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神とともに歩む者  作者: mikibo
初仕事編
45/98

今日は誕生パーティー 本番

「ぐっ!」


久しぶりの痛みだ。

っていうか、ほんとに痛い。

俺を殴るとき、あいつ絶対手加減してないだろ。


「まずは起きるか!」


体に反動をつけて勢いよく起きる。

着地の瞬間に激痛が走る。


「ムグッ!」


次にやることは、琴音さんに文句を言いに行くことだな。

さすがにこの仕打ちはひどい。

周りを見渡すと先ほどの部屋。

外は真っ暗だが、光が灯っていていたって明るい。


「もう、始まったのか?」


かすかに聞こえる音楽が普段とは違うことを知らせてくれる。

扉のほうを向き


「どうぞ」

「お気づきになられましたか?」

「どちらの意味でしょうか?」

「さて、私には分かりかねます」


本当は分かってますよね。


「もう、始まったんですか?」

「そうですね。23分ほど前に始まりました」

「眠っていた時間は?」

「34分くらい前ですね。こちらで翔様が倒れているという話を聞いたときの話ですが」

「お騒がせしました」

「大丈夫ですよ。お嬢様も気にしてはないようですし、主にも反省していただいておりましたから」


お疲れ様、そして、自業自得だ!

と、悪態をついておく。


「俺はどうしたら?」

「美咲様以外は、会場で食事しております」


賢明な判断だ。

もし、知らない人が美咲の食べっぷりを見たら引くよな。


「私もおりますが、どうかお嬢様をよろしくお願いします」

「あぁ」


手早く九十九さんがしわのついたタキシードを着せ替える。

さすが職人技だ。

さぁ、行くか……



「すいません。ここからどう行けばいいんですか?」



クソ、俺のは瞬間完全記憶能力じゃないのかよ?

なんで迷うんだ?


九十九さんについていって曲がり角に来るたびに曲がる方向を予測するのだが、外れる外れる。


最後の曲がり角で

右と見せかけて、ここは左だ!!




はい、右でした。

くそ~!


正解数:0


な、なぜだ……。

落ち込んでいるおれに声をかけてくる。


「こちらです。ここから入れば、注目を引くこともないかと」

「ありがとうございます」

「それと・・・・・・」

二言三言を残して、去っていく。




大丈夫だろうがあいつらでも探すか……


中に入ると広い。

200人は軽く入れるだろうかという広さだ。

案内されたことはなかったので、ここに来るのは初めてだ。

周りから注目されないように死角を歩く。




あぁ

予想通りだ。


千花は気配を薄くしてきづかれないようにしているし、希と悠は完全子ども扱いで誰からも声をかけられない完全放置されているという問題ない状況にあった。

その近くでは

明はというと女性たちをはべらせていた。

身分は平民なのにハンサムさでそれを補うという高性能さを発揮しているのである。


「私と踊ってください」

「私が先よ!!」

「何言ってるの!どきなさいよ!」


誰が先に踊るかでもめている。

大変そうだな。


「メインはお前じゃないぞ」

「分かっているんですが、どうしようもなくて。助けてくれませんか?」

「がんばれよ。助けてやらないのはこの前の仕返しだ」

「自業自得ですか……。教訓ですね。そういえば、前に聞いた話なんですがそのタキシードをやめて・・・」

「先に言っておくが、メイド服なんて俺は着ないからな」

「そうですか。実に残念です」


口の形だけのやり取り。

目の前にいる女性たちはうっとりしすぎで全く気づいていない。


俺は明から視線をそらし周りを見渡す。


あれか?

このホールの中で最も大きい取り巻きがある。

十数人の男が1人を囲んでいる状況だ。

取り囲んでいる性別からして、中にいるのは女性。

ってことは、ほぼ確実に月夜だろうな。


「ぜひ私と踊ってください」

「私の方が先だ!!」

「僕が最初に声をかけたんだぞ」


うるさいな。


周りの人を見て、踊りを記憶する。

できたところを見ると、俺は


……極度で重度な方向音痴らしい。


まぁ、分かりきっていたことだがな。



ため息をつき、飛び込む。


「何だ、貴様は!」


この無視だ。

何かむかつくしな。

精神的なものなのか、どこかやつれて見える月夜に


「緊張をほぐすためだ。まずはこの友と踊ってくれないか?」


と、手を差し出す。

月夜は一瞬震えて、こっちを見る。


ナニコレ!?

連れて行きたいんですけど?


月夜が纏っているのは胸元の開いた扇情的な紅さ。

それでいて、中身相応の可愛さを持ち合わせているフリル。

ドレスの下には大胆な……


睨んでる睨んでる。

琴音さんと一緒で心が読めるのかよ?

いや、読めるのか。


九十九さんのさっき俺に言ってきたことを思い出す。


「幻を使うにはそれに比類するだけの真実を見抜く眼力を必要とします。だからこそ、主とお嬢様は悪意や善意、感情を見抜くことができます。ですから、くれぐれもお願いいたします」


だったな。


「返事はいかかでしょう?」


その言葉に月夜は手をとる。

奴らからしゃべっている内容がばれないように、中央に引く。


「踊ったことあるの?」

「初めてだが?」

「納得いかないわね。で、さっき何考えていたのよ?」

「あぁ、それはだな。うん」

「忘れなさい!」


その言葉と同時に足の甲に激痛が走る。


痛い痛い痛い痛い。

歯を強くかみ締める。


「何すんだよ」

「わ、忘れなさいよ、馬鹿。変態。」

「グッ!否定できる材料がない・・・・・・。で、大丈夫か?」

「何がよ?」

「いや、なんでもない」


曲が変わりそうになって


最後によろけるふりをしながら、前のめりになって月夜の耳元で


「お前は1人じゃない。俺たちがいる」


周りがうるさいので、離れると月夜の顔が真っ赤だ。


「大丈ぶ……」


調子を聞こうとした瞬間に俺の体は宙に舞った。

まさかの美咲の蹴り。

だが、今回は受け流しつつ周りの人の迷惑にならないように離れた。

月夜の口が何か言いかけていたがまた蹴りがきたので聞き取れないまま逃走する。





数十分後


俺は美咲を何とか鎮めて戻る。


会場には月夜の姿はない。

どうやら、もう引いたようだ。


今度は琴音さんがいて、なにやら話し合っている。




さらに

数十分後


全員が帰っていったので、みんなで集まる。

もちろん、月夜も一緒だ。


「疲れた」

「自業自得ですよ」


明にやり返される。

くそう!

覚えてろ!


「初めまして、私は希でこっちは悠と言います」

「月夜です」


無効では自己紹介をしている。


「後は内輪でやりましょう。九十九さん、お願いします」

「かしこまりました」


突然

目の前にケーキが現れる。


「うわ!」


悠は驚き喜んでいる。

九十九さんが指を鳴らすと今度は明かりが消える。


「きゃっ!」

「最高です。九十九さん」

「ひゃっ!」


希の悲鳴と美咲の声。

何が最高なんだ?


「どこ触ってるんですかぁ~!」


やめておけ!


もう一度鳴らすと

いつの間にかケーキにさされていたろうそくに火が灯る。

照らし出されるのは、皆の顔。


「あぅ~」



真っ赤な希と満足げな美咲、それを面白そうに眺めている千花と、姉の悲鳴に立ち上がったものの暗くてどうしていいか分からず立ち尽くす悠、相変わらず表情の変わらない明に、そして、笑う月夜。



「お嬢様」

「えぇ」


一息で火がかき消される。


拍手とともに

三度目の音で明かりが灯る。


「さてさて、プレゼントタイムに移行するわよ・・・・・・じゅるり」


危険だな。

よしこうしよう。


「美咲は食べないようなのでみんなで分けるぞ!」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」



数分後


ケーキを食べ終わった俺たちは改めてプレゼントを渡す。


「はいこれ」

「いっちゃん誕生日おめでとう」

「もしもっていたらすいません」

「じゃあ、俺からはこれな」


それぞれ渡していく。


なんか面白くない。

よし


「九十九さんに中身を当ててもらいましょう。全問正解すると月夜が一問間違いだと美咲が二問間違い以上だと希が獣化状態の千花をいじれるゲームです。どうぞ、奮ってご参加ください」

俺の言葉に

「いいわね、それ」

賛成する美咲に

「ふぇ?」

驚く希と

「な、何で私いじられる役決定なんですか?」

あせる千花。

「九十九、勝ちなさい」

そして、本気な月夜。

「いっちゃん?」

「仰せのままに」


並べる順番は

明、千花、美咲、俺の順だ。


まずは小さい箱。

「香水です。匂いはフローラル系、品種はバラですね?」

「正解ですね」

見ないでどうやって当てているのか?

「私、香水は持っていないの」

明、勝利。

表情変わっていないけど、こぶし握ってるぞ!


次は小型の袋。

「これはブレスレッドですね。ミスリル製でしょうか?」

「正解です」

すごい!

「なっちゃん、ありがとう」


次はきれいな立方体の箱。

「紅茶です。地域は西の……アルバニの幻陽茶ですね」

「正解よ」

残念そうだな。

「え?幻陽茶ですか?ここからは仕入れることができないのでうれしいです」


最後の砦

大きい袋に入れている。

「ブランド物なら分かるんですが、一点ものは厳しいですね。でも、この魔力は・・・・・・」


口の動きを読み取る。


「製作者正解です」


さすがだ。

空気を読む天才ですよ。


「巾着袋ですね」


わざわざ大きい袋に入れたというのに・・・。

恐るべし。


「これは面白いぞ。手を入れてみろ」


月夜は右手をまで入れた。


「「「「「「はい!?」」」」」」


九十九さんと俺以外の声がかぶる。


「さすがですね」


千花がこっちを見つめてくるので、目をそらす。

よし、逃げる!


「と、いうわけで最後の問題は半分正解ということで、美咲と月夜2人に差し上げます」

「ちょっと翔さん。聞きたいことが……な、何でつかむんですか、美咲さん?」

「行きましょ?ね?」


にっこりと笑う美咲から抜け出そうとする手と反対の手を


「そうですね。行きましょう、いっちゃん」


月夜につかまれ


「あれ?なんで、なっちゃんまで?」


誘拐されていきました。


「じゃ、お疲れ」


残った人たちに挨拶する。


「そうですね。おやすみ」

「おやすみなさい」

「じゃな~」

「悠!」

「九十九さん、2人を」

「かしこまりました」



後は九十九さんに任せて、部屋に戻る。


そしてこの長い一週間を思い出しながら眠りについた。






明日からの修行のために……









分からないところは質問してください。

主に私のために・・・・・・


2012/06/06 世界観をぶち壊す発言修正

       ドンマイ→お疲れ様

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