覚醒の時2
すいません、またやらかして、途中で投稿してしまいました
勝手に命を与えておいて勝手にそれを奪い去る。
とても残酷なことである、恨まれても仕方のないことだ。
だがしかし、誰も私を責めることはないだろう。
今も神器を私が扱えていることがその証拠だ。
そして気が付いてしまった。
木と土の神器、それは悠と希の親。
「ごめんなさい」
二人のいない虚空に向かって吐き出される。
「『大地は母なる癒しをつかさどる』」
樹木でできた杖。
「『樹木は躍動する生命を示す』」
先には花が咲いている。
「『命咲ク大樹』」
大地から光があふれる。
この大地に立つものの怪我がすべて癒される。
これは慈悲の日、という記念日になるのだが、これもまた別の話である。
「これでは未来は変わらんよ」
「分かっているわ」
風が吹き抜け塵となったモノを吹き飛ばしていく。
「それでも、この人たちの未来はゼロを超えることができるわ」
可能性が限りなくゼロであっても、ないよりは確実にいいのだから。
「誰も救えない……なんて、私は信じたくないから」
抗い続けると決めたのだから。
「終末の日は来るんじゃよ、おぬしの記憶とともにまた止まっていた時間が動き出したんじゃ」
「終末の日って……何よ?」
服がボロボロになったが傷は癒え、立ち上がることができるようになった美咲が問う。
「後で話すわ、みなさんを集めましょう」
私は死なない。
肉体がという意味ではない。
魂が滅びない、それに付随する記憶もまた滅びることはない。
故に
死なない
永遠を生き続ける存在。
その力は神とともに世界を見て回るために与えられた力。
呪いにも近いものであろう。
友は老い、師は失われ、それでも、変わることのない私。
否、変わることのできない私。
「終末者というのは私の死にたいと思いが生み出した。神殺しの力を持つ存在」
神が死ねば、それに付随する私は力を失い。
死ぬことができるようになる……
「そして、その者が私を殺す日を終末の日と言うんじゃ」
「しかし、その神殺しが神を引き継ぐことになる。魔物を送ってきているのはあいつだ。このまま、あいつが神になれば、遠からず人間という種は滅びるじゃろうな」
はずだったんだ。
「おいおい、それヤバくないか?」
「ヤバいにきまってるわよ」
柚木に美咲の蹴りが入る。
痛そうね。
「で、あなたが女の子性格に馴染んでいるのはどういうことよ?」
「記憶を封じた時の私が女として生まれたからよ」
質問はないようね……頭が追い付いていないというのが正しいかしら。
とりあえず、魔物の大陸に渡るために南に移動しないとね。