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神とともに歩む者  作者: mikibo
西国学園編
92/98

南の滅亡1

なんなんだこれは?

いつから、こうなっていたのか……?


そんな言葉が思わず飛び出してしまいそうになる。

いや、心の中では予想していたことである。

それでも、ひどかった。



私は『天羽』で王都の外壁の上に立っていた。


眼下に広がっていたのは、喧噪に満ちた場所ではなく


廃墟のような、寂れきった場所になっていた。


道という道には騎士や冒険者の死体が転がっており、あちらこちらに魔獣や魔術による破壊の惨状がみられる。


ふと目を向けると裏路地を時節、フードを目深にかぶった人が小走りに移動している。

他者とすれ違う際は目を合わせないようにさらに足を速める。


逆に大通りには魔獣が闊歩している。

当然、邪魔するもの……邪魔できるものがいない。


得るものはこれ以上ないと判断した私が帰ろうとした直後。


魔獣が騒ぎ出し、そのあと突然静かになる。



魔人だ。



ヒトの形を取りながら、人ではない何か。

世界の歪みが生み出したもの。


人の感情という不安定な、不確定な物を擁することのできなかった世界の歪み。

それを存在の糧としたもの。

主に負の感情で構成され、さらに負の感情を生み出すことで規模を大きくしていく。


それは誰かが滅しなければ増える一方である。


それはもともと神の仕事であるが、直接介入はほとんどできない。

だから、使徒として動く者たちがいる。


今まで千花が夜な夜な出かけていたのは人に紛れ込んだこの魔人を消すためだ。

現在いまそれができるのは、私以外では神器にかかわった家族(使徒)だけである。

そして、当然戦う力を持つ者。


そうなると、この間に合わない状況は予測されていたことである。


「当然じゃ、圧倒的人員不足じゃよ」

「見つかるわよ」


私の隣に渚がふわりと立つ。


「もう既に見つかっておるじゃろうよ。何せ、神殺しなんじゃからの」

「それもそうね。西に侵攻してきたのは大方、渚のことに気づいていたからだろうし」


夜のとばりの下りた世界に不気味に佇む城。

普段はそんなことはないのだろうけど、魔力の見える私にはただの歪んだものにしか見えない。


やっぱり帰るのはやめた下で待ってる人たちには悪いけど……



「神とともに歩むもの……」



渚を抜く。



「参る!」



魔獣の巣窟へ飛び込んだ。

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