浅葱誕生!?
~SIDE 千花~
これはもはや詐欺ですね。
私の目の前にいるのは可愛い女の子。
ピンチです。この子、私の妹にほしいです。
私は一人っ子ですから、姉妹は憧れだったんです。
服装はメイド服、着せられるのは嫌ですけど、着せるのはとても楽しいですね。
あら、女の子が目をあけました。
起きたようです。
まず、私は言いたいことがあるので言います。
「この女の子が翔さんでありましょうか、いやそんなはずはないのです!」
反語を使って強調します。
「そうだから、あってるから」
「なるほど。翔さんは実は女の子だったんですね。そうすればすべて納得がいきます」
女の子がかわいいのは当然ですよね。
「ち・が・う!それにこの服装はいったいなんだ!?」
「メイド服ですが?」
「俺が言いたいのはそこじゃない!どうしてこんな服装になっているんだと聞いているんだ」
「似合うからです」
「俺は男だ!こんなものは着ない」
毒舌を吐くこの女の子かわいい。
可愛いは正義ですから・・・。
「こんなかわいい子が、女の子じゃないなんて間違ってるこんな世界は滅んじゃえばいいのに。」
と、今の本心をそのまま言葉にします。
「ちょっと待て、さりげなく今すごいこと言ったよな」
「事実です」
「とりあえず、それはおいといて、わかったか?俺は男だ」
聞き捨てなりませんね。
「嘘です、嘘です、嘘です。こんなかわいい女の子が、実は男でしたっていう物語みたいなことが、あるわけないじゃないですか、寝言は寝ていってください」
「いや、いや、いや、いや、いや。ちょっと待て俺の性別考えた上でいってるんだろうな?」
「もちろんですよ。」
「言ってみなさい。」
翔さんが、ちょっと怖い顔でいってきます。
それに対して私は堂々と答えます。
そんな脅しには屈しません。
事実は曲げられないのですから。
「男装好きの女のk……。いたいっ!痛いです。いきなり何するんですか」
翔さんに殴られました。
こぶにならないといいのですが・・・。
「本当の事言われたからって殴らないでくだs・・・。いたっ!」
次はでこピンですか。
どちらにせよ痛いです。
「何が本当のことだ!全部うそじゃないか!」
そこに麻奈花さんが帰ってきました。
どこへ行っていたのかは謎ですが・・・。
「翔君、いえ翔ちゃん。どんな気分?」
「最悪だな。」
はき捨てるように言ってます。
そうでした聞かなければならないことがあるんでした。
「翔さんは実は女の子ですよね?」
麻奈花さんに確認します。
「確かに男にしておくにはもったいないが、男ね」
あれ?目の前が暗くなっていきます。
意識がスーッと離れていく感じです。
本当に、男の子だったんだ……。
「千花ちゃん、女の子の名前を考えなさい」
自分でもわかるくらいに呆然としている私に麻奈花さんが変なこと言ってますが、気にし……ます。
あの手の動きが怖いです。
あれっ?なにやら寒気してきました。
早く考えないと大変なことになるということなのでしょう。
(麻奈花さんを恐れながら、)あれやこれやと考えること5分。
「浅葱がいいと思います」
麻奈花さんは一瞬、驚きで目を見開いたように見えました。
怖いです。
「よし、この姿のときの君の名前は浅葱で決定。いいね?」
と、麻奈花さんがうなだれてる翔さんに聞いています。
「もう、好きにしてくれ」
「翔さん、なんか投げやりですね」
「誰のせいでこうなったと思ってる?」
「ひごr……。「日ごろの行いとか行ったら今度ここには一人でくるんだな。」すいません」
ここに一人で来るのは、とても恐ろしいです。
あれっ?また手が震えてきました。
寒気もします。
今日は何度も寒気がするのですが、風邪を引いたのでしょうか?
「本当に浅葱でいいの?」
麻奈花さんが翔さんに確かめるように聞いています。
何の話をしているんでしょうか?
案の定、翔さんもわからない様子です。
「どういうことだ?」
「これからしばらく使ってもらう名前になってくるからよ」
「何の話だ?千花、これはどういうことだ?」
正直に答えましょう!
「私にもわかりません!」
そんな、お前使えないみたいな顔をしないでほしいのです。
知らないものは知らないのですから、決して忘れたわけではないのです。
私が抗議しようと口を開こうとしましたが、麻奈花さんに遮られてしまいました。
「何もいってないからね。あんたたちは素人というより素人以前の問題だからね。まだ、ギルドに加入すらしていないだもん」
「だから、何の話なんだ?」
翔さんがいらいらしてるのがよくわかります。
「お魚はカルシウムが豊富ですから、食べたほうがいいんですよ。いらいらも収まると思いますし…」
「二人とも奥まできて頂戴」
「そこにいけば、理由を教えてくれるのか?」
「えぇ」
なんか、私スルーされたみたいです……。
少し悲しくなってきました。
最近気づいたのですが、千花の言葉遣いが似非丁寧語になっているような気が・・・。
2013/02/01 文章追加・『。」』→『」』修正
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麻奈花さんは一瞬、驚きで目を見開いたように見えました。
怖いです。
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