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神とともに歩む者  作者: mikibo
国外渡航編
80/98

抵抗

「柚木大丈夫?」

「ああ、視界が揺れているだけだ問題ない」


柚木の体力はついに限界に達したようだ。

かといって、反撃する訳にはいかない。

彼らが攻撃しているのはこちらが教皇を誘拐したからだ。


どうする?


足音が迫ってくる。

そういえば……


「成り行きで逃げていたけど、教皇放せばいいのでは?」


俺の一言が盛大な沈黙を呼び起こす。

柚木以外でも精神に負担がかかっているようだ。

大体、話すことは全部喋ったのだ、今更追われる理由を持って逃げる必要もない。


「これにサインしてくれませんか?」


交換留学生の証明だ。

これを発効して、学校内に逃げることにした。


よしこれでよし……とは、行くはずもないか……。


矢がつがえられる。

来るか!


「後ろです!」


明の声にとっさにしゃがみ転がる。

頭の上を刃が通り、明の円月輪がそれを弾きとばす。


おいおい、すっかり忘れてたぜ。


『記憶だけが唯一のお主の能力じゃろうに』

『こいつらに手紙を盗まれたら失敗か……もうすでに教皇に渡した後だから問題ない』


渚を突きつけようとすると目の前を矢が通過する。


「やりにくい……」


後ろを確認し、小声で百枝に尋ねる。


「3分……」


3分しのげばこちらの勝ちだ。


「私と明がスパイをやる」


おい、ってことは残ったのは……

はあ、また、面倒な役回りだ。


今日、12度めの邂逅。


「おとなしく投降しろ」


もうすでにここまで逃げているのだ。

諦める訳にはいかない。

そもそも、


「今更……」


百枝が俺の言いたかったことを的確に告げる。


「仕方がない、貴様らの命の保証はしないぞ」


いやいや、今まで十分殺しに来てただろ!

それに教皇(人質)まで殺しかかってるってことに気がつけよ!

言葉にならない間に向こうが話を進めていく。


「しかたない」


おいおい、街滅ぼす気かよ……。

つがえられた矢だけでなく、弓も炎をまとっていた。


「この術はあらゆる魔力を無に返す浄化の炎宿したものだ」


そう威圧してくる奴に無言で返す、投降する気などないと。


「そうか、破魔・天葬朱雀」


魔力じゃないから、無に返すことはできないぜ!

渚がホラ吹いてたら死ぬけどな!


『氷魔一吹』ひょうまいっすい


鈴を振り下ろす。

そう、目の前のものすべてが凍った。

そして、拮抗する。


相手の驚愕の表情に溜飲が下がる思いがした。


「3分……」


スパイと戦っている美咲と明に合図する。


美咲の接近戦からナイフ投げによる牽制に変わる。

明は陽炎でこっちまで戻ってきた。


「『氷泉』」


俺も牽制しつつ下がる。

そして、戦闘に参加できない千花のところに集まった。


「帰去浪偽」


これで、教皇を置き去りにして逃げることに成功した。


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