少年の受難
視点が時々変わります
ご注意ください
翔が目を開けようとしたとき、「あっ」という声を聞いた。
何か丸いものが口の中に入ったようなと思うと同時に、
「※?■%△○!」
と、自分でも聞き取ることのできない、声にならない悲鳴を上げ、目を開けることのないまま意識は遠くへ飛び立ってしまった。
毒薬か・・・否、ただの気付け薬。
昔の人はこういった。
「良薬は口に苦し。」
残念なことに薬の質が良すぎたのだ、気絶するほどに・・・。
1分前にさかのぼる
少女は、袋から丸薬を取り出して、一個にするか、二個にするか悩んでいた。
薬は、量を決めるのが大変なのである。
少年の体重を、目測で量り、一個にすることに決めた。
そして、薬を飲ませようとしたときに、少年のまぶたが震える。
「あっ」
その時に、少女は薬を落としてしまった。
そう、少年の口の中に・・・。
「こいつが、変なタイミングで起きるのが悪いのよ。」
と、少女は聞く人もいないのに弁解する。
今は天月もいない、少女が呼んでいないからだ。
「やっぱり効果は高いけど味が、まず過ぎるのよね。改良しなくちゃ。」
と、その破壊的な薬を持って改良のために洞窟から出て行った。
すると先ほどまでいなかった天月が、どこからともなく現れて、入り口に居座った。
小一時間して、少年は目覚めた。
あまり気分は良くない。
ずっと、意識を失っていたからだけではないような気がするが、思い出せない。
思い出すのはあきらめて、周りを見渡す。
体にかけられた毛布、たき火の後そのほかには何にもない洞窟である。
「ここは、どこだ。何も思い出せない。どうしてこんな洞窟の中にいるんだ。」
疑問を口に出すが返事はない、なくて当然である、誰もいないのだから。
ふと斜め下を見ると、木の実などがたくさん置いてあった。
誰か別の人のだと考えられるが、体は正直である。
食べて、食べて、食べた。
食べ終わり、あたりを探索しようと外に出る。
そして、洞窟の外に出るとそこにはあの銀狼がいた。
狼の正体はもちろんあれです
一日一回更新するのは短くてもしんどいです。
更新速度が落ちるかもしれませんが
あしからず
2012/01/28 加筆修正