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神とともに歩む者  作者: mikibo
常識学習編
24/98

魔術は斯くも美しい 下

落ち込み気味なせいか、文章の方向性が若干、暗めです。

あしからず


それと評価してくださった方ありがとうございます。

これからもがんばっていきますので、よろしくお願いします。

一瞬、背筋が凍るような感じがしたのだがなんなのだろうか?

考えをめぐらせるとすぐに答えが出た。



    殺気




「しょ……さ…。あ…ぉ、……う…ん。」


自分の名前が呼ばれ、そのことを深く考えるのは、強制的に中断された。


「なんだ?」

「なんだ、じゃないですよ。話し聞いてましたか?」

「いや、すまん。考え事をしていた。」


まさか、こんな場所で殺気を感じるわけないだろう。

気のせいだな。


「へぇ~。今のに気がついたんだ。まったく、規格外ね。こんな力のある子が、今まで私の情報網にひっかからなかったって、どういうことよ。」


麻奈花がぶつぶつ言っているが小さくて聞き取れない。

「どこまで聞いていましたか?」

麻奈花が言っていたことを聞こうと口を開こうとしたところを邪魔される。

本人はそんなことは考えていないだろうけど……。


と、千花の問いに答えようと記憶をあさる。


「魔術の運用法を説明するといったところまでだな。」

「…………………えっ。」

「なんか俺、変なこと言ったか?」

「いえ、聞いてたことに驚いただけです。」


そういえば、俺、瞬間完全記憶能力なるものを持っているような気がする。

聴いていなくても記憶に残っているなんて、便利だ。


詠唱魔術アリア略式魔術スペル遅延魔術ディレイ固定魔術ホールドです。」

「面倒だな。」

瞬間記憶とはいえ、やはり面倒くさいものである。

「そう言わないでください。せっかく、使わず放置されていた私の知識が陽の目を見たんですよ。」

「使わないのかよっ!使わないんだったら、別に覚えなくても……。いや、知識はあるに越したことはないか。」

そこで、ずっと黙っていた麻奈花が、口を開く。

「知識は諸刃の剣よ。知らなかったことによって死ななかったこともあれば、知っていたことで殺されることもある。知っていたことで生き延びることができることもあれば、知らなかったことで、死ぬこともあるわ。知識を得るにはその代償を見つめなさい。すべてが終わってから公開するのはいやでしょ。」


重い


ただの言葉、羅列


これを知るのに


どれほどの苦しみを味わってきたのだろうか?


知っていたことで傷つき


知らなかったことで傷つき


辛さや悲しみ、憂いや寂しさ


それらを背負ってきたことを感じさせる声だ。


「まぁ、この程度なら使わなくても常識として知っておかないといけないんだけどね。」

それらを払拭する声。

だがしかし、俺の思考は埋没する。


孤独


悲しみ


憂い


絶望


置いてかないで

死にたいのに

みんなと一緒のように死にたいだけなのに

生きて死ぬただそれだけなのに

どうして?なんで?

俺は■■■なんだろう。


さらに深く沈んでいく


底に扉がある

なんだろう?

その扉に手をかける


その扉を開いてはいけない!


女の人の声が響く


知らない声…でも、どこか懐かしい響きだ


………………ッ!

扉からはじかれて


俺は浮き上がりやがて岸にたどり着く。


目を開くと心配そうな顔をした千花が覗き込んでいた。

俺は寝ているらしい。


「大丈夫ですか?」

「あぁ、問題ない。さっきの話を続けてくれ。ぐっ!」

体を起こそうとしたら、激しい頭痛がした。

「休んでいてください。」

険しい顔をしている。

ので、


ぷにぷに


ほっぺたを突っついてみた。

「ひゃう!」

千花の反応が、おもしろい。


そうやってからかうこと、十数分。


頭痛も治まってきた。

「大丈夫みたいだ。話を続けてくれ。」

目の前にいるのは、真っ赤になった千花である。

もちろん原因は俺じゃない。

麻奈花だ。

俺がいじっていたら、麻奈花もいじりだしたのだ。

問題は、俺と違って麻奈花が千花と同性であることにあった。

つまり、加減を知らない麻奈花は俺とは比較にならないほどのいじりで千花を追い詰めたのだ。

まぁ、やりすぎて、鼻血出して貧血になって寝ている。

ドンだけ、興奮してんだよ。

ただの変態じゃないか。いや、そうだろうけど。


「じゃあ、話を続けますね。」

続いてるか怪しいけどな。

心の中で突っ込みを入れる。

「詠唱魔術は、アリアと呼ばれ、もっともポピュラーなといいますか、ほぼすべての人がこれを使っています。アリアは、一字でも間違えたら発動しない……なんていうことはありません。むしろ、新しい魔術はむしろ、こういったところから生まれます。」

「ちなみに間違って、発動したらどうなるんだ?」

「九割方、対象が決まらなくて暴走したり、威力が強大になりすぎて暴走したり、範囲がめちゃくちゃになって暴走したりします。」

「全部、暴走かよ!」

思わず突っ込みを入れてしまったぞ。

恐るべし天然。

「次は略式魔術ですね。これは、威力を落として詠唱時間を短くするものです。これは大体1000人に1人か2人位が使っています。これを使うのは魔力の高い人が威力を抑えたり、普通の魔術師たちでもとっさに身を守るために使うこともあるのです。それから先ほどのように魔術式を先に構築することで威力を落とさず詠唱を短くできるものもあります。詠唱して魔術式を起こすのが、アリアですが、これは詠唱を魔術式を描くことで代用するものなのです。侵入者迎撃プログラムのようにトラップなどに良く使われています。また、ひたすら使い続けることで、詠唱なしでも使うことができるようになりましゅ。」


「かわいい。」

と、つぶやいて麻奈花はまた気絶した。


「すいません。長い話は久しぶりなのです。」

と、わたわたしながら、弁解する。

少し顔が赤い。まぁ、当然といえば当然か。

助けというわけではないがスルーしてあげる。


「次は、遅延魔術です。別名ディレイと呼ばれています。その名前の通り、魔術式が完成してから発動までの時間を引き延ばしておこなうものです。これは需要が少ないです。」

「なぜだ?それって、先に詠唱してストックをしておけば、好きなときに使えるんじゃないのか?朝、起きたらすぐに詠唱を始める。できるだけストックしておけば、戦闘でも困らないと思うんだが?」


自分で言っててなんだが、それが可能なら誰もがその方法を選択するだろう。

だが、それが行えないのには必ず理由があるはずだ。


「それは無理なんです。」

案の定ってやつだな。

「たとえで説明しますね。」

といって、箱を数個ほど取り出す。


???


どこから出てきたんだ?いや、これは突っ込んだら負けだ。

「翔さん、これを持ってください。」

俺は指差された箱を持つ。

片手で持つには少し重い。


「荷物の重さが、魔術に必要な魔力。荷物の数が、詠唱した魔術式。翔さんの筋力が魔術の処理能力。体力が翔さんの保有魔力です。そして、これを持ち上げて運ぶことを魔術の行使とします。いいですか?」

「あぁ。」

「ただ単に運ぶのは、アリアです。ディレイは、常にその状態を保つことです。」

「なるほど。」

「そして、ディレイをストックすることは、……。よいしょ。」

俺の持っていた箱の上にさらに箱を追加する。

「このように箱を積み上げていくことなのです。」


重い……。


「ちなみに翔さんが持てる箱の数が魔術処理のスペックを、どれだけ長時間持っていられるかが魔力保有量を表しています。」


腕がつる……。


「この状態でいつも生活することになるので、使う者は少ないんですよ。って、聞いてますか?あっ!すいません、もう下ろしてもいいですよ。」


疲れた……。


「最後に固定魔術について話をしますね。これはホールドとも呼ばれています。」

「さっきのやつか?」

上下移動する机を思い浮かべる。

「その通りです。あらかじめ術式を対象に刻印しておきます。そこに魔力を通すことによって起動するのです。これは術式の作成時に登録した人だけが使用できます。その登録者が亡くなるとその術式も消えてしまいます。ですから、ライフチェッカーというものが存在します。」

「何だそれは?」

「簡単な話なのです。亡くなってしまえば、消えるのですから。生きていれば、術式が存在するということです。つまり、簡単な術式の固定魔術を付与したものをそこに預けておくのです。そうすれば、簡単に安否を確認することができるのです。術式が消えていれば、死んでいるということですね。もし亡くなっていれば、その預けたものが形見の品となります。」


死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…………


はっ!


危ない、危ない。

また、暗くなりそうになりかけたが、ぎりぎりのところで持ち直した。


「ところで、固定魔術って何に使うんだ?」

「さっきの机のように仕掛けを作ることが多いですね。主に日常では遊び、戦争では籠城によく使われています。これは、ディレイとは違って使うときだけに起動するのでただの魔術式と消費は変わりません。」

気になったことを聞いてみる。

「遊びって何に使うんだ?」

「隠し部屋や落とし穴ですかね。」


本当に遊びかい!!


その心の突っ込みは誰にも届くことはなかった。


「………ところで、どうして俺たちってここにいるんだっけ?」



「「……………………………………………………………………………。」」


俺の言葉を出迎えてくれたのは、盛大な沈黙だった……。



読んで下さってありがとうございます。


危ない危ない

書きかけで投稿するところだった。

時間がない時間がない。

今宵も無い無い尽くしでございます


あれ初仕事はどこへ?

ということで題名サブタイトルを変えてみました。

これも若干違う気がするけど気にしないことにしました。



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