時間割を決めよう
俺たちは図書室の2階の一角にある机に座っている。
「時間割決めたの?」
「あぁ」
月夜に答える。
「僕もできました」
「私もです」
明と千花。
「私って受けられる科目がそんなに無いのよね」
美咲が言う。
「僕は受けたいのがいっぱいなんだけど?」
「悠は無理しないでね。私も多いんですけど」
「じゃあ。みんなに見せときましょうか」
と、言って月夜が紙を出す。
ところで、授業とは1限50分である。
1年生でも3年生の授業へと飛び級することができる。
自分にあったレベルの授業を受けることができるのだ。
また、学科ごとに部屋が分けられているので、同じ部屋にすべての学年が集まる。
それを巨大な部屋の中で、学年ごとに部屋を割り振っているのである。
月夜
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 歴史学 昼 魔術学 政治学 武道学
火曜日 歴史学 政治学 昼 なし 魔術学 理論学
水曜日 魔術学 薬草学 昼 地理学 算術学 神術学
木曜日 算術学 なし 昼 魔術学 なし 論述学
金曜日 なし 算術学 昼 社交学 社交学 なし
土曜日 論述学 算術学 昼 政治学 武道学 神術学
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「まあ、変わらないわ……特に何も無いわね」
「あぁ」
「次は私ね」
一応、護衛もかねて、同じ授業を月夜とかぶせている。
美咲
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 神術学 昼 なし 政治学 武道学
火曜日 なし 政治学 昼 なし なし 理論学
水曜日 なし 薬草学 昼 なし なし 神術学
木曜日 なし なし 昼 なし なし なし
金曜日 なし なし 昼 戦術学 薬草学 理論学
土曜日 医 学 薬草学 昼 政治学 武道学 神術学
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「見事に治療系が多いな」
「魔術使えないしね」
「政治には興味あるのか?」
「無いけど、一応ね」
ここで、千花から声が上がる。
「木曜は休みなんですね」
「することないっていうのが大きいけどね」
「次は僕ですね」
明
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 歴史学 昼 なし 政治学 武道学
火曜日 歴史学 政治学 昼 刻印学 なし 理論学
水曜日 武道学 薬草学 昼 地理学 設計学 神術学
木曜日 なし なし 昼 なし なし なし
金曜日 工 学 設計学 昼 社交学 社交学 なし
土曜日 論述学 工 学 昼 政治学 武道学 なし
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「お前も木曜は休みか」
「ですね」
「明兄、工学って何なの?」
「物づくりですね。最近は魔道具のコスト削減が主らしいですが」
「へぇ、知らなかった」
「次は私ですね」
千花
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 歴史学 昼 魔術学 政治学 武道学
火曜日 歴史学 政治学 昼 なし 魔術学 理論学
水曜日 魔術学 薬草学 昼 地理学 算術学 なし
木曜日 算術学 なし 昼 魔術学 なし 論述学
金曜日 なし 算術学 昼 社交学 社交学 なし
土曜日 論述学 算術学 昼 政治学 武道学 なし
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「神術以外はなっちゃんと私は一緒みたいね」
「さすがに神術は手を出せないような一家なので……死神ですから」
……死神?
っていうか、どういう関係?
聞かないけど気にはなる。
「次は俺だな」
翔
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 なし なし 昼 魔術学 なし 武道学
火曜日 なし なし 昼 なし 魔術学 理論学
水曜日 魔術学 薬草学 昼 地理学 なし 神術学
木曜日 なし なし 昼 魔術学 なし なし
金曜日 なし なし 昼 なし なし なし
土曜日 なし なし 昼 政治学 武道学 神術学
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「何よ?ぜんぜん受けてないじゃないの」
「だって、面倒だしな」
「でも、あんたなんで神術の授業取ってんのよ?」
「なんとなく」
神術の時間は、護衛をするのが美咲だけになる。
それが不安だとか言ったら、蹴られそうなので適当に言っておく。
「悠、そんなに受けて大丈夫なの?」
「姉ちゃんこそ、そんなに受けて大丈夫?」
二人で見せ合いしているのを、覗く。
悠
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 鑑定学 昼 魔術学 政治学 武道学
火曜日 歴史学 政治学 昼 なし 魔術学 理論学
水曜日 魔術学 なし 昼 地理学 算術学 なし
木曜日 算術学 商 学 昼 魔術学 なし 論述学
金曜日 なし 算術学 昼 社交学 社交学 商 学
土曜日 論述学 算術学 昼 政治学 武道学 なし
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希
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日曜日 なし なし 昼 なし なし なし
月曜日 政治学 鑑定学 昼 魔術学 政治学 武道学
火曜日 歴史学 政治学 昼 なし 魔術学 理論学
水曜日 魔術学 薬草学 昼 地理学 算術学 神術学
木曜日 算術学 商 学 昼 魔術学 なし 論述学
金曜日 なし 算術学 昼 社交学 社交学 商 学
土曜日 論述学 算術学 昼 政治学 武道学 神術学
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「2人とも商学を受けるんですね」
多分、千花が皆が思っていたであろうことを口に出す。
「はい。ギルドの仕事も楽しいですが、両親のことを考えると……」
「大丈夫。探せばいいのよ」
美咲がフォローに入る。
その調子で俺もフォローしてくれよ。
「鑑定学も受けたんですね?」
「はい。受付の仕事をがんばれるように」
……?
明と希のやり取りに疑問を覚える。
「なあ、こんなに受けたら、仕事できるのか?」
「えっと、私の仕事は朝6:00から8:00までと夕方の17:00から19:00と夜20:30から22:00になってるんです」
「なるほど、行きは早くとも10:00からで帰りは遅くとも16:00だから、学校とかぶることも無く夕ご飯の時間も確保されていると……」
結構、考えてるんだな。
料理が下手すぎて、ギルドを一階建てにしてしまったマスターを思い浮かべる。
「みんな、書けたみたいね。提出までは3日あるけど、学校の説明で時間なくなるから注意してって言おうと思ったけど必要なかったみたいね」
さすが先輩。
「で、月夜は何年なんだ?」
「2年よ。去年にようやく家から1人で出る許可をもらったから」
琴音さん
……あなたは過保護です。
「さ、出しに行きましょ」
「ですね」
月夜が椅子から立ち上がり、皆が続く。
図書室を出るときに司書らしき人に言われた。
「次からは談話室を使ってください」
すいません。
って言うかなんで俺に言うんだろう?
いや、たまたまか……。
先に出て行った仲間を追いかける。