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神とともに歩む者  作者: mikibo
王都外出編
49/98

道中は暇なんです

もしかしたら、大改稿するかもしれませんが、とりあえず完結を目指します。



王城の北にある『王国の礎』の扉を開けようとして止められる。

怪訝そうにこちらを見てくる兵士たち。


「何で、子供がこんなところにいるんだよ」

「そんなこと俺が知ってるわけ無いだろ」

「誰か聞きに行けよ」

「そういうならお前が行けばいいじゃないか」



痺れを切らして、美咲が問う。


「騎士団長に会いたいんだけど」

「ガキがここに来るんじゃねぇよ。とっとと帰りな」

「依頼を受けにきたんだが」


俺が続けて言う。


「ガキの遊びに付き合ってるほど暇じゃねぇんだよ」

「頭の固いあんた達と話しているほど、こっちも暇じゃないのよ!」


美咲が早くもキレかけだって言うか初めから喧嘩腰だろ。

美咲の発している殺気がすごい。


「嬢ちゃんやろうってか?」

「いいわよ!」


向こうも負けじと張り合っている。


扉が内側から開く。

中から出てきたのは、筋肉質な彫りの深い180cmくらいの男。


「騒がしいな!お前ら!何仕事サボってやがる!」

「ガキが来て」

「どうした?お前らは何のようだ?」

「依頼です」

「あれはなかなか厳しいはずなんだがな。ランク表記は?」

「Eですけど」

「『全人の門』じゃ。これは簡単すぎるってか?……まぁ、いい。中へ入れ。」

「隊長!」


「言っとくがな、お前ら?そこの嬢ちゃんは多分、俺より強いぞ」


千花に向かって視線を向ける。

千花は会釈で返すだけ。


「ですが!」

「俺がいいって言ったんだ。文句は聞かん!」


沈黙する。


その隊長に連れられて中に入る。

三階に上り、部屋に入る。


「取り敢えず、座ってくれ」


応接用の椅子に座る。

中にいた冷徹そうな目つきをしたクールな女性がこっちへ来る。


あずさ、客に何か……」

「はい。それから、人前では副隊長と呼んでくださいと申し上げたはずですが?」

「わかった、わかった」


梓と呼ばれた女性はその投げやりな言い方にため息をつきながら出て行く。


下世話なことだが、これはあれだな。

美咲が俺の思っていることを口に出す。


「二人は付き合ってるの?」


ガタン!


なんか外で物音が?


「図星ね……」

「お前が鎌かけられてどうする?」


今度は隊長のため息である。

紅茶をもって入ってきた真っ赤な梓さん。

さっきのクールなお方はどこへ?


「まぁ、それは置いといてだ。俺は団長をやってるれつだ」


---------------------------


   名前:烈

   種族:人族

  ランク:3S

所属ギルド:王国の礎

   戦闘:剣闘士

   備考:騎士団長

      『全天の剣』

            

      


国はこの者がギルドをまとめる

事を認める。


---------------------------


梓さんも見せる。

---------------------------


   名前:梓

   種族:人族

  ランク:2S

所属ギルド:王国の礎

   戦闘:魔術師

   備考:騎士団副長

      『強堅の盾』

      

      


国はこの者がギルドをまとめる

事を認める。


---------------------------


ので、俺たちも見せると


「やはり俺より強いみたいだな。死神の娘さんよ」

「いえいえ、まだまだ若輩者ですので」


畏まってる千花が新鮮だ。

これが美咲だったら、明日は槍が降るだろうけどな。


「今から、出る。道中、説明はしよう」


え?


「今から?」

「不都合でも?」

「無いですが」


必要なものは昨日のうちに準備してある。


「翔が言いたいのは、そちら側の話です。急に行っても大丈夫なのですか?」

「おう、問題ない。俺の部隊をなめるなよ。で、嬢ちゃんはどうするつもりだ?」

「全開にはしないでおきます。士気にもかかわりますから」

「わかった。危ないときは頼むぜ」

「はい」


『ふぁ~、よく寝たのぅ』

『今、起きたのかよ!』

『魔力が切れてしまっていてな。お主と会ったときもなかなかに無理しておったのよ』

『で、いろいろ聞きたいことがあるんだが』

『なんじゃ?』

『俺の魔力の色が見えなくなった原因は?』

『意識すれば見れるじゃろ。神剣によって、それを制御できるようになっただけじゃよ』

『そうか』


即解決、俺の問題かよ。

まぁ、いい。


「どうしたんですか?ボーっとしていますが?」

「ん?いや特に何も。で、何時に出る?」

「12時に南門でどうだ?さすがに、あいつらはよくても、書類上で問題があるし、どうせ待つことになるからな」

「拘束期間は?」

「多めに見積もって10日」


ぎりぎりか、まぁ、間に合うだろ。


「よし、しばらくここにいてもいいか?」

「いいぞ。まぁ、喧嘩はするなよ。面倒だからな」


適当だな。


「止めに入るのはいつも私なんですけどね」


ため息をつく梓さん。

それを横目に下を覗く。


裏には練兵所があり、剣や槍を振っているものが見られる。


「千花、どうだ?」

「え?」

「兵士たちだよ」

「えっと、ですね。大体でいいですか?」

「あぁ」

「あそこの真ん中でやっているのは、赤段。その隣でやっているのも赤。反対側は黄。手前でやっているのは橙。奥の隅でやっているのが緑ですね」

「僕と同じって事ですか」

「今の明さんは、緑の上、青の下ですから。勝てると思います」


あの二週間でか?

恐ろしいな。


「もっとも、青から上は格段にレベル差があるのですけど」


その上のランクである紫の千花……強すぎだろ。


「っていうか、この依頼って正直言って千花だけでもいけるよな?」

「僕が思うに、オークとかミノタウロス以上が出てこないと一秒も持たないですよ」

「大丈夫です。聖布しか使いませんよ?」


それでも十分だと思うんだが……。


体、動かしてくるか。


『主は4つか……先は長いのぅ』

『んなこと言っても、俺は死にたくないからな』

『まぁ、当然じゃな』


と、

話しながら下におりていく。

さっきは気がつかなかったが、奥には酒場もあるらしい。

そして、そこを抜ける。


数百人位が合同演習できそうな広い場所。

端のほうには休んでいる兵士たち。


「……広いな」

「あたりめぇよ。ここはほかのギルドも使うんだからな。この奥には、北の通りの森林を使った演習場もある」


俺の呟きを聞いていたのか、答えが返ってくる。


「どうした?」

「いや、さっきの人たちはいきなり俺を見てガキ扱いしてきたんですよ」

「別に無理する必要ないぜ。こんなおっさんに気を使ってもしょうがないだろ」

「それじゃあ、失礼して。で、どうして?」

「そりゃ、お前さんができるつよいやつだからに決まってんだろうよ」

「買いかぶりだ」


返事は返ってこず、代わりに


「いくぞ」

「え?」

「久しぶりにやりあいたくなってな」

「ん……だが、武器がな」


そう、渚は強すぎる。

普通の剣なら抵抗なく斬れるだろう。


「何を心配しているかは知らんが、問題ない」

「条件は?」

「何でもあり……と言いたい所だが、これからの仕事を考えるとそうも言ってられねぇからな。魔術と気はなしだ」


よし。

純粋な剣技か……。


渚を構える。


「急ぎなさんな。広いとこの方がいいだろ?」

「まあな」


兵士と交渉して空けてもらう。

何者だ?


まぁ、いい。

俺は渚に手を添えて、構える。

向こうも剣を抜いて構える。

剣の大きさは普通、一見するとただのロングソード。

だが、魔力を感じる。

魔剣か。


「王国騎士団第一部隊隊長、涼」

「『全人の門』所属、翔」


つられて名乗る。

ならば、最後まで


「「参る」」


地面を蹴る。

一気に加速。


衝突の際に生じた澄んだ音に周りの視線が集まる。


「魔力なしでその速度は末恐ろしいなぁ、まったく」


俺はもう次の動作に入っている。


また、甲高い音。


「腕試しはすんだか?」

「小手調べって言うんですよ」


間合いを取る。

刀は斬るもの。

間合いが近すぎれば斬ることはかなわない。


まぁ……渚はその限りではないんだがな!


切り下げ、切り上げる。


相手は一太刀目を一歩下がってかわし、切り上げを踏み込んで押さえに来る。

ここぞとばかりに振ってくる剣を後ろに下がってよける。


弾き弾かれる一進一退。


強い。


いつの間にか周りでは剣戟の音がやんでいる。


「おい、この程度で息が切れたとか言わねぇよな」

「もちろん」


これは小手調べの少し上程度。


「こら!お前ら!」

「団長、もう出発ですかい?」

「馬鹿どもが楽しそうなことしてたんでな。俺も……」

「いい加減にしてください」


後ろから氷のように冷たい声が。


「梓ちゃん、それはないだろ。今いいところなんすよ」

「涼!梓ちゃん言うな!っていってるでしょ!」

「梓、いいだろ。互いの実力を確かめるということでな」

「隊長、その呼び方も何度も……!」


「梓ちゃんが怒ったぞ」

「梓ちゃん、かわいいですぅ~」

「梓ちゃん、顔が赤い」


周りの兵士にからかわれている。

梓が顔を真っ赤にさせてプルプルと震えている。


「お前ら~!演習場3週だ!」

「げ!これから討伐ですよ」

「梓ちゃん、それはないよ~」


火に油を注ぐ。


「お前ら、もっと増やしてほしいようだな」

「ひぃ~!勘弁を」

「お前らがんばれよ!」

「何言っているんですか?総隊長?当然あなたも走るんですよ?」

「……マジ?」

「えぇ、誰かさんが名前で呼ばなければこんなことにはならなかったはずですが?」


俺は目の前の涼に合図を送る。

涼も頷き返し、この戦線を離脱……できなかった。


「あれ?なんで……?」

「あなたたちは、重罪人ですよね?」

「俺たちは、実力を測る……」

「問答無用!」





説教は昼間で続いた。




皆が馬に乗る。

百数頭の馬が並ぶのは壮観である。

しんがりと称して、見つからないように


「あれは無いよな~!」

「ですよね~!」


と、

涼と愚痴を言い合いながら、馬に揺られている。



「涼!」


怒られた。


「何?梓ちゃん」


あそこまでやられてこの反応は、強者だ。

梓も怒りを通り越して呆れている。


遠くに見えるのはミスカル峠。


草原は見渡す限り何も無い。


「退屈だ。よし、山賊でも殲滅しに行くか!」

「は?」


何言ってんだ?


「だからな、ここの山賊をつぶそうって話だ」

「ここはどうする?ばれたらただじゃすまないだろ?立場的に」

「魔術でどうにかしてやらぁ!」

「そんな適当な……まぁ、いい。いくか」

「3・2・1 今だ!」


俺たちは馬から飛び降りる。


「あ!その後はどうするんだよ!?」


しくじったか……?


「大丈夫だ。峠を越えた先で休憩がある。そのときに行けば問題ない」


よし。


「こっちから、馬では無理だが峠までの近道がある」

「なんでだ?ここから見てる限りじゃ峠までは一直線だろ?」

「おめぇ、地理知らないのか?ミスカル峠は、歩いて上る分には問題ないんだが、木々が生い茂っていて、馬が登れる道となると回り道しないといけねぇ」

「舗装はしないのか?」

「峠の向こうには、山一つ越えた先に国がある。それも不穏なやつがな」

「帝国……か」

「そう。そんな情勢の中、天然の防壁を壊す理由が無いって話よ」

「なるほどな」


走る。

九十九さんに鍛えられたおかげで、かなりの速度で走っても、疲れることはないし、息が切れることも無い。


横を見ると重そうな鎧を着けたまま俺と同じ・・速度で走っている。

やっぱ凄いな。


馬が回り道のために東に向かうのを確認しながら森の中に突入する。


「森の中は視界がきかねぇが、ここらにやつらのアジトは無いだろう」

「なんでわかる?」

「少し違うな。だろう・・・だ。峠で襲うなら側面からだ。前後からだと道に出ちまって気づかれちまうからな。それに生活できる場所が無い」

「……洞窟」

「そうだ。一番身を守りやすいからな」


なるほどな。

洞窟があるのは斜面。

ここらへんは傾斜が緩やかだからな。


「もう一つある」

「何がだ?」

「ここにいない理由。ここの土はやわらかい。腐った葉が貯まってできた土。一般的に腐葉土と呼ばれているものだ」

「なるほど、でも、これは魔術を使えば誤魔化せるんじゃないか?」


土を固めたり、見えないように隠したり。


「そしたら魔術の痕跡が残っちまうからな」

「魔力残滓だったっけか?」

「正確に言うと、魔術使用後における大気に分散される余剰魔力残滓、って言うんだけどな」

「そんな専門知識要らないだろ。っていうか、騎士なのに何でそんなこと知ってるんだ?」

「俺は子供のときな盗賊やってたんだよ。物かっぱらって、追い回されて逃げ切ればその日の食事を、手に入れられなければじわじわと死んでいく。そんな毎日だったのさ」


話がまったくつながらない。


「そんな俺にもある日転機が訪れた。転機と言ってもそう大したことじゃない。そこらの同じ境遇のやつらと一戦交えたんだ。縄張り争いってやつだ。どっちも生きるために必死だった。その日、俺は負けてな。通りでくたばってたんだ。見えるのは降り注ぐ雨と俺を無視して通り過ぎていくやつらの足」


っていうか何でこんな重い話になってるんだ……。


「そんななかで、白い靴が俺の前で止まった」


騎士団の人か……。


「顔を上げるとな。きれいな少女だった」


違うのか、じゃあ誰だ?

続きを聞く。


「俺に言ったんだ。なんて言ったと思う」

「大丈夫か?とかか?風邪引くぞとか?」


思いついたのを言ってみた。

聞いてくるからには、変なことを言ったのだろう。


「普通そう思うだろ?だがな。あいつは俺に向かってこう言ったんだ。『これ欲しい』ってな」

「……は?これ欲しいって……何だよそれ」

「極めつけは執事が起こしてくれたんだが、そのとき俺に向かって言った言葉が『面白い』だぜ。どっちのほうが面白いんだよって言う話だろ?」


馬鹿だ。

その人たち絶対馬鹿だ。

……?


「本題からずれてないか?」

「ん?そうか?まぁ、いいさ。で、拾ってくれたのは今の王女でその人たちを守るために勉強して今の地位だって話だ。残念だが近衛兵の試験には落ちたがな。でまぁ、さっきのがわかったのもその勉強の一環ってやつさ」



この国の未来が不安だ。

そして、涼に言いたいことが一つ。





「拾われるまでのエピソード要らなくないか?」

「……」

「あ、すまん」

「いいエピソードだったからな。教えておこうと思ってな」


『いい』という評価が俺にはできないし、知ってても何の役にも立たないんだが?


「まぁ、良かったんじゃないか?」



「何でそんなことを俺に?」


人の過去を聞いて回る趣味は無いんだが?


「なんとなくだな」


なんとなくで自分の過去を話すやつがいるとは……。


「で、お前は無いのか?」

「何が?」

「昔の話だよ」

「そんな大したことは無いけど?」

「問題ない、暇つぶしだ」

「簡単に言うと依頼受けて、特訓して、今依頼を受けている。以上」

「……………………」




沈黙って刺さるんだな。

即死だよ即死。




「俺は昔の話っって言ったよな?」

「だいぶ前だね。かれこれ、三週間前くらいだな」

「お前頭悪い?」

「いや~、それほどでも」

「ほめてないぞ」

「記憶が無いんだよ」

「なるほど、それなら納得……できるかい!」


緩やかなのぼりが終わりを告げると同時に視界にあるものを捕らえる。


「静かに」


ピタッと声がやむ。


「どうした?」

「煙だ」


普通なら、山火事でもない限り見られない。


「この国は空気が乾燥しにくいからな。落雷でもない限り山火事は無い。ここ数日の天気は晴れまたは曇り」

「じゃあ・・・・・・?」

「あぁ、アタリだ」


西側に見えるのは切り立った崖。

煙もそこから出ている。


東側は急な斜面だが、駆け下りることはできそうだ。

しかも、峠道である。


「近々、捕り物でもやるようだぞ。普段からこんなところにいるわけねぇからよ。これは妙だがな」


何が妙なのかはわからないが、やることやって後から聞こうか。


「で、普段の生活はもっと離れた安全な場所か……」

「そういうこった」

「じゃあ、さっさとやるか?」

「そうだな。早いこと済ませちまうか。それから、殺しはなしだぜ」

「わかった」



派手に行くぜ!


「『天破』」


鞘に収めたまま振ると

入り口にいたであろう山賊が吹き飛ぶ。


「剣圧まで使えるのか、将来はバケモンだな」

「ほっとけ。ぼさっとしてると全部俺がやるぞ?」

「それは困る。俺の見せ場とるんじゃねぇぞ」


そういい捨てて

飛び出していく。


どうしたものか……。

『旋風』は、殺してはいけない今は使えない。

『地砕』も、山の崩落が怖いから使えない。


飛来した魔術を『破魔』で切る。


目の前で魔術を斬られて唖然としている男の腹に鞘を埋める。


「グフッ!」


後ろで剣を振り上げている奴には鳩尾に柄を入れてやる。


「グェ!」


体を半身にすると矢が体をかすめていく。

ギリギリでかわせたのではなく、隙を作らないためにギリギリでかわしただけ。

前に襲われたときは、こんな余裕はなかった気がする。


矢が数本こっちに向かって飛んでくるが、自分に当たるのだけ鞘ではじく。

刃のほうもありえない強さだが、こっちもなかなか丈夫だよな。


向こうで数人が吹き飛ぶ。

涼は数人同時に相手しているようだ。

頭らしい奴が出てきた。


咲や腕を切られた唐木。


「別に仇討ちって訳じゃないんだけどな。死んでないしな」


後ろに回りこんで振り下ろす。

音もなく崩れ落ちる。


頭を倒したことで、投降を始める。


「くそ!不幸続きじゃねぇか!拠点は滅びてるし、お頭はやられちまって」


別に殺したわけじゃないんだがな。


「よし、これで全員か」

「で、これどうやって運ぶんだ?連れて行くことはできないだろ?」

「こんなときのために隊長、副隊長は魔法具を持っている」


そう言って取り出したのは、紐。


「これで陣を描けば、転送できる」

「おぉ」


それはすごい。


「で、どんな陣だったっけか?」

「覚えてないのか?」

「忘れちまったな」


どうすんだよ!


「正方形を描いて、文字を刻んでいくんですよ」

「そうか。そうだったな!さすが、あず……!?」


なぜここに!?


「あんたが怒られたくらいで静かになるわけないでしょ」


そうか、琴音さんとか月夜が基準だったけど、ばれない幻なんて使えるわけないか……。


「この山賊でチャラに……すいませんした!」


睨まれて瞬殺。


休憩時間はなくなった。



馬に乗る。


「翔さんどこに行っていたんですか?」

「気づいていたのか?」

「途中で馬を下りる気配があったので」


マジですか?

千花の感知能力高っ!


驚愕しながら、馬を駆る。




目的地は近い。

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