バンデン島
かなり、短いです
あと更新を約半年停止させていただきます。
あとがきにりゆうなどは乗せます。
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潮の香りと蒼い空のある島。
バンデン島は、リゾート都市である。
年中温暖な気温が続き、雨も少なく一年を通して晴れが続く。
とてもすごしやすい所である。
問題点は火山噴火と水不足あって、前者は、神の力によるものであり抑えるのは難しいが、後者に関しては地下水があるので余り問題にはなっていない。
漁業が盛んであり、また、交通の要地でもあることから商業も盛んな為、現地の料理と4国全ての料理をどちらも楽しむことが出来る。
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昼下がりの日差しを浴びつつ
「ふ~ん」
と、ガイドブックのあらすじだけ確認する。
「っていうか、なんでガイドブック買ったんだ?」
「何よ! 料理店を回るのがそんなにいけないこと?」
「ああ、駄目だろ」
俺はガイドブックの地図を指差す。
「32件もどうやって回るんだよ!」
地図に丸がつけてあり、明らかに4時間じゃ回れないのだ。
「ここに滞在する気か?」
「え? 4時間もあったら余裕でしょ?」
まあ、いい。
食費は学校が出すと言ったんだ。
今更、俺が悩む事ではない。
「次の出航まで後4時間なんだから、4時間も余裕はねえぞ」
「何とかなるわよ」
「僕が手続きとか済ませておきます」
「俺は風に当たってくる」
この中で外国へ足を伸ばしたことがあるのは美咲と明だけ。
空魔術の使える柚木は、外交上の理由から外国に行ったことはないらしい。
今、大丈夫なのか?
「全部見て回ろうと考えてはいけません。ここは王都よりも大きいです。確実に1週間はかかります」
「とか、言ってもな。別に見たいものもあるわけないし」
「何言ってるのよ? そんなもの会ったとしても行かせるわけないでしょ。私の足をしなさいよ」
おい!
俺は乗り物じゃねぇぞ!
という言葉は飲み込んでおく。
どうせ言っても無駄だからな。
「人には見られたくない上に、目立つなといわれてるんだぞ?」
「問題ないわ! 雷の速さなら目に留まることもないし、麻奈花さんに聞いて安全な場所も押さえているわ」
絶対、麻奈花は俺のこと笑っていやがるな。
っていうか、そんな無駄な事のために情報網使うなよ。
……もはや、驚くよりも呆れの方が先にたつ。
で、俺は意趣返しをする事にした。
さっきも見せられた地図を見せてもらって全部覚える。
今からやるのは前に学園でもやったあの手である。
美咲の足を払う。
「きゃ!」
そのまま膝の後ろに手を入れて……
「『紫電』、行くぞ」
「ちょっと!」
「いってらしゃいませ」
千花に見送られて……飛んだ。
到着後、殴られたが気にしない。
そして、歩いて店に入る。
……………………入る
…………入る
……入る
……
って、食いすぎだろ!
普段からの美咲で予想していたが……ああ、格が違う。
一つの店に滞在する時間は5分。
食べる量は5人前。
目の前の皿がどんどん空になっていく。
俺はというと、何も食べていない。
っていうか、見てるだけでおなかいっぱいである。
まったく、この量が一体どこに消えるのやら。
『人間の神秘じゃな』
『ちがう、美咲の神秘だ。あんなやつと一緒にされたら人間が可哀想だ』
「なんかいらない事考えたでしょ?」
「いや、何にも。って言うか早く食べろ」
時間が押している……ような気がする。
もう、時計を見る気力すらない。
そうこうしているうちに回り終える。
意外といけたな……。
「いました!」
「おお、千花か」
「『おお、千花か』じゃありません! あと5分で出航ですよ!」
「げ! やっぱり、まずかったじゃねえか!」
「しかたないじゃないの! 伝説の料理人が帰ってきたって聞いたんだもん!」
「だからって、45件も回る必要がどこにある!」
「店の料理がおいしいのが悪いのよ! って言うか早く行きなさいよ!」
「お前のせいで……
やば、もう魔力切れだ!」
どうしたものか。
とりあえず、走る。
「風魔術『加速』!」
「千花、助かる」
補助魔術の力を得て、加速する。
間に合うと良いな。
視線の先の船の帆はもう上がっている。
読んでくださってる方、大変ありがとうございます。
すでに、御存知の方もいるかもしれませんが大学受験のため更新を停止させて頂きます。
大変御迷惑をおかけしますが御了承ください。
また、お目にかかれるように頑張っていきます。
9/9 mikibo