は、そのまま意識を暗い闇に落とした。



「・・・」


目を覚ますと、真っ白い天井が眼に入った。


(・・・薬品の匂い)


身体が鉛のように動かない事に気付き、俺は顔を歪める。

腕を見ると、何本かチューブが伸びていた。

口には呼吸器。

しばらくすると入ってきた看護師が大慌てで出て行った。

その直後、何人かの医者と両親が入ってきて、騒がしくなった病室で俺は溜息を吐く。


「×××君。憶えてる?キミが――」


――事故に遭った事。

そんな記憶、探しても見当たらなかった。

その事を医者に言うと、記憶障害と言う物らしかった。

ただ、忘れているのは事故の直前と、それから何故か三年間の記憶。

それ以前の出来事は覚えている。

・・・それより何だか変な夢を見ていた気がする。


(・・・夢、何の夢だっけ)


思い出せない。

少し悩んだ後、俺は考えない事にした。

虚ろな意識の中、両親が俺の身体を抱きしめた。

泣きじゃくる母と父を見て、とりあえず泣き止んで欲しいと思った。


――数日後、俺は無事に退院する事が出来た。


事故の原因の事は両親に聞いても答えてはくれず、俺は諦めて自分の部屋に戻った。

医者に言わせると俺が助かったのは奇跡らしく、似たような患者が何人も居るらしく助かったのは俺くらいらしい。

・・・それで、家に帰った俺は三年間の記憶がすっぽり抜けている事もあって、勉強をしなければならない羽目になってしまい、更にその三年間築きあげた友人関係も白紙に戻った訳で――。

しかも学校までも道がわからず、全て最初から憶えなおしという訳だ。

俺は中学の頃までしか覚えていないが実際は高校1年生だという。

同じ学校にこれまでと同じように行くことになるのだけれど、同じように接するのは無理があるだろう。

俺が記憶障害となったことは担任によってクラス中に知られたようだ。


(・・・めんどくさいな)


両親から三年間の自分を聞くと、どうやら自分は消極的な性格であまり友達を作ろうとしなかったという。

・・・実際、三年前の自分も友人関係においては積極的ではないような気もする。

上着を着て、靴を履いてつま先を地面で突いて履いた。

俺は耳にヘッドフォンをかけて、記憶を失った後始めての高校に向かった。






高校に入ると直ぐに友達(?)が近寄ってきて大丈夫か、だとか大いに騒がれた。

俺は適当に返事をして自分の席だと教えられた席に座る。

勉強は既に入院中にやっておいたお陰か苦戦はするものの何とか進めることは出来た。


「・・・」


クラスメートが遠慮しているのがわかって逆に俺が疲れる。

トイレの場所などまるっきり忘れた俺は場所を聞いて何とか憶えようと何度も繰り返す。


「・・・お前、本当に記憶無いのかよ」

「・・・それ、今日で100回聞かれた」


隣に座るのは中学校同クラスだった堀内正人だった。

が、自分の記憶の顔つきと大分変わっていた為最初は誰だか判らなかった。

俺は屋上で黙々と弁当を食しながら堀内の顔を見る。


「お前本当に整形でもした?」

「する訳ねェだろ。金ねぇし」

「金があったらしてんのかよ」

(そういう問題じゃねぇだろ)


俺は溜息を吐く。


「・・・本当にねぇんだよ。三年間分の記憶。全く憶えてない」

「記憶喪失の奴、俺始めてみた」

「言っておくけど記憶喪失じゃなくて記憶障害だからな」

「・・・じゃーさ。お前、オンラインゲームの事忘れてんの?」

「はぁ?何ソレ?」

「ホレ、コレだよコレ」


そういって手渡されたのは携帯ゲーム機。

ソレは見たことも無い形状で、蓋は付いておらず液晶画面には《オフライン》と表示されていた。


「・・・何ソレ」

「本当に憶えてねぇんだな・・・」

「だから三年間の記憶丸ごと抜けたっつってんだろ」

「この携帯ゲーム機《β(ベータ)》はな!今超流行ってて持ってる人間が居ないくらいなんだよ!お前の家っつぅか部屋にもあっただろ!」

「何でキレてんだよ・・・。あー・・・確かにそんな物あった様な気がする」


俺は退院した後、自分の部屋をもう一度見回った時にその変なゲーム機を見たような気がする。

堀内のは塗装がシルバーだが、俺のはブルーだった気がする。


「二人で一緒に買ったじゃねぇか!」

「だから憶えてねぇんだって・・・」


何度俺は溜息を吐くのだろう。

すると堀内は持っていたノートの一部を破くと何かを書いて俺に渡した。


「コレ!《β(ベータ)》の操作方法とオンラインゲーム《アウローラ・カオス・オンライン》の操作方法と俺のPCアドだから!家帰ったらお前もやれよ!」


そう吐き捨てると堀内は屋上の扉をバンッと思い切り閉めると出て行った。






というわけで、俺は家に帰ると早速そのβ(ベータ)を探して起動してみる。


(起動スイッチはこれか)


起動スイッチを押すと液晶画面に《オンラインゲーム『アウローラ・カオス・オンライン』》と表示された。

俺は堀内の書いた操作方法を見ながらソレに沿って動かしていく。

文字入力はどうやらボタンではなく液晶画面に表示されたキーボードを叩く事で可能らしい。

ようやく開始すると俺はキャラクターを造り始める。

プレイヤーの分身ともなるPCプレイヤーキャラクター

髪型、髪の色、眼の色、年齢、顔の作り、身長、体重。

そして名前――名前は、自分の名前の想夜(そうや)からとって、《ソーヤ》でいいか。

全てを入力し終わって、今度は職業の選択画面に切り替わった。


(・・・普通は職業の選択画面が始めにくるんじゃないのか?・・・まぁいいや)


俺は職業を全て見ていく中で、《おすすめ》と表示された《大剣使い》を見たがどうもしっくり来ない。

俺は大剣使いっていう性格でもないし。

すると最後の方に表示されていた職業が眼に留まった。


(《魔術師(ソウルマジシャン)》・・・?)


魔法使い(メイジ)に似ているようで違う職業だと書かれた職業。

操作方法が難しく、スキルの多さがマイナスとなり、戦闘においてもマイナス点しかほとんど見当たらない職業だ、と書かれていた。

――が、使い慣れればスキルの威力は他の職業と比べ格段に違う為、最強に近いキャラになるらしい。


(・・・まぁいいや、コレで)


俺は決定を押す。

――押した瞬間、頭痛と酷い吐き気が襲って俺はうずくまる。


「・・・何だコレ」


そして、唐突に俺の意識は吸収されるように画面に釘付けになった。

意識が段々と薄れ行く中、液晶画面を見続ける。




――そこにあったのは、黒い、人影だった。

始めましての方は始めまして。

グダグダになると思いますが宜しくお願いします。

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